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コンサルの私がシステムを作った理由②~先人の偉大さを知ることによる成長~

前回「コンサルの私がシステムを作った理由①~コンサル駆け出しの私がボロボロになった理由~」からの続きです。

前回は「自分から色々な人に話しかけにいくのがあまり好きではない」という私の特徴から、コンサル駆け出しの私に対してPMからもらった「自信持ちすぎ」というフィードバックをうけて、「システムを作った」という私がフルボッコになった状況の説明をしました。

今回は、「話しかけにくい」→「システムを作った」という流れが何故生まれたのかを説明していきたい。

まず私がコテンパンにやられた時にメンターからいわれた珠玉の言葉がある。

世の中の多くの問題は過去に何らかの形で先人達が解決している。自分で解決方法を考え始めてはだめだ

書いてあることは難しくなく、しごくもっとものことなのだが、意外と意識の外に行きがちになる。人間は問題を突きつけられたときに、どうしても「ではどうやって解決しようか」という論理に吸い込まれて行くものだ。

例えば、「営業の生産性を上げる」という問題に直面した時に、どうしてもその問題をどう解消するのかを真っ先に考えようとしてしまう。例えば、「商談時間を短くする」とか「事務処理を手早くする」とかそういうことを考えることになる。しかし、それではだめで十分でないということについて説明していく。

では、どうやって、考えるのかと言うと、世の中の同じような困りごとを探して、それをどう解決したのかを考えるとより良い対応案が考えられるということだ。たとえば、「営業の生産性を上げる」という例で言うと以下のような解決方法が世の中では考えられている。

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「生産性」ということだけに囚われると、「タスクの時間を短くする」ということにばかり目が行ってしまうが、「営業が月あたりに成約できる件数を増やす=営業生産性向上」という観点に立つと別の視点が生まれてくる。
※問題が既に「商談時間の効率化」にフォーカスされていたらこのような解決策ではないが、今回はそうではないとしよう。

簡単に解説すると、作業時間を短くするという分母(商談時間)の短縮に目が行きがちだが、分子である「成約数を上げる」方にも対策を打たなければならないことが分かる。

では、さらに「案件数を上げるとしたら世の中はどういう方法が取られているだろうか」をさらに調べることになる。そうなると、「現在のコンタクト先と商品ターゲットの分析」が必要であることが分かったりと、更に考えが先に進む。「案件規模を大きくするには」「成約率を上げるには」という観点でも同じように深堀りをして検討を進めることができる。

こうやって、世の中で考えられている解決策や事例を調べることで、かんがえなければいけないことのポイントを洗い出すことができる。最終的には、問題となっている事象に合わせた調整が必要になるが、基本的な考え方は、ほとんど世の中で検討されたもので進められる。

自分だけの力で考えていたら「商談時間を短くする」とか「事務処理を手早くする」しか考えつかなかったので、その差は歴然だ。

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確かに、いま客観的に見るとこんなにチープな考えしかできないメンバーを見たらPMは「全然だめだな」と思うのも仕方ない。こいつを成長させるにはどうしたら良いだろうか?となると「自分の力で考えすぎ=自分に自信持ちすぎ」と言ったPMの気持ちも、今なら分かる(わかりにくい言い方だが)。

これに気づいたのは自分としてもかなり大きな気付きだった。前職のSEからコンサルに階段を1つ登った瞬間の一つだと思う。

失敗から学んだことのまとめ

まとめると、問題解決するときの手順は4つの手順で進めることを学んだ。

①解決しなければならない問題の特徴を捉える
 今回だと「営業」と「生産性」という特徴
②特徴から世の中の事例を比較する
 今回だと「生産性を上げる事例」、「営業の行動分析」
③解決しなければならない事象と比較する
 ②の調査結果と今回の事例の比較、何が違うのか。
 例えば、会社の規模、業界、商品、ビジネスモデル、会社の特徴など
④今回のプロジェクトで何がベストかを考える
 ②③の分析をして、一度視野を広げて選択肢を広げて、今回のプロジェクトでどの方法がふさわしいのかを考える。

この手順を意識せずやろうとすると、どうしても④の「今回のプロジェクトで何がベストかを考える」というところからスタートしてしまう。そうすると、自分の力だけで考えることになり、しょうもない案しか検討できないことになるのだ。

繰り返すが、①~④の手順で進めることを意識的にやらないと、人間は必ず④からスタートしてしまうものだ。人間は問題を突きつけられたときに、どうしても「ではどうやって解決しようか」という論理に吸い込まれて行くものだ。なので、今でも常に頭の片隅に置いていて、問題解決に臨むときのチェックリストの1つになっている。

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やっとここまで来て、システムが必要な理由にだいぶ近づいて来た。
少し長くなって来たので続きは次の記事にしたいと思う。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。

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