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人気の「道の駅」で突然の退去要請!その理由とは?

道の駅『サーモンパーク千歳』は、集客に成功している千歳市の情報ステーションである。この建物には飲食施設が9店舗あり、コロナ禍にも負けず元気に稼働している。

それがなぜ、新しく管理業務を行う管理会社から突然の退去要請を通知されたのだろう。

道の駅は、地域の特性と恵みを生かした情報商品で活況を呈した商業コミュニティである。所有者は、地域の千歳市で管理会社を指名し施設運営を行う事業形態をとっている。

道の駅の目的は「ながれ」と「たまり」

道の駅は地域の情報ステーションである。
道路情報、歴史、文化、名産品、観光地紹介、地域の食材を活かした飲食施設、案内板や資料館、物産販売コーナーなどで構成され、一般道路でも安心して自由に立ち寄れる「ながれ」である。そして誰でも利用することができ、快適な休憩を提供する「たまり」が人気の要因である。

私の故郷への通り道にある中伊豆の道の駅でも、名産品のワサビ、イチゴなど物産品を販売している。伊豆の踊り子に恋した川端康成に想いを馳せる、そんな「たまり」である。

日本人離れした体格の息子は静岡おでんを頬張り、娘はおしとやかにワサビソフトクリームを食す、そんな情景のコミユニティであり、国交省がビジョンを掲げて地域に自由に創造活動させた成功例である。

道の駅「サーモンパーク千歳」飲食店に突然の退去要請とは?

大人気のまき窯ピザ工房「ピザドゥ」、お勧めはモチモチ食感、黒松のチーズ、サーモン、アスパラを使用したピザ、サイドメニューはグラタン、ラザニアと全て北海道の食材を使用した絶品である。

新年1月に突然新しく施設管理を行う業者が交代し、新たな管理会社(コンサルタント会社)より退去要請があった。3月中に退去を求める突然の退去要請に飲食店関係者も施設利用者からも怒りの声(北海道新聞より引用)があがった。

突然の退去要請に思う法理とは?道の駅のビジョン実現とさらなる発展の為なのか?

このニュースを聞いて耳を疑った。まず疑問に思ったことは下記5点である。

① 建物賃貸契約は定期建物賃貸契約なのか?普通賃貸契約なのか?
② 明渡しに伴う退去勧告は通常6カ月前から1年前に通知するのが一般的
③ 本物件の所有者である千歳市の承諾を得ての退去要請なのか?
④ 敷金(預託金)と原状回復義務の内容はどうなっているのか?
⑤9 店舗の飲食施設退去後の有効活用とは?

①定期建物賃貸契約では期日満了まで退去要請はできない。
更新を前提とした普通賃貸契約では退去要請はできるがテナントが拒否すれば法定更新される。日本の借地借家法では退去要請を拒否された場合、法務根拠のある対抗策は現在ない。テナントの安全を守るための耐震工事など(正当事由を除く)の明快な理由が必要である。

②通常貸主よりの退去勧告(退去要請)は、一般的には1年前に書面で通知され、テナントの理解を得るために正当事由を丁寧に説明する。本件は正当事由も説明せず書面にて退去要請もしていないとのことであった。

③管理会社は、いわば土地建物所有者の代理人であり、千歳市の承諾なしに退去要請はできない。
人気の道の駅でありオーナーは千歳市(市民)である。それなのに、なぜ違法性の高い退去要請をするのか?ニュースに耳を疑った。

④飲食施設誘致の際、日本独自の預託金(敷金)があり、これは高額である。預託金返還には明渡しの際、原状回復義務履行が求められる。当然、明渡し要請するには貸主より敷金返還と原状回復義務について詳細説明が必修である。

⑤地方創生のための公共施設である道の駅。それも道内でも人気の道の駅であるにも関わらず、どんなビジョンがあってテナントに退去要請したのか、今後の地域のためになる活用の説明もない。
これは市長の責任問題にもなり得る行為であり、説明責任をしっかりと果たしてもらいたい。

邪推ではあるが、新管理会社(コンサル会社)は集客に成功したサーモンパーク千歳を見て9店舗直営店を経営できれば世界一のパウダースノーでインバウンドは爆発する。ビジネスとして儲かる、などの欲から出た行為であれば言語道断である。

確かな情報開示のない2月9日時点の私の意見であるが、テナントからの依頼があれば専門家として弁護士と協業して飲食関係者のお役に立ちたいと思っている。

私の夢 地方の繁華街の路地裏に横丁を創る

我が国は山と海が近く水資源が豊富である。そのため、大地も海も肥えている。私の故郷である静岡県東部も、海の幸、みずみずしい農作物、果物、お茶と、この神の恵みを受けている。その恵みで繁華街の路地裏に横丁を創りたい。人が集う居酒屋、寿司屋、焼肉、イタリアン、フレンチ、中華、うなぎ、ラーメン、蕎麦、みんな個人経営の小店、そんな横丁ができないかと思っている。

日本はどこも1500年の歴史と文化があり、料理は美味しくヘルシーで、海外の旅行客も多数訪れる。会話が弾み笑顔でおもてなし、そこは老若男女集うコミュニティである。

おわりに

人間はサンクコスト(埋没費用)を重視します。コロナ禍で飲食店は財務が損傷しています。逆境の中、閉店の決断も必要です。私の知り合いの飲食店経営者は、断腸の思いで茅場町店を退店し、「加賀で輝く」をコンセプトにした地域一番店を創り上げ、お見上げのヒット商品をつくりました。皆様のヒントになればと思い実例を紹介いたします。

卯年は挑戦跳躍の年です。皆様の成功を陰ながら祈願いたします。


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