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デジタル遺品(PC)のパスワード解除と相続財産の調査

ここ数年はデジタル遺品のトピックが取り上げられる機会が増えましたね。

PC、スマホ、SNS、ネット取引のパスワードがわからない、そもそもその存在自体がわからなくてご遺族が困ってしまうケースが増えたように感じます。

「株やFXをしていたのではないか」
「ネット銀行に多額の預金が残っているのではないか」
「ネットでカードローンを利用していたのではないか」

こんな心配ごとも今どきの相続の場面では普通なのかもしれません。

そういう背景を踏まえて、今どきのエンディングノートにもデジタル遺品について書くページは必ずあります。

つい先日もお付き合いしている方から「相続手続きで関わったお客様からデジタル遺品の相談を受けたのだけど、自分では対応できないから詳しい人がいたら紹介して欲しい」との連絡を受けたので、その関係の会社さんをご紹介しました。

さて、PCのパスワード解除に明るい方も多いかもしれませんが、私を含めてどうしていいのかわからないという方もいらっしゃるかと思いますので、私が最近調べた結果を共有します。

手順もわかりやすく、なんだか自分でもできそうな気がしました。
(解除用のプログラムは2,000円程度ですが購入する必要はあります)

ちなみにプロの業者さんに依頼するとこんな感じの費用感のようです。

パスワード解除の費用相場
・パソコンのパスワード解除 18,000~35,000円
・スマホのパスワード解除 20,000~50,000円

※下記サイトから引用しましたが、実際はもっと高額になるそうです。

ただ遺品整理業者さんも本業の片づけや不用品回収の案件を獲得するためのフロントエンド商品としてデジタル遺品解除サービスを提供して、実際は外注に出している場合もあります。

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ちなみに、昨今は終活アプリなるものも大量に出回っていますが、要はエンディングノートに記入する各種情報をクラウドで管理するものです。

基本的にログインパスワードをかけて管理し、万が一の時は家族にメール連絡するような機能を備えているものも多いですが、何をもって本人が亡くなったかを判定する基準があいまいな印象なので、せっせと入力した情報自体がデジタル遺品になってしまうような気がします。

さまざまな想定の結果、終活に利用するツールは結局は紙のエンディングノートで、その在りかを信用できる家族、親族に教えておくというアナログな方法が確実かなというのが私個人の感想です。

紙のエンディングノートにPC、スマホ、SNSやネット取引のパスワードを残しておいた方がいいということですね。

相続対策として遺言を書いたのであれば、照会制度があるため、遺言書の有無を調べることはできますので、覚えておくと役に立つかもしれません。

せっかくなので、生命保険、株式取引の照会制度も併せて書き添えておきます。

https://www.jasdec.com/system/less/certificate/kaiji/chokusetu/index.html

亡くなった方の借金についての調査もできます。
各信用情報機関に問い合わせをして調べる方法です。

信用情報機関には、以下の3つがあります。
・全国銀行協会(銀行系)
・JICC(消費者金融系)
・CIC(クレジット・信販会社系)

これらの信用情報機関に所定の必要書類を提出すると借金の有無、金額がわかります。

また、ご主人が会社経営などをされていたら、おそらく会社の負債について連帯保証人をしているでしょうし、会社から個人への貸付やその逆の場合もあります。

会社の株主でもあるでしょうから会社の業績が良ければその株式の評価も高いと思います。家や預貯金ばかりではなく、株式も相続財産ですのでご注意ください。いずれにせよ会社経営をしていると内部で債権債務が存在しますからご主人が会社経営されている場合には相続が発生したらどうなるのかを確認しておいた方が良いです。

デジタル遺品に限りませんが、若くして急に亡くなってしまうような場合を除いて、それなりの年齢になったら家族に迷惑をかけないような備えはしておきたいものですね。

まとまりなく思いついたことを羅列しましたが、どなたかの役に立つ情報になりましたら幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございます。