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日本の森や海の豊かさについて少し深掘ってみる②

こんにちは。突然ですが、「森林浴が好き」とか「森の中にいると落ち着く」という方は是非渓流釣りをやってみることをオススメします。私も念願の渓流釣りを昨年はじめ、まんまとハマってしまいました。

自然に融け込むフライフィッシング

私がはじめた釣りは、古来伝統釣法の「テンカラ」といって、竿、糸、毛針(水生昆虫やその成虫に似せて作った針)だけのシンプルな仕掛けで、和製フライフィッシングといったところでしょうか。なぜこれをはじめたかというと道具が少なくコンパクトでどこにでも持っていけるし、あれこれ複雑なノウハウがいらないという点でした。

まだ初心者レベルなので腕前は未熟ですが、釣れたときの感動といったらそれはもう得もいわれぬものがあります。釣りをする人なら誰しもが醍醐味と感じることでしょう。だから丸一日釣れないときはつまらないな〜と思うこともあります。ところがあるとき、なんとなく見ていたYoutubeでフライフィッシングの達人みたいな人が言っていたことにハッとさせられました。

川の周りには豊かな森があり、そこから栄養が流れ出て水生昆虫が育つ。そしてある特定の時期、時間になると成虫に羽化して一斉に水面をとびまわる。それを見計らって、魚たちはライズ(水面にパクっとくる)する。人間はそれを狙ってフライを打ち込む。川の生態系のサイクルの中に人間はおじゃまし、楽しませてもらう。それがフライフィッシングというものです

なるほどなと思いました。釣ることを目的にするのではなく、釣りという方法で自然のサイクルを体感せよと。ははぁ〜平身低頭、よこしまでした。それ以降ボウズでもぜーんぜん平気になりました。(笑)

川を分断するモノ

さて、そんなわけで渓流釣りのために森や山に入っていくとなかなか厄介なモノが、こんな山奥にまで!とありとあらゆる所にあります。それは「堰堤(えんてい)」です。いわゆるダムです。厳密には高さ15m以上をダム、それ以下を堰堤と河川法で定められています。ダムというと住民の反対運動とかたまにありますが、治水や発電等の重要な役割があり、現代社会において欠かせないモノとなっています。堰堤においても砂防を目的に造られています。

ただ魚にとっても釣り人にとってもいい迷惑です。川の上下に行き来できなくなるだけでなく、造るときや護岸整備に重機でガリガリと川をかき回したりされるので生態系はメチャメチャです。何度かそんな光景を目の当たりにしましたが本当に胸が痛みます。そうすると「ダムなんかいらないから撤廃しろー!」と原理主義的な主張したいのかと思われるかもしれませんが、そうではありません。だって必要な面もあるから。あれだけ物議を醸した八ッ場ダムも昨年の台風19号のときには活躍したみたいですしね。

言いたいことは二つです。

もうこれ以上造る必要はないのではないか

日本にどれだけダムがあるかご存知でしょうか。なんと約3000基もあるんですって!驚くなかれ、これはダムだけです。

堰堤はなんと約85000基・・・。河川工事は国の特権ですから、高度成長期に巨大な公共事業になったんですね。治山治水の大義のもと全国津々浦々、川という川に手を入れたんだと思います。しかし実際に堰堤を見たことがある人はおわかりかと思いますが、ほとんどはできて数十年経ち、砂礫で埋まってます。つまりただの人工の滝です。これで砂防の効果があるのか甚だ疑問です。こんなものを造るためにこれ以上税金を投じて自然を壊す必要はあるのでしょうか。

もっと上手く利活用できないか

堰堤は不要と言いつつも「壊せー!」とは言いません。それにはまた工事と生態系破壊が発生するので。既にできてしまったものは目をつぶらざるを得ません。そして、これだけたくさんあるダムや堰堤を負の遺産とさせないために活用できる可能性、それは発電です。

日本の山や川は急峻なところが多く、よってダムも落差があり、水力発電または小水力発電に適しているはずです。ところが国のダムは半分、地方公共団体のダムは3分の一程度しか発電機がついていないというのです。これはとてももったいないですよね。発生してるエネルギーを回収せずに放置してるわけですから。ちゃんとコスト計算しておらず根拠不明ですが、毎年河川工事に費やす費用の数%を発電機設置に充てたら何か良さそうな気がしませんか。

ということで次回は完結、森と海の豊かさについて、日本の再生可能エネルギーのポテンシャル面から書いてみたいと思います。

つづく。

※TOP画像は自分で釣ったキレイな山女ちゃん


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