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サマンサタバサ社の業績悪化について

こんにちは😃

2019年ごろからコロナ禍の影響で、インバウンド需要の極端な減少や一時期の外出を控える風潮などから、特に実店舗を主戦場とするアパレル企業や飲食業、旅行業などを筆頭とした様々な企業が大きな打撃を受けてきましたが、2023年になり旅行客も戻り、何年も実施されなかった忘年会が解禁されたりと、ここえきてかつての環境が戻りつつあるようにも感じます。

もちろんアフターコロナという言葉もあるように、アパレルなどではコロナ禍でEC中心の購買に慣れたことで、現在になっても洋服はECを利用するようになった購買層など、マーケットの購買行動は変化が生まれています。

その中でアフターコロナをはじめとした若年層の購買行動の変化、少子高齢化など目まぐるしい市場環境の変化にスムーズに適応していく企業と、出来ない企業というのが浮き彫りになってきているようにも感じます。

今回のタイトルにもさせていただいた、サマンサタバサもそんな企業の一つなのではと考えます。

サマンサタバサは1990年代に会社を創立し、2000年中期から2010年あたり(すごくばっくりですいません😅)の赤文字系コンサバファッション全盛期には当時人気絶頂であったCANCANのトップモデルの蛯原友理さんをモデルに起用し、大ブームとなった。
当時私自身も某セレクトショップで販売員をしており、同じ館に入っていたサマンサタバサを見るといつもお客様で溢れかえっていたのを思い出す。
その後もミランダ・カーをモデルに起用したCMの放送などイケイケのイメージだったが、いつの間にかこの業界でもあまり名前を聞くことは無くなっていった。

そんな時に【サマンサタバサジャパンリミテッドが2023年12月に支給する予定であった賞与を支給しないことを決定しました】という記事を見かけた。

ただこれを見た時驚きや意外性は特になく、「そうだろうな」くらいにしか思わなかった。
それは単純にここ数年の業績をみると明らかにそんな余裕がある状況ではないことが明白だからである。

では何故あの一世を風靡したブランドがここまで低迷してしまったか、私はそれはひとえに驕りであると考える。

では驕りとは何か?

私のいうところの驕りとは、「自分たちのやり方が正しい」、「自分たちのやっている事がいけている」、「自分たちはすごい売れていたんだ」、「自分たちは良いものを世に出せている」そんな感覚を持っている人が特に昔からいる人達や上層部に多いと考える。
簡単に言うと業績が落ちてきた時にトレンドのせいにしたり、販売員の質が落ちたと考えてみたりと“自身の中の変化につながる思考”を持つ人が少ないのだと思う。
もちろん本人達はそうではないと言うだろうが、潜在的にはそうなのだろうと私は思っている。

実は私はサマンサタバサの中にも知り合いがいたり、1、2年前に仕事でも少し同社と絡んだ事がある。その時は役員クラスの方と部長クラスの方を相手に商談をしていたのだが、詳しくは記載しないが丁寧な対応とは言えなかったように思う。

その後、私の販売員時代の知り合いにその方の事を聞くと、やはり古くから同社にいる方との事だったので、やはり良い時代を引きずっているのかなという印象をうけた(あくまでも私個人の感想です🙇‍♂️)。

アパレルという業界は良くも悪くも情熱や根性と言った、IT系の企業の方に話すと鼻で笑われるようなものが評価に繋がったりするような風潮がいまもまだ残っていると思う。

私自身もあるブランドで責任者をやっている時に、一時的に業績が低迷したさい、執行役の方から「〇〇君の部署は残業のほとんどしないで、早く帰ってるから売上が上がらないんだよ」なんて事を言われた事がある。もちろん同じようにほとんど残業をさせず大きく業績を向上させたこともあるので、私個人は今でもそこに明確な相関関係はないと考えている。

実際にその会社で残業しているメンバーは大体同じで、業務時間中に見ていると雑談をしていたり、ひどい時は残業までして2、3時間雑談している責任者もいる。単純に家に帰りたくないという人もいたり、とても業務として必要にかられての残業ではないと考えていた。

個人的な話はここまでにして、

そう言った文化が今もなお根付いているのがアパレルという業界であるという事を伝えたい。

現在サマンサタバサ社がこの様な苦境に陥っている根本的な理由はそういった企業文化にある様に考える。

ロジックツリーのような形で考えると、

過信、慢心、怠慢(総じて驕りとする)
  ⇩
成長がない(特にボードメンバーや中間管理職)
  ⇩
考え方が市場と乖離してくる(新しい考えを取り入れにくい文化)
  ⇩
業績の悪化

すごく単純に考えるとこの循環なのであると考える。

その辺りを少し詳細に考えると、
例えばターゲットの見直し
これは全盛期がターゲットのペルソナと商品のデザイン、クオリティ、価格、販促、販売チャネル等のような市場のニーズとのマッチ度が高く、高い業績を得ていたと考えるが、それがどこまでの粒度で分析された結果だったかが重要である。

アパレル業界に長くいると、突発的に流行るブランドというのは幾つもあり、それのほとんどが”たまたま売れた“という状態であり再現性は低く、それをたまたまだと思わずに店舗拡大、人員増加などの固定費を増加させていく事で結果赤字に転じるなんて事は多々ある。

私は現在のサマンサタバサ社はその様な状況に陥っているのではないかと思う。

そのたまたま良かった時に要因を分析し、次の一手に生かしながら企業を成長させる事が出来ないと結局のところ継続的な繁栄などあり得ないのだ。

ではこれからサマンサタバサはどの様に変わるべきなのか?私なりにそれを考えると、一つは“意図的”に企業規模をシュリンクさせる事かと思う。
現在サマンサタバサ社はいくつかのブランド展開をしているが、外から見るとそのほとんどが業績に寄与していないと考えられるので、理想はサマンサタバサというメインのブランドに絞って、現在の20代女性に支持される為のブランディングの立て直しを図っていく事が黒字化への近道であると考える。
もちろんその方法だと大幅な退店や従業員のリストラなど大きな傷を負うことにはなるが、筋肉質な企業に再生させるのであればそれが1番の特効薬のように思う。

二つ目の方法としては市場イメージの刷新を図ることである。
ただこれは時間や費用がかかるので、それに耐えうる体力を持ち合わせているかにもよるが、結局のところ今のサマンサタバサというブランドはメインとしている層から「ダサい」、「イケてないのに高い」等といったマイナスイメージが大半を占めると思っている。
なので、そこから離れるためにはどこの層を取り込むかを深度を最大限深めて明確化する事が大事で、ファッションやトレンド、文化が多様化しているこの時代に“20代のコンサバ系OL”などといったばっくりしたマーケティングは適当に行った海で船を出して釣竿ぶら下げてマグロを釣ろうとしているような物で、プロの漁師は、天候や気候、道具、場所、全てをリサーチした上で初めて釣竿を落として、それでも釣れなかったりするわけで、確率論としていかに確立を上げていくかが大事であり、その準備をしていれば、こう思ってこの道具を持っていったけどこうだったからこの道具にしよう等といったPDCAサイクルが回せて角度の調整により、比較的早い段階で業績の改善にはつながるのではないかと思う。

なのでターゲットを見直し、その層がなぜそういうイメージを持っているかを知り、こういう風に変えればイメージがこっちに向くのではないか?という仮説とアクション、検証を繰り返す事が地道な改善策であると考える。

もちろん、デザイン、品質、コストの改善は前提条件として必要かとは思うが、果たして今と同じメンバーでマーケットにマッチした改善は出来るのかは疑問が残る。

結局はマーケティング、商品企画の観点から、大きく舵を切れる船長のような役割を外から持ってきて、その動きを阻害するような社内要因を排除する事こそがこれからのサマンサタバサ社には必要である様に感じる。

長々と綴りましたが、あくまでも社内のことを何も知らない私個人の考え方なので、一説程度に見ていただけると幸いです。私自身も知人が同社にいたりサマンサタバサの事を愛している人達も数多くいると思いますので、どうか無事改革を成し遂げて復活してくれる事を祈っております。

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