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花束みたいな恋をした 感想

お涙頂戴の恋愛映画だと思っていたから、ハンカチを忘れたことに焦っていたけど

他人の恋愛の一部始終を観てるような、友達の恋愛話を聞いてるような気持ちになる映画だった
いい意味でも悪い意味でもものすごくリアルな映画だった
例のファミレスでのお別れシーンは、号泣して鼻すすってる人もいればポカーンな人もいて、
自分の過去と重なるところがある人ほどしんどい気持ちになる映画だと思った
.
運命的な出会いをしてすごく素敵な時間を過ごしてきた2人が別れを選んでしまった原因は、

感情の共有をしないことと、喧嘩をうやむやにして終えていたことだな、と感じた


就職して身を削って仕事をする中で、出会った当初とは少しずつ変わっていった麦くんだけど
それは絹ちゃんとずっと一緒にいたいからこその行動だった
でも絹ちゃんはそれを寂しいと感じたり、刺々しくなっていく麦くんと口論になったりする日々に嫌気がさしてしまっていた
すれ違いが起こるたび、お互いに腹を割って気持ちを話せていたら

ふたりは結婚していたのかな、と思った
ただ一緒にいる時間を重ねるだけじゃだめで、お互いを想い合うからこそ言うべきことは言って、相手の気持ちにも耳を傾けて、ひとつずつ折り合いをつけていくのが大切なんだなと思った
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1番皮肉だなと思ったのは、別れ際の描写
お互い別れようかな、って考えてる時期でも
帰りの電車の車両が同じになったり、偶然同じスーパーで買い物し終えてばったり会ったり
運命的な出会いをしたふたりならではの「偶然」が多発するのは、皮肉なことに別れ際でも変わってなかった
お互いを思いやれなかった、理解し合うことを避けてきたばっかりに、せっかくの運命の人であってもいつか離れてしまうんだよ、
っていう警告みたいだった
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これを観終えて車の中で恋人と感想を伝え合ったけど、2人で観るべき映画だったということには間違いなかった
生々しい恋愛の一部始終の中で、その人の価値観によって受け取り方が変わってくる場面がたくさんあるから
そこを共有すると面白いなあと思った
恋人が「この映画は反面教師だなあと思った」って言っていたように
どうすれば今の恋人と長く一緒にいられるかどうかのヒントがたくさんあった

恋人と行かない方がいいです、っていう声もあったけど、大切な人とこそ一緒に観にいってほしいなあと思った映画だった


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