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幼稚園の個人面談で話しながら|6歳娘と私①

先日、幼稚園で個人面談があった。
個人面談では担任の先生と、子どもの様子について話す。

幼稚園の教室で個人面談が始まってすぐに、先生が困ったような表情で話しかけてくれた。

「娘ちゃん、運動会も発表会も参加できなくて、残念でしたね」

娘は、幼稚園の大きなイベントに参加できなかった。今年は幼稚園生活最後なのに。

私は「そうですねぇ、発表会も楽しみにしていたので残念で……。体調管理には気をつけていたんですけどね」と答える。
すると先生は「あの時期、クラスのみんなが順番に熱を出していたようなときだったんですよ」と教えてくれた。

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未知の感染症が5類に移行してから、数カ月経つ。
マスク着用や手指消毒をする機会が減ったからか、子どもたちの間で、さまざまな感染症が流行した。

娘も頻繁に風邪を引いている。

運動会のときは、前日も当日も発熱したため参加できなかった。

夏休み開けから組み体操や借り物競争など、たくさん練習していたことを娘から聞いていたので、残念としか言いようがない。 

年長になった娘が幼稚園でがんばっている姿を見る機会は少ない。もしかしたら娘以上に、私のほうが幼稚園のイベントを楽しみにしていたかもしれない。


運動会の前日、担任の先生から「お熱があるのでお迎えをお願いします」と電話をもらったときに、なんで風邪を引いちゃったのよ……とガッカリしてしまった。

しばらく風邪を引かずにがんばっていたのに、このタイミング……。

組み体操で、どんなことをするの?
借り物競争で何を借りるんだろう?年長さんの借り物競争は、毎年盛り上がるもんね。子どもたちが困ってたら、私も協力するぞー!
徒競走では誰と走る?応援するからね!
親子競技があるみたい!!綱引きだよ!パパ、お願いねー!

……。

子どもの体調も心配だけど「あー、運動会……」と思ってしまった。
なんて親だろう。

□□□

体調が落ち着いたあと、娘は「運動会のリハーサルに参加できたから、いいんだー」と言った。「運動会に参加できなくても、おもちゃももらえたし!」と嬉しそう。

幼稚園では大きなイベントのたびに、ご褒美におもちゃをくれる。今回はパズルだった。

仕方がないねと、自分に言い聞かせる。
娘は、あまり運動が得意ではない。もしかしたら……運動会に参加できなかったことを、残念とは思っていないのかもしれないな。

幼稚園では、運動会当日の様子を撮影したDVDを販売してくれる。DVDを購入して、お友達の様子を見て楽しむことにした。

自分の子どもががんばっている様子や成長した姿を見るのも嬉しいが、お友達の成長を見るのも楽しみだ。

結婚前は子どもと接するのも苦手だった私が、こう思えるようになるなんて驚きだ。会社員だったころ、職場の人に子どもの写真を見せられても「かわいいですね」としか言えなかった。

今なら、もっと違った会話もできるだろう。

娘が幼稚園に入園してから娘とかかわりがある子どもたち、みんなのことが尊い。

最近、特に感じる。 

今思うと年少さんのときは、みんなもっと幼くてかわいらしかった。当時は「もう3歳だ」と思っていたけど「まだ3歳」だった。

まだまだ幼かったな。

年長になったみんなは、お兄さんお姉さんの表情になっている。もちろん娘も。

「娘ちゃんのお母さん、あのねー!」

私の顔を覚えて、無邪気に話しかけてくれる娘のお友達と接するのも楽しい。男の子も女の子も、とにかくかわいい。

子どもは尊い。

ずっと、そのまま、純粋なままでいてほしい。
子どもたちが、笑顔で過ごせる日々が一番だと心から思う。

そう思えるようになった自分に驚く。

□□□

12月の発表会の数日前、幼稚園を休んだ娘は自宅で運動会のDVDを見ていた。

娘はインフルエンザになってしまったのだ。初めてインフルエンザに感染した。

発表会の数週間前から、幼稚園ではインフルエンザや風邪が大流行。欠席の子も多く、なかなか発表会の練習もできなかったそう。

娘はインフルエンザの待機期間が終わって、体調が良ければ発表会に参加できる……という状況だった。

毎日運動会のDVDをぼんやりと見つづける娘。

「発表会には行けるといいね」と、私が話しかけても返事はない。

インフルエンザの症状が出たばかりのときは「発表会に行くの!行く!」と言っていた娘も、だんだん言わなくなってきていた。


つづく

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