好きではなくなれたけども 愛してる 心身に傷があることも 薄情なところも 気づけば愛せてしまっている 今となってはそう思う 小さな思い出が散りばめられた街に吹く風は あの日と違うけれど 歩いた道や景色、食べたもの 煙草の煙が1つに減ったけど 同じものがまだあることが苦しくて愛おしい 歩幅が四拍子と三拍子 繋いだ手は二拍子 そんなことさえ愛おしい 恋は押し付けで 愛は意思疎通 そう思っていたけれど 愛なんてなかったのか愛はあったのか 一緒に背負えるものが ま
今年の夏はいったい何匹の金魚が救われたのか そんなことをふと考える すっかり肌寒くなった今日この頃 友人が主催のイベントに顔を出した 一時は雨でどうなるかと ヒヤヒヤしながら仕度した 知り合い顔見知り知らない人 たくさんの人が入り混じった中で 友人とその友人がジャズを繰り広げる 素敵な演奏に身を少し委ね少し救われた気がした 彼らの表情は楽しんでるの一択だった それがまたなんとも言えず良い どこからともなくギャラリーも集まり 集合写真は大所帯でいいものになっただろう
午前一時過ぎ、寝るには惜しいが布団には入る 温まった布団の中には愛しい人が小さく寝息を立てている あからさまに距離を感じる 冷たくあしらわれる そんな日だった いつかこの手から失われるものなのかと思い そっと手を握ろうとしたけどもそれとなく躱されたような気がした この手で守りたいものなのか分からない もしかすると守りたいのは自分なのかとも これを記した10月23日のことを忘れない 大事な言葉は相手からはなく こちらから促してやっと渋々と別れの言葉を吐く愛しい人 無
熱を帯びた言葉が空気を震わせる 想いを纏い宙を舞う それは着地点を見失い 違う誰かの鼓膜に届く 熱は放散され 空気は違う波紋で打ち消される 想いは何処に行ったのか 堕ちたのか消えたのか無くなったのか それとも元々なかったのか 虚しい雑踏に何を思えばいいのかも忘れた 過去に囚われるだけの泥人形 悪夢で君と会って思いを伝えられれば どれほどいいだろう 愛なんてなかったと そう思えたらどれだけ楽だろう 届かない言葉に意味はなく 自分の心を欺瞞で満たす 麻痺した心で
秋が見えたと思えば その背中を見送るような寂しさを覚える やり場のない想いを胸に 心には寂しさを詰めて 来ない連絡気にしても携帯は鳴らない 独りになりたくなくて 今日もどこかへ足を運ぶ 朝でも夜でも目的地はなく ただ、人の気配のある方へ 夜は静かに寂しさを押し付けてくる 今はそれは受け取れない、と私はいう 夜から逃げるように急いで いつものお店へ行く 息が切れ、気もそぞろなのに平常心を装って お店の扉を開けては歪んだ笑みを貼り付ける 友人が迎えてくれるのはとても
今年のことは今年中に残しておこうと思った 今年が終わるから何と言うわけではないし 特段年末が特別であるともあまり思っていない それでも今日残そうと思ったのは 今年の出来事を忘れそうというより 消えてしまいそうだと 急に気持ちがそわそわしたり なんだか不安になってしまったから もしかしたらこのそわそわが 新しい年を迎えるわくわくに変わるのか みんなこんなもんなのかな と考えたりもしている 少し話がそれてしまったが 今年はなんだか月日と共に心労が重なる一年だった こ
気づけば朝晩が少し肌寒くなってきた 私にとっては最高の季節がやってきた 雲ひとつない青くだだっ広く抜けた 見本のような秋晴れで気持ちが良い 骨董市の催される中を、気だるそうな店主を横目に 遠くから物色しながら歩く 日中はやはりまだまだ暑く 上着を着て来てしまったことを後悔する 古びた皿や昭和から持ってきたようなものまで いちいち心をくすぐるようなものがひしめき合っている 色んなものを見て触れる度に 生活を想像してはうーんと唸ったり 想像して生活に馴染んでいるように
何かにつけて雨は降り 肌にしつこくまとわりつく湿気に 苛立ちと諦めをおぼえるこの頃 束の間の落ち着きはどこへやら 低気圧のせいか頭は響き 心做しか身体も重い 日々がどんよりと過ぎていく中 引越しをする 何故こんな時期にと自分でも思うが いくつか理由があって まず大きな理由として 今の住まいにはあまりいい思い出がない 病んで通院してたこと 流行病で職を失ったこと 相手の気持ちを断ったこと 何も出来なかった日々のこと 穴は空かなかったが見つめた天井 陽の射さない暗
今年は梅雨が早く来てしまったのか 暫くの間雨が続いていたが 近頃は晴れの日が多く どうやら落ち着いたらしい ただとても暑いので じっとりと汗が滲む 雨音や雨自体は比較的好きなのだが 雨の降り続く間は気が滅入ってしまう 傘を差しながら水溜りを踏む 大きく息を吸いこみ肺がゆっくり膨らむ 普段とは違い湿度が高い分 肺の膨らむ感覚がより鮮明に分かる(気がした) 今となっては吸わなくなった煙草が 少し恋しい気もする 過ぎてしまったかもしれない梅雨を 思い出にして更に過去を
ふと、”あの日”のことを思う 喧嘩をした日 会えなくなった人が出来た日 本気で人を殴った日 一方的に殴られた日 いじめから逃げた日 1日中本屋で立ち読みした日 終電を逃した日 友達と飲み明かした日 恋人ができた日 ふられた日 手紙を貰った日 その手紙の封を切った日 他にもいろんな”あの日”を思う あの日の私の行いは正しかったのだろうか 正しくはないにしても良かったのだろうか 今となっては取り返しのつかない 遠くなってしまった過去のことを思う 遠くなくてもそ
言葉は”呪い”だ 言葉をかけたつもりが 呪いをかけていたりすることもある 逆もまた然りで 呪いをかけられていることもあるし 自身で呪いをかけていることもある 一旦ここまで読んでいただいたとは思うが この”呪い”という表記 ”のろい”とも”まじない”ともとれる しかもどちらもかけるものであり、かかるものでもある 不思議なこともあるもんで、かけちがわないようにしたい というのも前回同様 言葉についてやはり書き足りなかったので ここに記しておこうと思う 急ではあるが少し
今更ではあるが 煙草を辞めた 時たま付き合いで吸うことはあるかもしれないが 口から煙を出す事がなくなった それと同時に 口から出る言葉の質も何か変わった気がする 煙に巻けなくなったからなのかな? もしそうであって 煙に巻けなくなったならどうしようか と最近はよく思ってしまう そうなると毎度適切な言葉を紡ぐ ないしは更新させていかなければならない と考えている もちろんその言葉に適した空気感や機会は 自身で作っていかないといけないけれど と、まぁこんな風に考えてはい
まず初めに 学校を卒業された方々 「ご卒業、おめでとうございます」 新たに入学された方々 「入学、おめでとうございます」 と、言うのは簡単で 私はこれらの言葉は思っていても 口には出したくないし、出さない というのも、なにか”節目”という感じが強すぎて そこで終わりというような感じにとれてしまうからだ そんなに生き急ぐように 出会い別れを繰り返さないでくれ と、どうしても思ってしまう これらも相まってか 私は春が苦手である、とっても (あと花粉症というのもある、両
以前述べた通り、私は肝心な時に大事な言葉が出ない 頭では分かっていても どう気持ちを動かせば良いのか 何を口から紡げば良いのかわからなくなる 混乱して何をどう選べばいいのか分からないし 選べたとしても不安や疑念が大きくて何も出来なくなる 自身の中で疑心暗鬼になって、気づいた頃には 好きなそれを好きと言えなくなっていて 好きと言えなくなった日がどんどん遠くなっていく 崩れ落ちたり欠け落ちたような 好きという感情が 他の感情と入り混じってしまって 収拾がつかなくな
近頃、自己紹介で 「ホットケーキです」 と名乗ることが増えてきた その際必ずと言っていいほど聞かれることがあって 「パンケーキじゃないんですか?」 「なんでホットケーキなんですか?」 前者であればにっこり微笑むだけにしていて 後者であれば謎のエッセイ「ホットケーキを焼いて待ってる」を と伝えるが 1枚目ではきっかけが、14枚目の表裏では理由は分かるものの そこ至った思考の経緯がふわりと抜けていたなと感じた まぁ抜けていたとしても風味のようなものだろう とも思っていた
私は、私の字が好きだ 特に自分の書く”す”が好きだ 他にも”そ”も好きだ 多分自分の書く”さ行”が好きだ 自分の中の好きな部分の第3位くらいには好きだ というのも、近頃身の周りの人の書く文字が とてもその人らしく、愛おしく思うことがある それと同時に、小学4年生の習字の授業を思い出す それはとても悲しくて どうすればよいのかわからなかった記憶で その時の先生はとても意地悪でとても嫌いだった 今考えても大人気無いおばさんだったなと思う その人は毎回の習字の授業の際