見出し画像

「利賀村でランニング企画したら、みんな笑顔になった」【利賀村出身のマラソンランナー×トガプロ対談 1/2】

こんにちは。
トガプロ4年のあっきーです。
寒くなったり暖かくなったりと体調を崩しやすい時期ですね…!
健康的な趣味を絶賛探し中です。

そんな話はさておき、今回は利賀村出身のマラソンランナーである須河宏紀さん、沙央理さんにお話を伺ってきました。以前須河さんからトガプロのnoteを紹介していただいたことをきっかけに実現しました。
noteでは前編・後編に分けてお二人へのインタビュー内容を特集していきます!

前編の今回では、須河さんが昨夏に企画した”TOGA SUMMER CAMP”について詳しくお話を聞いていきます👀

”TOGA SUMMER CAMP”については以下の記事を要チェックです!

実は須河さん、利賀村のカレンダーのイメージパーソンなんです!
利賀村のカレンダーの顔である須河さんのインタビュー、必見です。


(↓以下、須河さんが執筆したランニング合宿の記事です。こちらを読むとよりどのような取り組みであったかがより分かると思います!)

<インタビュー紹介>

須河宏紀さん
利賀村の坂上地区出身。マラソンランナーとして活動しながら、この夏初めてランニング企画を利賀村で実施。中学校を卒業後、富山市内の高校に進学。そこから中央大学に進学し現在は東京で暮らしている。地元との接点を作りたいとの思いから、本業のマラソンの活動をしながら、地域貢献の活動にも取り組んでいる。
須河沙央理さん
利賀村坂上地区出身であり、須河宏紀さんの妹。会社員の傍ら、趣味としてランニングを楽しんでいる。


地元資源を活かしたランニングツアーを開催

ーこれまで及び、現在の活動を教えてください。
【宏紀さん】
今、初の富山県出身マラソン男子日本代表を目指しながら、プロランナーとして活動しています。あとは、結果ももちろん大切ですが地元から応援されるアスリートを目指し、競技活動と並行しつつ、スポーツ選手として地域に自分だからこそできることを落とし込みながら日々活動しています。
今の所属先は山形県にあるNDソフトウェアという介護システムのソフトウェアの会社になります。富山県の企業ではないのですが、富山県にも営業支部があるなど全国的に事業を展開しています。
他にもサブスポンサーとして富山県の企業からも出資していただきながら、おかげさまで活動できています。GRN株式会社という酒類関連の企業(砺波市の若鶴酒造という150年以上続く酒造メーカーも関連企業)であったり、大建工業株式会社という建材事業関連の企業(南砺市井波町に所在)といった企業様から現在スポンサードをいただいています。

スポンサー:事業などの出資者。後援者。

画像1

(ランニングツアー時の宏紀さん。)

富山県での活動としては、ゲストランナーとして大会に出場したり、富山県の陸上クラブで子どもたちに陸上指導を行ったりしています。
今年は、利賀村の隣の平村に「平クロスカントリースキー場」というクロスカントリースキーのコース(夏場はランニング利用が可能)があるので、そのような地元ならではの資源を活かしランニングツアーを企画および実施しました。

ー利賀村で行うランニングツアーとはどのようなものだったんでしょうか?
【宏紀さん】
利賀村で毎年「とが天空トレイルラン」が5月または6月にあるのですが、事前の草刈りやボランティアが非常に大変だというお話を聞いていました。そこで、なるべく地元の皆さんに負担をかけずにいいイベントを企画しようと考え、既存資源を活かしながら協力していただく方を絞って今回は開催しました。
特に実績もなく何もやっていない段階でいきなり協力してくださいと呼びかけたとして、たくさんの人に協力していただくというのはなかなか難しい。瑞峯(民宿)の南端さんや、とがとが(飲食店)の堂口さんなど、そういった方々から協力していただけるようお声がけさせていただきました。
(ランニングツアーでは)なるべく地元出身者の自分が普段走っていたランニングコースを体験してもらったり、村外から来た人も楽しめるようなイワナのつかみ取りを行ったり、家庭菜園で野菜を収穫させてもらったりしましたね。観光名所と言われているところだと、世界遺産の合掌造り集落も参加者の皆さんに見学していただきました。ただそういったところは正直個人的な旅行でも見れます。普通の旅行だと成しえないところを体験してほしいと思い、地元の事業者さんと話す機会や地元のひとならではの体験をツアーに盛り込みました。
反響は予想以上に大きく、参加された方がまた是非来年も来たいと言ってくださっていて、来年また開催する予定です。

ーありがとうございます。宏紀さんも沙央理さんも普段は利賀と離れた生活をしていると思うのですが、今回利賀で活動しようと思った理由はありますか?
【宏紀さん】
以前からやりたいなと思っていましたが、本当にできるのかなと少し懐疑的な部分はありました。しかし全国様々な合宿地に行く中で、「利賀村でもできるかな」と考えるようになっていきましたね。
たまたま別のランニングイベントで長野県の売木村という地域に、ランニング合宿のゲストランナーとしてお邪魔したことが大きなきっかけになりました。そのときにHISスポーツ事業部の来住さんという方がいらっしゃって、参加した売木村のランニング合宿をコーディネートされていました。ランニングイベントを一から作ってこられている経験もあり、職業柄他の地域もよく見てこられている方なので、利賀村でのランニング合宿についてご相談しました。
2021年の4月ごろ、実際に利賀村へ来ていただき、視察の段階で「すごくいい場所ですね」と言っていただきました。実際にイベントの開催を決定したあと、来住さんや妹の交友関係から参加の申し込みが多数あり、実際にランニングイベントを実施しました。
地元というのも大きいですが、全国様々なところに行っている自分にとっても利賀村はすごく魅力のある場所だと思っていたので、今回実際に開催できてよかったです。

ランニングツアーを開催してみて

ーイベントを開催するって結構大変なことだと思っているのですが、今回イベントをやる中で、「ここ大変だった」みたいな部分はありましたか?
【宏紀さん】
人が参加してくれるかどうかというところがイベントの一番大切な部分だとは思います。
ランニングに関しては、「足が速くなりたい」「この場所に行って練習がしたい」という欲求の強い方が多いです。ランナーに関しては一般の方でも、夏場にはお金を払って1泊2日、2泊3日などの遠征に行かれることも多いんですよ。そこで利賀村であれば、標高が比較的高く涼しい環境で練習できますし、観光資源や体験資源も豊富です。ランニングする一般の方にも十分魅力が伝わるのではないかと思いました。
ただ皆さんお金を払って参加してくださるので、アプローチするところが一番大変だった部分ですかね。集客に関しては、人に協力してもらいつつ、いかに影響力のある人を呼べるか、協力してもらえるかというところも大変でした。

ーコンテンツ面(利賀村での体験内容、感じてもらうこと等)はどうやって決められたんでしょうか?
【宏紀さん】
小さい時は利賀村で当たり前だと思っていたものが利賀村から外に出てみて、「あ、これって普通じゃないんだな」と分かった感覚がありました。特に高校卒業後に大学進学のために上京したあと、それをより強く感じました。
今回のランニングイベントでも「きっとこんなところにニーズがあるのでは?」というところを旅行代理店の来住さんに一通り試していただきました。自分が思う良さそうなものをイベントに取り入れていくのはよかったのですが、詰め込み過ぎてちょっと忙しかったですね笑

ー記事を拝見したところ、マラソン以外にも多くの体験をされていて、内容の濃さにびっくりしました。
【宏紀さん】
ランニング合宿は一日中走っているわけではなく、割と朝と夕方の涼しい時間帯以外は、そこまで活動していないこともあります。その空き時間により多く体験してもらえればという感じでイベント内容を組みました。

画像2

(大好評だったランニングツアー。)

ー先ほど「来年も来たい」というのを聞いて嬉しくなりました。他に参加者の方からどのような感想をもらったのか教えていただけますか。
【宏紀さん】
終始皆さん笑顔でした。コロナ渦でこういう体験ができていなかったというのも大きいのではないでしょうか。お子さん連れで参加されている方もいらっしゃいました。お子さんが小学生なのですが、カブトムシを宿のご主人にもらったり、イワナを自分でさばいてみたりとすごく楽しそうにしていたのが印象的でした。
来年は家族連れで参加したいという方もいらっしゃって、利賀村でも山村留学をプログラムされていますけど、今後ジュニア向けのランニング合宿を開催するのも需要があるのかなと思っています。

ー僕自身、アウトドアの活動が好きなので内心参加したいなと思っています。実際来年以降はどういった感じで開催していく予定ですか。
【宏紀さん】
そうですね。「また来年もやりましょう!」という話を旅行代理店の方ともお話ししています。ランニング合宿を利賀村でやるという以外にも、富山県の氷見市でも一回やれたらと考えています。
既存のランニングレースと絡めて、観光資源や体験資源を体験できるような取り組みを実施したいですね。昨年は高岡市で開催したランニングレースにゲストランナーとして参加したのですが、そこを巻き込んで開催したいです。周辺に氷見市があるので、氷見市でも今回利賀村で実施したようなイベントができたらと考えています。氷見のおいしいお魚と温泉を味わって、次の日は高岡で工芸体験をするといったことも構想中です。利賀村でも春5月頃にやれたら(今回のTOGA SUMMER CAMPとは)違う季節を楽しめていいかなと思ってます。

ー須河さんお二人にとってこういうイベントを通して、利賀村を知っていただけたな、好きになってもらえたなという感覚はありましたか?
【沙央理さん】
ありますね。参加者の方は、全国各地の山に行ったり、レースに出たりとアクティブな方が多かったんですね。皆さんのSNSを見ていると、利賀村から帰った後も「利賀村楽しかったな」とか「あの時の経験っていうのが本当に心に残っている」といった投稿を結構されていて、利賀村や南砺市内で買ったお土産を調理して食べたりというのを見かけたので、利賀村を印象付けることができたのかなと感じています。


ー沙央理さんのnoteに企画前の記事が載っていて、緊急事態宣言が夏前に出て東京でも感染者が増えてしまったというところで、最終的に判断が難しかったと思うのですが、いかがでしたか?
【沙央理さん】
参加者も20人前後という形で絞っていたので、そこまで中止するほどの影響もないと思っていましたが、事前に宿泊でお世話になる瑞峯の南端さんや、とがとがの方に連絡をして、「行っても大丈夫ですか?」という話をしたら、そちらの方からは「ぜひ来てください」ということだったので、利賀村としては、来てもらえるということをすごく心待ちにされているんだなということを感じました。あとは感染対策とかをしっかりしながら臨めた点はうまくいったのかな、とは思います。

ーお話を聞いていると、走る練習以上に利賀村の魅力を伝えるコンテンツがたくさん入っていると感じたのですが、イベントの目的としては、走る練習というよりも利賀村の魅力を伝えたいという方が大きかったんでしょうか?
【宏紀さん】
そうですね、一般の方向けを対象にしていました。ただ市民ランナーと呼ばれる中でもエリート層のフルマラソン2時間30分くらいで走れる方が多く、レベルがかなり高かった印象はありました笑
ただ皆さん練習に真剣に参加されるだけではなくて、全力で観光や体験を楽しんでいましたね。ランナーの中には旅が好きな方も多く、そういった方にフィットするようなコンテンツにしました。
僕のようなプロランナーや実業団選手と呼ばれるような選手は、練習環境の良さのみを求めて遠征場所を選びます。日本国内だと長野県とか北海道のような、夏場の涼しさ、周辺のトレーニング環境が重要なポイントです。
利賀村の場合は長野や北海道よりは練習環境は落ちますが、その他の観光資源や体験資源は豊富にあります。せっかく一般の方に参加していただくならただ走るだけでは面白くないと思っていたので、どっちも満たせるような形にしました。どちらの比重が大きいかと言ったら観光や体験の方が大きいのかなといった感じですかね。

ー走るのも観光もいいとこどりというか、両方楽しめてすごくいいなと思いました。
【宏紀さん】
とが天空トレイルランについて、「その大会知っていますよ」といった声を東京でもいただくことがあります。「出場したことないけど一回行ってみたいんだよね」といった声もよくいただいていたので、
トレイルランが中止になったからこそ、似たような体験ができますよ!というところもツアーのポイントにしたいと思っていました。そのようなこともあり実際にトレイルコースを体験された方々には非常に満足いただけました。


いかがだったでしょうか?
以上で盛り沢山の前編終了です!
ランニングしながら利賀村の魅力を味わえる“一石二鳥”の企画、インタビューしながらとてもそそられました。笑

地域活性化と言ってしまうと固い印象となってしまいますが、体を動かすことでその土地に触れ、味わうことができるというのは、とても素敵な経験になりそうです☺️

インタビュー記事、まだまだ続きます!
次回の後編も乞うご期待ください!

この記事が参加している募集

ふるさとを語ろう

いただいたサポートは、トガプロの活動費にあてさせていただきます。