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質問:ダリエンソカップの前に習ったオープンアブラッソについて時代背景などを教えていただけたらと思います。


ダリエッソカップ前にヘルナンとナタリアのクラスは
とても興味深いものでした。
タンゴの踊りは歴史や社会情景で踊りが変化し作られたことは
タンゴ自体に踊りをより深めている

まず質問に対しての回答ですが

ヘルナンとナタリアのクラスですので私から回答できません。
また、ヘルナンとナタリアはグループレッスンの内容について
受講者のものとして情報なので情報開示をしないのが彼らの流儀です。
悪しからずご了承ください。


・タンゴの歴史

質問の踊りの歴史を私が知っている知識をここに書きたいと思います。
もし、間違ったことや別な意見がありましたら、遠慮なくおっしゃてください。それは私にとっても読者にとってもとても貴重な情報です。

タンゴの歴史は諸説ありますが1860年代の新聞に「TANGO」と文字が出てきたとある本に書いてありました。その「TANGO」(もしくは「TANBO」)というのは黒人たちの集まりのことをさしていた。

有名なタンゴは場末のバーから生まれてた説は
タンゴが生まれた一端でなかったかと色々本を読むとでてきます。

アルゼンチン音楽の歴史を少し調べると

1800年代からアフリカの黒人たちが持ち込んだリズム
また中南米から流れてきたルンバやクラーベのリズム
ヨーロッパ大陸からのハバネラ
そしてパジャドーラ(吟遊詩人)の存在などが記されています。

独立戦争ではその音楽とリズム、踊りで毎晩前線の兵士を
癒し鼓舞したとある本で記されてました。

その多くの要素が絡み合い出来上がった民衆たちが作り上げた
音楽とダンスがベースにあり、
ある時それは場末のバーでも踊られ庶民たち特に男性たちが
踊ったのではないでしょうか?

1890年後半から音楽と踊りがヨーロッパに渡り、庶民から貴族階級たち
が踊りに魅了された。ローマ法皇までにその噂が届き踊りを献上した。
これは今で言う 炎上マーケテイング。
これでより一層 タンゴがもてはやされたことだろう。

1900年前後からバンドネオンがたんごに取り入れられたといわれる
そしsてその時の編成はフルート、ギターやバイオリン、そしてバンドネオン
1910年代 ピアノがタンゴ楽団に入ってきた。それを入れたのは、ロベルトフィルポ

この頃に数多くの名曲はたくさん生まれている

La viruta
Rodríguez Peña
Ojos negros
Racing Club
Derecho Viejo
Comme il Faut
Desde alma

そして La Cumparsita

etc 


1920年代にオルケスタティピカスタイルや後世に影響を与えた
フリオデカロの6重奏がうまれた。

タンゴの歴史書をみる20年代あたり
ダンスの記述はあまり出てこない。

30年代初めにミロンガというの 出てくるのは
1930年代中盤のD'Arienzoからの電撃のリズムからだ。
この時にピアニスト アレンジャーとして
活躍したのが Rodolfo Biagiだ。
リズムは早かった。どの楽団も1930年代後半から
1940年代初めまでD'Arienzo楽団とおなじよな早いリズム曲が多く、
そのことからリズムが早いのが大衆に受けたことがわかる。

その時の人気でダンスホールも溢れんばかりの人になっていた
そこから1942〜3年からは音楽もリズムが緩やかになっていく。
それまでリズムが早かったTroiloやD'arienzo,Di Sarliなどメジャーな楽団の
音楽1942年以降に録音された音楽はとても穏やかなリズムだ。

1940年代中盤になると、もっとメロディアスになっていき
華やかなタンゴ音楽にもなっていく。

40年代後半から50年代の録音を聞くと楽団の個性が見えてくる。
これは多くのタンゴ楽団の競争や淘汰の末におこなったとおではないかと
私個人的に推測する。 黄金の40年代には多くの才能とお金がタンゴに流れた。そこから戦争が終わり、アルゼンチンの繁栄も陰りがみえてきて
政治体制も変わった。この影響も多分に受けている思う。

50年代の民族的な政策から 軍事政権のクーデターを受けてタンゴは下火になる。

60年代や70年代前半までタンゴはある意味空白的な時間でなかっただろうか?新しいものではなく過去のものを新しくアレンジし直し世に放つ

60年代は海外に進出し始め
国内ではタンゴの禁止もあり、ロックを踊る文化も生まれた。

そして 1980年代の軍事政権の失脚があり
タンゴショー「タンゴアルヘンティーノ」の世界的成功があり、
タンゴが世界的にブームのきっかけを作った。
1990年代のエレクトリックタンゴの登場とタンゴモデルノの登場。
2000年代のアルゼンチンのデフォルトとタンゴ選手権ブーム。
いつも世情とともにタンゴは歩み続けてその形を少しずつ変えながら
タンゴを生きている。

タンゴという踊りは 
世情を踏まえながらいつも踊り手に委ねられている。
踊り手がどう踊るか?それがどう伝わるか?
歴史を知り、ステップの成り立ちを知るのは
次へのステップ(創造)にとても重要だ。


タンゴを踊ってる人たちへ

タンゴの歴史を記した本を読むことをお勧めします。
ステップには関係ないですがタンゴの歴史や成り立ちを
知るとよりタンゴが好きになります。

Abrazo GYU

参考文献、音楽
タンゴとバンドネオンの歴史;舳松伸男
タンゴ世紀を超えて:岩岡吾郎
アルゼンチンタンゴ名曲辞典:石川浩司
音で聞くタンゴ歴史:西村 秀人

etc













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