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世界でいちばん愛した餃子。 〜鹿児島・ラーメンみとまの話〜

いろんな縁で、鹿児島を選んで移住したのは2023年のこと。

天文館という繁華街をたまに歩くと、必ずちらっと確認する場所がある。
閉店から5年も経ったというのに、そこにはまだあの店があるんじゃないかって思うんだ。が、そこには無料案内所しかない…

ここが「みとま」への入口

5年前、鹿児島に住んでいたら、きっと最後の餃子を食べるために並んでいた。
そう、1月19日はラーメンみとまが閉店した日。

2019年1月

ラーメンみとま

まだ東京にいた頃の話。

2019年1月10日、鹿児島にいる知人から突然の連絡があり「みとまが閉店する」と知らされた。本当に突然のことで動揺しすぎたLINEがコチラ。

創業から45年、鹿児島・天文館にあった
「ラーメンみとま」
2019年1月19日をもって閉店した店。

はじめてのみとま

初めての出会いは2014年。

鹿児島市は、屋久島にいくために立ち寄った町。ってだけだった。
鹿児島に移住した知人と、餃子の店を探してたまたま見つけ、2軒目に立ち寄ったお店だった。
その初めて食べたみとまの餃子が忘れられなくて、それから鹿児島に来るたびに必ず寄っていた。深夜の3時くらいまでやっていたから、2軒目として、3軒目としてもいけたからだ。

2018年8月

だから閉店なんて信じられなくて、自分の目で、口で確認せねば!と思い、知人から連絡をもらった3日後に鹿児島に飛んでいた。

さいごのみとま

暖簾の向こうの扉を開けると
「おー、間に合ったかー。」
と出迎えてくれた店主。覚えていてくれて嬉しいという気持ち反面、その言葉だけで本当に閉店するんだと実感。

たくさんの人に言われてるだろうけど、やっぱり私もこれが知りたい。
「なんで閉店しちゃうんですか?」
  ・
  ・
  ・
少し間をあけて
「時代も変わるからね。」
なんてシンプルな。どんな理由述べられても納得できないだろうと思って聞いてみたけど、妙にストンと落ちた答えだった。

そのタイミングで、いつもの餃子が目の前に置かれた。

餃子のみとま

いつみても完璧な焼き。見た目から分かるさっくり感。
皮から透きとおって見える野菜いっぱいの餡。箸でもち上げても決してくずれるのとのない、しっかりと包まれた一粒の餃子。

完璧だ。これが餃子だ。

だんだんと薄れてきてしまう味の思い出。
覚えてるのは、甘みのある野菜とにんにくがたっぷりだってことと、皮に染みこんだ豚骨スープのほんのり感。

想い出のみとま

桜島の家には、"みとま"のお皿がある。
三笘さんがくれた、持ち帰り用の箱の切れ端も大事にとってある。
鹿児島に移住した理由を話すとき"みとま"の話しは欠かせないし、忘れたことなんてない。

ただ、餃子の写真はあっても味は忘れかけている。こればかりは残せない。


行けるとき、会いたいときに。

みとまに限らず、ここ最近、古くからある老舗・名店のクローズが目立つ。とくにコロナ禍で加速した。農業もそうだけど、飲食店も高齢化だ。
昭和〜平成初期にオープンしたお店は後継ぎがなく、一代で終わらせることも仕方のないことなのかもしれない。

寂しいけれど、だからこそ行けるときに…行けるうちに
行きたいところには行っておきたい。

それは人も一緒。

会えるうちに、会いたいときに会いたい。
伝えたい気持ちがあれば伝えたい。

そう生きていきたい。

移住した桜島から、閉店して5年のみとまを想う。

店主の三苫さんと|2019年1月13日

みとまのねがい

お召しあがりいただける楽しいひととき、このギョーザが私ども創る人の"心"を優しく語りかけてくれることを祈っております。



などなどなど…noteで書いてまっす_φ(・_・

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