誰かの負債は誰かの資産
今日は簿記・経済の時間です。
ニュースやツイッターで日本政府の借金が話題に上がります。
「国民一人当たり〇〇〇万円の借金になった!」
「日本は破綻する!」
というコメントをよく見かけます。
ここで少し考えてみてください。
本当に国民の借金なのか、と。
こちら(国債等の保有者別内訳
(令和2年9月末(速報))をご覧ください。
約48%が日本銀行
約15%が銀行
約21%が生保会社
以下省略
銀行等が国債を保有していることになります。
国債を保有するということは、「金融資産を持つ」ということです。
つまり、政府の負債は国債保有者の資産であると言えます。
今度は銀行の立場から見てみましょう。
「利用者から預貯金をしてもらう」
銀行にとっては現金は増えますが、最終的に利用者へ返さなければいけません。資産でもあり負債でもあると言えます。
銀行は預かったお金で利益を得るために、別の人(法人含む)にお金を貸します。
別の人を「政府」に置き換えてみてください。
「銀行は政府に預かったお金を貸します」
銀行が国債を保有する、ということになりますね。
お金の流れでみてみましょう。
僕たち→銀行→政府 という流れです。
つまり政府が発行している国債は、銀行等を経由して間接的に僕たちが保有している構図になっています。
国民の借金ではなく、国民の資産と呼ぶこともできますね。
国債は日本国民の資産である。
国民の資産である以上、政府は破綻しようがない。
ただし、日本円の価値が下落して、日本円に対する信頼が揺らぐと破綻する可能性はあります。
円の信頼が下がる(極端な例:円が紙切れ同然になる)→日本円の国債を買わなくなる→政府資金の調達ができない(政府の支払いができない)→破綻
また、国債の持ち主が日本国民以外になることでも破綻の危険性が上がります。(政府の借金=外国への借金になる)
国債を国内で購入してくれる限りは破綻の心配はないですが、無意味に国債発行を増やし続けるのも少し危険ということです。
という理由から
「国民一人当たり〇〇〇万円の借金になった!」
はナンセンスな発言である説明でした。
以上、今日はお金の話でした。
この手の話題はよく出てきます。
メディアに流されないようにしましょう。
Gyopi
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