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パワハラではありません 『癖』でしたというお話

今回は子育てではなく、お仕事のおはなしです。
以前、会社でこんなことがありました。


ある日の夕方、私が一人で営業先から事務所に帰社した直後、

「○○課長からパワハラを受けました。怖くてもう一緒に仕事出来ません」

こう言ってきたのは、大卒入社1年目の同じ営業チームのAさんでした。
研修を終えて実際に業務に取組み始めてしばらく経ちます。
今までは大きな失敗は無く、何でもそつなくこなせる要領のよいタイプだなという印象でした。

何があったのか聞いてみると、
「設計依頼書を社内ルールとおりに○○課長に提出したのですが、直ぐに
『こんなもん受付できるかー!!!』 って怒られたんです」と。


私にとって○○課長はとても信頼出来る設計のスペシャリストです。
確かに少し言葉がキツい時もありますが、長年一緒に仕事をしていると全く気にならないばかりか、反対に年下の私の方が言いたいことをストレートにぶつけられる、そんな関係性でもありました。


でも、ふと○○課長の 癖 に気付きます。
集中して設計作業をされているデスク横で声を掛けると
”ヌッ”と顔を上げて応対してくれるのですが、

 無表情で(愛想は良くない)
 貧乏揺すりして(時々激しい)
 舌打ちする(きっと無意識)
 
これや… この癖


帰社した私を見つけた○○課長が事務所の奥のほうから手招きしています。
何か言いたげやな… 急いで側に行きました。

『新人Aが設計依頼書を気軽に持ってくるんやけど、ちゃんと指導してるんか? あんなスカスカな依頼内容ではこっちで何もできひんぞ。』

…すみません。こちらの指導不足でした。不足事項を確認してもう一度提出させますので次回からは受付けてください…
それと出来れば新人へのフィードバックはもう少しやさしめにお願いします…

『そんなもん知るか!!』


良かった…。

○○課長は怒っているように見えて何が悪かったか、ちゃんと理由を教えてくれるのです。短気なので一瞬怖いのですが、本当は優しい人なのです。
とりあえず怒ってみるという 癖 があるだけなのです。

だから、この一瞬をやり過ごせたら何も悩む必要はないのです。
でも新人Aさんは直ぐに怖気ずいて退散してしまったようでした。


さて。
これをAさんにどのように伝えるか。


「提出した設計依頼書見せて」

「はい、」


「何で受け付けてもらえなかったかわかるか?」


「… 」
「自分が分からない箇所は課長が
調べてくださると思っていました」


「横着したな」


「… 」


この後、ざっくりと以下のことを伝えました。

  • 自身の業務範囲をキチンと整えてから、次工程に引き継いでもらうこと(今回は営業課から設計課に引き継いでもらうための資料や情報が不足していたので、受け付けてもらえなかったのですよ)

  • 〇〇課長のキャラを知ってもらう

    • 短気だけれども根は優しくて、本当は教えたがり

    • 仕事が早い。文句を言いながらでも誰よりも早く依頼に応えてくれるので、皆が頼りにしている

    • 怒って(怒っているように見えて)いても、直ぐに何事もなかったかのように仕事に戻るがある



今回のことは、新人Aさんもパワハラではなかったと言ってくれました。
自身の至らなかった所を反省し、〇〇課長の 癖についても折り合ってくれました。

そして、最後に新人Aさんから一言。

『多様性の時代、ダイバーシティ & インクルージョンですね!』と。

新入社員研修の成果かもしれませんね。
または今時のギャグだったのかも…。

それでも、
「あまりに我慢できないときには無理をせずに相談してね」
と付け加えておきましたが。


あとがき

皆さんも経験あるかと思います。
私の仕事内容の詳細は、今回はあえて伏せておきますが、
例えば営業と設計はどの業界でも時々意見が食い違うことがありますよね。ちょっと仲悪いかな…ぐらいの。
他にも設計と現場も仲が悪い時ありますね。
意見がぶつかる時の荒れた言葉とか態度の悪さとか、時々遭遇しますよね。

それでもお互いプロとして良い仕事がしたいという共通の思いを理解していて、それで尊重し合えている。(と思っている…)
だから長く一緒に仕事していると、ちょっとパワハラ的なおかしな 癖 があっても、その人の 個性 として自然と受け入れることができるのです。

私はそうやっていろいろと悩んだり、受け入れたりしながら仕事してきました。
新入社員の皆さんにとってはビックリするような個性豊かな人が職場にいるかもしれませんが、そんな人々との出会いがご自身の人生を豊かにしてくれるかもしれません。頑張ってね。



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