「泉鏡花の神楽坂の七不思議」・・・それって七不思議なの?
かの文豪・泉鏡花が、かつて住んでいた神楽坂の「七不思議」を
記している。
ただその内容は、必ずしも怪奇やあやかしのお話という訳ではない。
例えば、「しし寺のももんぢい」。
獅子寺とは、通寺町(現在の神楽坂六丁目)にあった曹洞宗保善寺の事で、現在は中野区に移転している。
その寺にある弓道場に、奇妙な老人がいて、人に会うたびに
「えひひひ」と奇妙な声を上げて愛想笑いをするという。
ところが、不思議はその老人ではなく、
その老人を見ても泣きださない赤ん坊のこと。
変な老人に奇妙な声をかけられても、全然泣きださない赤ん坊を
不思議な子だと、言うのである。
又、一方でさらに不思議らしくないものが七不思議に入っている。
「藪そばの青天井。」
下谷団子坂にある「藪そば」は、
夏場になると、外(屋根)に、むしろを敷いて涼しい客席として
客を入れる。
何が不思議?と聞いた方が困惑するが、
鏡花本人も良く分からないらしく、
『時々夕立が来てダメになる、とオチでも付けないと、不思議にもならない』
と文章を締めている。
その他にもあるので、時々紹介していきたい。
おわり
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