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「桂文珍 大東京独演会」・・・爆笑! 上方落語のベテランは実に悠々と笑いの世界を展開する。


何もかも忘れて笑い、笑いながらも芸の勉強にもなる。
ありがたい事この上なし、柏手打って拝みたいくらいである。

押しも押されぬベテラン上方落語家の3年ぶりの東京落語会。
今回は「リクエスト寄席」形式での独演会。
師匠の自信のほどがうかがえる。

観客には入場時にリクエスト用紙が渡され、開演前に見たい演目を書いて
投票する。
それらの結果と事前に募集したリクエストの中から、
その日の演目を決めるのだ。

ステージ上に用意された演目一覧表の中から決められたのは、
弟子の楽珍さんが「手水廻し」(お弟子さんまでリクエストなのである)。
文珍師匠は、
まず新作落語「デジナシ」
ゲストを挟んで「胴乱の幸助」
さらに仲入りを挟んで「地獄八景亡者戯(たわむれ)」
の3本。

最後の「地獄八景・・・」をやると言われた時は、
思わず観客席が動揺した。
というのも、この噺、全編をやると最長で90分以上かかる
大ネタ中の大ネタである。

そこは流石に、抜粋。半ばまでで、と注釈が付いたが、
今度は噺全体を知っている落語ファンにとって、どの辺りまでやるか、という新たな楽しみが生まれる。

さて、この日の文珍師匠の「地獄八景」は、随所にくすぐりを入れ、ギリギリの危ないタイムリーな話題まで織り込んで、面白いところを抜粋して演じておられた。ご存じの方が一番気になる「近日来演」のくだりもしっかり演じられて、まさに、おっしゃった通りの「いいとこ取り」の一席。

そしてもう一つ、私が注目したのは、この日のゲストである
女音曲師の桂小すみ師匠である。
以前から注目して追いかけていたが、この日は格段であった。

語りの流暢さは勿論、三味線の見事さ、そしてオリジナル演目の面白さは、相変わらず見事。特に創作演目の「カレーの作り方」は、そのタイトル通り、カレーの作り方を三味線に合わせて歌い上げるのである。

まだご覧になっていない方は是非、小すみ師匠の方も機会があればご覧いただきたい。

桂文珍師匠の3年ぶりの「大東京独演会」は、国立劇場小劇場で毎日ゲストを変えながら5月1日まで。

その後も、各地で二人会などの公演が目白押しである。

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