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Y-ZMD使ってますか?(行イノ#10)

 10月11日に開催された第1回デジタル行財政改革会議で、有識者のお1人が「横浜市財政見える化ダッシュボード」を取り上げてくださいました。
 本日は、この財政見える化ダッシュボードを紹介していきます!

会議資料に、Y-ZMD発見!

 財政見える化ダッシュボードを取り上げてくださったのは、株式会社マネーフォワードグループ執行役員の瀧俊雄さん。「デジタル行財政改革を通じて、社会をもっと前に」の中で、日本の行政・財政には、デジタル活用による二つの伸びしろがあると言及されています。
 そのうちの一つが、政策検証の伸びしろで、政府支出のうち、良いものを伸ばし、改善すべきものを改善するため、政策評価をより身近なものにすることが必要だとしています。
 そして、政策検証の改善として、「横浜市の『財政見える化』やデジタル庁の「政策ダッシュボード」のような、KPIの進捗等を一覧的に把握・分析可能とすることを目指すことが必要」と、例示してくださいました。
 
 どうもありがとうございます!

Y-ZMDをつくろうと思ったワケ

 なぜ、つくろうと思ったのかというと、これは、前々回「公会計・決算統計分析研究会 ✕ 横浜市行政評価(行イノ#8)」の中でも触れましたが、将来にわたり持続可能な市政運営としていくための一歩として、まずは市民のみなさんに財政などの情報をお伝えするべく、横浜の「現在・過去・未来」をデータで見える化しようと思ったからです。
 この中で、財政見える化ダッシュボードは、横浜の「現在」の姿をわかりやすくお伝えすることを主眼とし、2021(令和3)年9月に横浜市のホームページに設けました。

横浜市財政見える化ダッシュボード

 

Y-ZMDのポイント

 設置前は、毎年度のすべての事業計画書を、総務局、健康福祉局、道路局といった組織ごとに、それも、予算を目的別に区分する「款・項・目」順に並べて公表していました。これでは、市役所の事業によほど精通している人でない限り、知りたいと思う事業を見つけるのに相当時間がかかってしまいます。場合によってはたどりつかないかもしれません。
 そこで、利便性を高めるために、全事業を組織別に公表するのではなく、防災・消防・救急、介護・高齢者福祉などの行政分野別にデータベース化し、一体的に公表することにしました。
 また、キーワード検索機能を付けて、事業計画書内にそのキーワードが含まれる、すべての事業をピックアップして一覧表示できるようにしました。

左上に検索窓を設けたので、ここからキーワード検索が可能


 財政見える化ダッシュボードには直近1年だけでなく、過年度の情報(直近6年分)も掲載しています。
 事業ごとの予算額や財源の推移をグラフで確認できたり、事業内容の変化などもわかります。あわせて、事業に関連する指標も掲載しています。

施設型給付費の予算額推移
※施設型給付費・・・保育所や幼稚園等を安定的、継続的に運営していくために運営事業者に給付する事業

 その他、トップページの1番下には、2065年までの長期財政推計データを掲載しています。横浜の未来も財政見える化ダッシュボードからわかりますが、このような歳入と歳出の差である収支差が生じないように、歳出改革(財源確保を含む)にしっかりと取り組んでいかなければなりません。

長期財政推計

 また、市役所側では、財政見える化ダッシュボードを使って市民のみなさんがどういった行政分野に関心をもって検索しているか把握することができます。
 例えば、下は、財政見える化ダッシュボードを設置した頃の行政分野別の閲覧数です。行政分野別の閲覧数だけでなく、前の月と比較して、どの分野のどの事業を検索していたのかということも分析できます。
 このときは、閲覧数4位の学校教育分野の閲覧数が前月に比べて増えていてますが、学校教育事務所の運営費や人件費を閲覧している傾向にあったこと、また、17位の議会・選挙・監査の閲覧数の上昇は人件費や市長選挙費について閲覧していることによるものとわかりました。

アクセス数レポート

共創(公民連携)にも使える!

 各事業のページには、公民連携の提案ができるフォームもついています。
 例えば、地域での子育て支援に公民連携で取り組みたい!という場合、
「この事業への提案窓口はこちら」をクリックすると、提案フォームが開きます。提案内容を入力し、送信してください。政策局共創推進課や事業所管課に提案内容が共有されます。

各事業ページの右下に公民連携提案窓口(青丸のところ)があります


 財政見える化ダッシュボードについて駆け足で紹介させていただきました。多くのみなさんに活用してもらえるとうれしいです。
 よろしくお願いします 🐰