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マスクで忍ぶ

2023年。明けましておめでとうございます。新型コロナウイルスによるパンデミックも、ようやく元通りの世の中に戻りつつあります。やはり3年かかりましたね。物事は、およそ3年でケリのつくことが多い気がします。良いにしろ悪いにしろ。

海外ではもう誰もマスクをしていない、とよく耳にします。私は2022年10月のパンデミック終末期にタイへ行きましたが、話に聞くよりもマスクをしている比率は高く感じました。少なくとも「誰もしていない」ということはありません。

一方で、同時期にタイにいた友人は

「マスクをしている人は少なかったね」

と言いました。これは一体どういうことか。自分の感覚は絶対的ではなく、相対的なのだということです。きっとこうに違いない、という思いは人それぞれ違います。コロナ禍で世の中の情報がいい加減なものだと露呈しましたが、自分の感覚もまた、いい加減なものだとわかってしまいました

マスクで忍者気分

さて、日本はマスク社会からなかなか抜け出せずにいます。そこで私は一つの仮説を立てました。それは、日本が忍びの国だからではないか、ということです。

忍者に憧れの感情を持っている人は多いです。マスクで顔を覆うことで、世の中に紛れて忍者気分を味わえる。そんな隠れた高揚感も相まって、日本人はなかなかマスクを「外さない」のでは。

そんな忍びの国は表情もわかりづらいのですが、今やスマホ筆談も多いのでコミュケーションには困りません。今は話すようにスマホをタップして文字を打てます。ツイッターの辞書の旅で毎日鍛えているおかげでしょうか。

そんな辞書の旅ですが、2023年6月中旬に自身初の辞書併読を完遂し、「書」で書くことを達成します。書からは小説も生まれ、今号で15話目です。旧知の友人から

「嘉洋、太宰治のような文章だ」

と言われたことは一生の自慢です(笑)

それでは年始の挨拶もほどほどに、今年もみなさんそれぞれにとって、幸ある一年でありますように。なにとぞ、よろしくお願いいたします。

明るく生こまい
佐藤嘉洋

ブルート通信180 / 明生人嘉 〜 MyojoJinka 〜 108話