#エッセイ01 不合格だったから仲がいい。
先日の日曜日のこと。
母校の大学の教授に8年ぶりくらいに会いにランチに行った。
そんな話を、友人にしたら「ゼミの先生?」と、在学中に取り立ててお世話になった先生なのかと聞かれたが、そうではない。
むしろ、私は教授のゼミとやらに申し込みをして落とされた側の人間だった。
先生のゼミは、定員が20人程で、入る際には試験があった。英語教育のゼミだったから、試験内容は英語も含むと記載があった。
いつもは人気だが今年は、20人ちょうどくらいの応募だと聞いた。私は試験を受けた。
大方順調にいった試験だったが、最後に先生から英語で質問があった。
「私は英語は苦手なので、その質問には答えられません。」
と、淡々と日本語で返した覚えがある。
そのあと、私は不合格となり、定員オーバーしてないはずなのになぜ落ちたのか?分からなかったので、先生に直接尋ねに行った。
「先生。わたし、不合格の欄に名前がありましたが間違えてませんか?」
先生は、全く間違えていないと言った。
君は今年の合格者のカラーと合わないと。我がゼミとしては不合格の結論を出した。と、先生は淡々と言った。
先生。先生。先生。
知らんだろう。ご存じないだろう。
もうね、今年は定員割れだから、私は合格だと思って、
こちらとら、他志望者たちと既にごはんに行ってな、生まれ持ってのリーダー気質もあってな、「絶対これ、さわでぃーがゼミ長よ~!よろしくね~!」とまで、みんなに言われてるんじゃ。
先生。先生。先生。
知らんだろう。ご存じないだろう。
たまたま英語の授業で隣の席だった同級生で、「ゼミなんて、俺に関係ないし。入らなくても良いし。独りでやってくし。」と言いながら寂しいツラガマエしていた男の子にな、
あんた私とともにココのゼミに入んな。チームで勉強するってな、楽しいんだよ、同じ興味関心のある仲間と集って話すってのがな、大学の醍醐味だ。一緒にやってこうぜ。っっっっって勧誘して彼も受けちゃったんだよ。
結果、私は不合格となり、無理矢理ゼミ試験を受けさせた、その彼が合格し、ゼミ長となった。
一夜ゼミ長(私)ここに散る。
そんな話があるんだけども、私は先生のこと、このゼミ長となった彼のことは引き続き大好きで、ちょこちょこ先生の研究室に顔を出していた。
謎の半年留年をしている私は、その時には先生の授業のみ受講して、直属の研究生でもないのに、最後の最後まで面倒を見ていただいたと思う。
卒業後も、定期的に現状を一方的に報告し、(大学のメールセキュリティが私のメールを迷惑メールと分類していたこともあった。それにもくじけない。)先生も海外に行かれていたりして、久しぶりにお会いしたのが先日である。
先生からは、ズバリ一言。
「あなたが周りの人を幸せにしてきたことはたくさん聞いている。(例えば、ゼミ長になった彼はそのまま大学院に行き英語教師となり今も教鞭をふるっている。)
一方で、貴女はあなたの幸せにきちんと向き合っているのか。ご自分を幸せにする気はあるのか。」
先生、久しぶりにお会いしたら課題が随分と分厚くなりなりました。
ちゃんと英語で答えられるようになったら、私はゼミに入れますか?
(ちなみに、集団行動苦手なので、授業に出る事は難しいと思います。)
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