確証バイアス
1 , 4 , 10 , 22 , 46 , …
これはどんな規則にしたがって並んでいる数字でしょうか?
その規則性を当てるためにYesかNoで答えられる質問をいくつでもしてもいいとしたら、皆さんならどんな質問をしますか?
多くの人はまず「次は94ですか?」と質問し、
その次に「その次は190ですか?」と質問し、
その次に「2倍して2を足す規則ですか?」と質問して、規則を当てようとすることでしょう。
ちなみにこの3つ質問で、最後の質問の答えはNoです。
ではこの数列の規則はなんなのでしょうか?
答えは「前の数よりも大きい」たったそれだけです。
人間は自分が都合の良い情報だけを入手して、自分の考えが裏付けられればそれで満足してしまう思考のクセがあります。
これを「確証バイアス」といいます。
これは日常でもよく見られる思考傾向です。
例えば、よく寝坊で遅刻する人が今日も朝から姿が見えなかったとします。
そういうときはたいてい「○○さん、出勤した?」という質問で「出勤していない」という答えが返ってきただけで、「また寝坊で遅刻か。」と決めつけてしまうことでしょう。
実はその日の前日にその人の親族が亡くなっていたとしても、姿が見えない理由をそこまで確認する人は稀でしょう。
これこそが確証バイアスによる人間の思考の曖昧さなのです。
本来ならばそう決めつける前に、姿が見えない理由を聞くべきですし、まず遅刻なのか欠勤なのかを確認するべきでしょう。
しかし、多くの人はそんな確認はせず、自分の仮説が裏付けられる情報を自分が満足するだけ手に入れたら、その仮説は正しいと判断をしてしまいます。
この確証バイアスによってもたらされるのが、世に言う「はやとちり」です。
もう一度、最初の問題について考えてみると、94であることを確認するのはよいとして、94以外ではないことも確認すべきでした。
つまり、自分の仮説が合っているかの確認だけでなく、自分の仮説が間違っていないか、自分の仮説以外の仮説が成り立つのかを確認すべきでした。
自分に都合のいいことばっかり聞いてきて、都合の悪いことには触れないなんて、印象悪いですよね。
そういった思考の偏りが起きないようにするためにも、人間にはそういったバイアスが備わっていることを自覚しなくてはいけません。
自覚し、受け入れた上で、そうならないように意識をしていくことが「はやとちり」を無くす唯一の方法なのだと思います。
かくいう私も確証バイアスにはいつもお世話になっています。
そろそろお世話になる機会も少なくしたいところです。
皆さんも気をつけてみてください。
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