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【映画】闘いの物語【三月のライオン】

おはこんばんちは!
嵐の中では、ニノ派のぐっさんです。(らいまる風)
Netflixで観られる嵐のドキュメンタリー『Arashi’s Diary』はオススメです。

さて、今回は『三月のライオン』という映画を紹介します。
こちらは、羽海野チカ先生の漫画が原作となっていて、流行りの「実写化映画」です。
僕は、基本的に漫画の実写化はあまり好きではない。なぜなら、漫画の醍醐味は自分の中でキャラクターの声や雰囲気までを想像しながら楽しむこと、だと思っているからです。
ということで、原作をオススメするつもりで紹介していきます!

あらすじ

中学生でプロ棋士となった主人公の桐山零(神木隆之介)。小学生の頃に両親と妹を交通事故で亡くし、父の友人である棋士の幸田家に引き取られ、将棋一家の中で育てられる。
高校生になった零は、幸田家を出て一人暮らしを始める。孤独に生きる零。ある日、隣町に住む川本家の3姉妹と出会う。彼女たちとの出会いによって徐々に人生が変わっていく。
将棋の戦いと並行して、様々な人生の試練を乗り越えていく闘いの物語。

※本作は前編・後編での構成となっております。一気に観るの大変だった…笑

■闘いの物語

羽海野チカ先生は「ハチミツとクローバー」を代表するようにどちらかと言うと「少女漫画」なイメージ。この「3月のライオン」も最初は手に取るのに少し抵抗がありました。
ところがどっこい。物語が進んでいくと、これはそんなフワフワした話じゃないぞ、と気付きます。これは、「闘いの物語」なんです。
この映画では、その「闘い」のストーリーをまとめたかたち。前編・後編と分けてかなりの長尺になっていますが、現在漫画は15巻まで出ていますし、まとめるのには詰め込んだ感が出てしまうのは当然ですね。

ということで、ここでは注目して欲しい「闘いの物語」を詰め込んでみます。

・「零の孤独」
中学生ながらにプロの棋士となった零。現在は高校3年生。幼い頃に家族を亡くし、父の友人棋士である幸田家に引き取られるも、幸田家の娘・香子と息子・歩は徐々に零の存在が認められなくなってしまう。自分のせいで家族に亀裂を生んでしまうと感じた零は幸田家を出て一人暮らしを始める決断をする。家族に先立たれ、引き取られた先の家族とは決別。孤独に生きる零は将棋に生きるしかなかったのだ。孤独な零は様々な葛藤を抱えながら、その想いを将棋にぶつける。

・「将棋は闘いだ」
THE・文化系のイメージがある将棋。僕は祖父の影響で将棋をかじっていたことがあり、今でも弟とは年末に実家に帰れば将棋を何戦か指している。素人の将棋とは違って、プロの将棋は「闘い」そのもの。自らの脳をフルに働かせて、何十手先をも読みながら戦略を練って闘う。そりゃ、途中で栄養補給をしないとやっていられないわけです。それにしても、ワイドショーで特集される将棋の「勝負飯」なんて言うのは、もうちょっと他に取り上げるポイントないのかなーって思っちゃいますよね。
そのワイドショーを賑わせている、現実世界の将棋の神童・藤井聡太さん。先日ついにタイトルを獲得しましたね。藤井聡太さんの活躍で、そしてこの「三月のライオン」をきっかけで将棋を知る人が増えていく、それが文化を作っていくんだろうな。

・「ひなたvsいじめ」
「いじめ」と言うとってもセンシティブな問題。本作ではこの「いじめ」に向き合うプロセスがとても上手く描かれています。
いじめを受けて、家に帰ってきたひなたに対して、おじいちゃんの相米二がかけた言葉。そして、妹を想うからこそその言葉をかけられなかった姉・あかりの想い。このシーンは全日本人に観て欲しい!

・「香子の葛藤」
棋士の父に育てられ、弟と共にプロを目指す香子。ある日、父が連れてきたひ弱な男の子・零。そんな零がみるみる将棋の力をつけていく。零のことを認められず、ついには零に勝てないのなら、と父に奨励会退会を勧められてしまう。「将棋以外の世界も」この言葉でこれまでの全てが否定されてしまった香子。大人になった香子は、妻のいる後藤との不倫関係に落ちてしまいながら、零を見つけてはちょっかいをかけていた。
「可哀想な子」=自分より弱いと思っていた存在が、努力しその才能を開花させる姿を目の前で見せつけられた時の自分の惨めさ。それを認められない自分の弱さ。そんな葛藤すら認められない。香子の葛藤を有村架純が上手に演じています。正直、映画が公開された当初は、香子の配役が一番しっくりきていなかったのですが、有村架純の演技には脱帽でした。

・「川本家vsクズ人間の父・誠二郎」
不倫の末に家族を捨てた「人間のクズ」(零が実際に言い放ちます!決して僕の悪口ではありません!w)。妻が他界した今も、3姉妹を見放し新たに不倫中。しかし、ある日突然「もう一度一緒に住みたい」と川本家に戻ってくる。その清々しいほどのクズっぷりがすごい。しかし、その父に対して敵意剥き出しの零に対して、娘であるひなたからの「こんな人でも私たちの父親なの」と言う言葉はとっても重い。そんな父との闘いに、3姉妹が下す決断は?

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いかがでしょう。
まだまだご紹介したい闘いのストーリーはたくさんあるのですが…。と言うか、これだけのストーリーをよく映画に詰め込んだな、と思いませんか?
そう思った方は、ぜひ原作から読んでいただきたい!

■僕の好きなキャラクターを発表します!

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公式HPより

島田開!
映画では、佐々木蔵之介が演じているこのキャラクターは零が所属する階級よりも上のA級棋士。
将棋の聖地である山形県出身の島田さんは、地元の期待を一身に背負いながら闘い続けるのですが、どうしても超えられない壁が立ちはだかっているのです。
それが、名人・宗谷冬司(加瀬亮)。
中学生プロデビュー以来、十数年間に渡ってタイトルを防衛し続けている化物(羽生さんをイメージしていただけたらOKかと)です。
そんな宗谷との関係性について、島田さんのセリフは僕の座右の銘になっています。

「縮まらないから」といってそれがオレが進まない理由にはならん。「抜けない事があきらか」だからってオレが「努力しなくていい」って事にはならない

明らかに高い壁が目の前にあっても、それが自分の努力しない理由にはならない。そんな他人と比べて、「自分なんて」と思う時間があるなら、努力しろ。そう教えてくれます。

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こんな「闘いの物語」となっている「三月のライオン」。映画を先に観るも良し。原作を先に読むも良し。人生において背中を押してくれることは間違いないので、ぜひこの物語に触れていただきたいな。

それでは。
See you next time.
ぐっさん。

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