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【映画】ウソか本当かを決めるのは国民だ【新聞記者】

おはこんばんちは。
今回ご紹介する映画は、『新聞記者』という映画です。

どうしても鑑賞したくて、ただ上映中には映画館に観に行けず、やっとの想いで鑑賞できました!という映画です。

■あらすじ

日本人の父と韓国人の母のもとに産まれ、アメリカで育った東都新聞記者・吉岡のもとに届いたのは、大学新設計画に関するリーク書類。内閣との怪しい関係を疑う吉岡は真相解明のため調査を始める。
内閣情報調査室官僚・杉原は、政権に不都合なニュースをコントロールする、いわば情報操作のために奔走する日々に疑問を抱きながら働いていた。そんな彼は元・上司の神崎と久しぶりに再会。しかし、その数日後、彼が飛び降り自殺で亡くなってしまう。なぜ、彼は死ななければいけなかったのか。
大学新設計画を追う吉岡。神崎の死の真相を追う杉原。ある時、二人の人生は交差する。そこから明らかになった衝撃の事実とは。

■この作品はプロパガンダなのか

毎回、作品を見終わったあとは公式サイトを訪問しています。今回も同じようにすると、ある映画評がとても印象に残りました。

勇気ある映画でした。
フィクションでありながら、いやフィクションであるからこそ、真実を描き出すことができていると思いました。真実を求める力、民主主義の在り方を問う作品だと感じます。
著書も映画にも貫かれる勇気に応えたい。
太田伊早子氏(弁護士)

「フィクションでありながら、いやフィクションであるからこそ、真実を描き出すことができている」
この言葉から、自分の中で最近読んだある本が連想されました。
経済記者で覆面作家という梶山三郎著の『トヨトミの野望』という小説です。

こちらも取材をベースに、ある巨大企業の裏側を書いたとされる小説なのですが、この本を読み終わった後に同じことを思ったのです。

「フィクションだからこそ、真実を描ける」

Youtubeの予告編のコメント欄には、「プロパガンダ」、「ネガキャン」という書き込みも見られますが、これも情報社会を生きていくために求められる能力の一つでしょう。
このような作品をどのように受け止めればいいのか、というのは人それぞれ。

自分は仕事柄、正直「情報操作」というのはある程度なされているものだと思っています。しかし、それが「不透明さ」を生んでしまい人々の信頼を損ねてしまっては元も子もない。
あまり、政治には詳しくないですし、このような場で政治的なことを語りたくはないのですが、正直最近の政治は「不透明さ」による国民の信用度は下がってしまってはいないでしょうか。

しかし、ある意味このような時代において、こういった作品が公開され、サブスクで簡単に見られるという環境にいられるのは幸せなことですよね。

※「プロパガンダ」については、大人気・中田敦彦さんのYoutubu大学「ヒトラーvsチャップリン」という回をぜひ観ていただきたいです。

■正義と仕事のベクトル

この作品を通して、僕が一番問われたのは「あなたは正義のために、仕事を全うする覚悟はありますか?」ということ。

新聞記者の吉岡も、内調の杉原も、「ここから先は確実に自分の身に危険が及んでしまうだろう」というような一線を、正義のために突破していくんですよね。(その一線を越える"怖さ"を見事に演じる田中哲司さんの演技力は圧巻です!)

最近の自分のテーマは「働くということは人生なのだ」という問いに対する答えを見つけること(唐突!)。
その問いに対するヒントとして、吉岡と杉原は自分の「大義」というベクトルと「仕事の使命」というベクトルが同じ方向を向いている良い例だと感じます。

自分は正直、今の仕事に対して自分の大義を重ねることができていません。そうなると、仕事の使命はせめて「半径3mくらいの小社会の改善」に尽きてきます。
ただ、この作品でいうと吉岡と杉原は「国を守る」という使命を自分の仕事に乗せて果たそうとするわけです。

なかなかそのような仕事に出会うことって難しいんだろうな、と思いながらもやはり「働く」ということは「人生」そのものだ!と信じたいので、「大義」を果たせる仕事を探す旅を続けていきたいと思います。

■まとめ

かなり「社会派」な映画でしたが、こういう作品が日本でもちゃんと評価される、ということは我々の未来にとってとても幸せなことですよね。
最近はTick Tockの件とか、かなり「情報」に対する「価値観」や「怖さ」がフィーチャーされることが多くなってきた気がします。
この作品は「日本アカデミー賞」で「最優秀作品賞」「主演男優賞」「主演女優賞」の3冠を受賞しました。このような難しい題材を見事に演じている松坂桃李さんとシム・ウンギョンさんは本当にその評価に値するな、と納得です。

ちなみに、本記事のタイトルにした「ウソか本当かを決めるのは国民だ」という言葉は本編より引用しました。かなり印象に残ったのでそのまま使いました。まさに、その通りだな、と。


それでは。
See you next time.

ぐっさん。

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