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サメ映画に夢中

 ディープ・ブルー3を観ました。やっぱサメ映画は良い。おまえここで死ぬんか? ってところで本当に死んだときの驚き。水辺に背を向けて、あいつは俺が葬ってやるぜ的なことを言い始めるサメへの食べてくださいアピールをして死ぬという芸。ディープ・ブルーのサミュエルのシーンは良かったですね。
 ディープ・ブルーみたいな分かりやすく面白いストーリーのサメ映画も好きだが、B級、まさかのZ級と呼ばれるサメ映画も好きだ。もうサメ映画というくくりが好き。不思議と元気が出るのはなぜだろう。
 ディープ・ブルー3を観たら、やっぱりサメ映画って良いな! という気持ちになって元気の出るサメ映画を続けて観た。その名もサマー・シャーク・アタック。原題はオザーク・シャークらしい。あと、ぜひハウス・シャークも観てほしいので、二本立ての感想です。
 フツーにネタバレしていきますね。サマー・シャーク・アタックはPrimeVideoで観れるのでぜひ。

 サマー・シャーク・アタックは、正直B級なんですが、まあ全然観れる。湖にサメが現れる系のストーリーです。しかもめちゃ浅瀬の湖。湖&サメで素直に面白いのを観たいならシャーク・ナイトを観た方が良いと思う。でも、サマー・シャーク・アタックはラスト十五分くらいから急にエンジンかかり始めるから。ふ~ん、ほお~んって観てたら、ラスト十五分でめちゃくちゃ評価上がった。
 だって、カーティス、そんな死に方あり??????
 マジですごくない? サメ映画の中でもめちゃ面白い死に方した。粉砕したサメの歯に当たって死ぬってどうしたらそんな発想が出てくるの……? もう感動すら覚えたよね。天才?
 もうあのカーティスの衝撃的(笑)な死から、最後までエンジンがかかりっぱなしだった。駆け抜けたね。すげ~や。
 サメの歯が刺さって死ぬという、そうはならんやろ……と思っている目の前で展開されていくやけにシリアスなシーン。変に泣きのシーンを作ろうとすな。すごいギャグだから。「頼んだぞ……」って謎にカーティスが託すから、モリー、サメを滅ぼすことに夢中になっちゃうじゃん。もうサメをミンチにしたんだからいいじゃん。ラスト一匹も殲滅させようとするモリー。ほんと好き。「あたしが終わらせる!」「おまえだけの戦いじゃない」「違うの?」ってもうやめてくれ。全部の台詞が面白く聞こえてくる。
 ラストが爆破なのもサメ映画っぽくて良い。サメ映画っぽくてって何? しかも汚え花火だから尚良い。ボタボタボタって肉片降ってくるのサメ映画によくあるよね。
 あれだけ人が死んで、自分も指を食われてるっていうのに、最後に「来年はスキー場にしようか」って台詞が出てくる父もやばい。ハッハッハじゃないんだよ。なにlolしてんだよ。登場人物全員やばい。この調子でスノーシャークとかアイス・ジョーズのような続編が来たら私もlolするよ。
 ラストの盛り返し方が素晴らしいサメ映画だった。

 サメ映画が好きなのは静かな狂気が映画のそこかしこにあるからなんですが、狂気しかないのはハウス・シャーク。まごうことなきZ級だと思うんですが。これはたぶんサメ映画をあんまり観たことがない人が観たらキレると思う。私もキレそうだった。時間を無駄にした! とキレてる人を肴に楽しみたい映画ですね。サイテー。あと下品なシーンが大半なのでカップルでは観ない方が良いと思う。
 まず、タイトル。タイトルから狂気がにじみ出てる。ハウスにシャークは出ないから。しかし出るんだよな。しかも便器から。
 あのね、便器からサメが出てくるという発想ね、怖い。素直に怖い。便器からはみ出す背びれも怖い。サメが怖いとかじゃなくて、なんで便器から背びれはみ出させようと思ったの? これが国語のテストだったらマジで誰も製作者の気持ち答えられないよ。
 しかもハウス・シャークを倒そうと住宅診断士が出てくるんだけど、おめーどう見ても住宅診断士じゃねえよなって見た目なんだよね。めっちゃスターウォーズ感ある。暗黒面に堕ちた住宅診断士が「昔サメはバッファローと同様、陸の生物だった」とか言い出して頭に?が浮かぶ。この映画、基本的に「?」しか浮かばないんだけど、この住宅診断士が見た目も濃いし、発言も謎だから恐怖がすごい。何? 何を見せられているの……?
 住宅診断士、さらにアメリカの先住民の血を継いでいるという謎設定もある濃すぎるキャラなのに、秒で食われて思考が追いつかない。しかもめちゃくちゃサメがハリボテ。学芸会か? 思わず変な笑いが出た。助けてくれ。
 ハウス・シャークの専門家(何?)ザカリーと、酔っ払いのエイブラハムが加わり、めちゃくちゃ不穏な三人組に。同じコマに入らないでほしい。並んでるだけで不安になる。すでについていけないのに、メスのサメの着ぐるみを着てハウス・シャークを誘き寄せるとか、小脇に光線銃を抱えるサメとか、サメを倒すために蟷螂拳の修行が始まるとか、最初から最後まで訳が分からない。私も書いていて分からなくなってきた。
 血液がほぼウイスキーでできているエイブラハムを撃つことでサメに引火して爆発ってラストなんですが、何? その倒し方の発想は無かったんだけど、というかある訳ないだろという感じなんですが、斬新なラストを見せられても「何?」って感想だった。終始映画に置いていかれていた。何なら今もついていけていない。
 あと、長い。一時間五十分は……長いよ……。
 サメ映画の純粋な狂気に「そうはならんやろ」って突っ込むのが好きなんだけど、ハウス・シャークは本当に上級者向き。そうはならんやろじゃない。なるんだよ。ハウス・シャークの世界ではそうなの。家具に成りきればサメもやり過ごせるの。理解しようと思って挑むと私のように「何?」となるので、全てを受け入れることが必要なのかもしれない。

 サマー・シャーク・アタックのラスト十五分の展開や、ハウス・シャークのような狂気があるから、サメ映画はやめられない。またこういう謎の感動を味わいたい。これぞというサメ映画をどうかこれからも作ってください、よろしくお願いします世界。

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