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妊娠・出産の緊急事態

2023年7月に第一子が生まれ、父になりました。

妻も私自身も健康で体力もある方なので、万事スムーズにいくかと想像していましたが、さまざまな緊急事態に見舞われました。

私たちの体験談がこれから妊娠・出産を迎えられるみなさんの参考になれば幸いです。「こういうこともあるんだ」と頭の片隅に入れておいて、心構えをしておくと、いざという場合に冷静に行動ができるかと思います。


妊娠発覚と同時に新型コロナ感染

2022年11月、市販の妊娠検査薬で陽性反応が出ました。

近所の産婦人科の予約をとって検査をして、後日結果を聞きにきてくださいとのことでした。

検査が終わった後、どうも妻の体調がすぐれないとのこと。妊娠したからかな、と2人で話していましたが、翌日になると発熱していました。

新型コロナの抗原検査キットで検査してみると見事に陽性。まずは産婦人科に連絡してみると、「検査結果は出ていないが、妊婦の可能性が高いので行政に連絡してください。」とのこと。当時はまだ2類感染症だったため、妊婦の場合は行政による体調チェックの連絡が定期的になされることになっていました。

行政に連絡すると、自宅にパルスオキシメーターが送られました。体調が完全に良くなるまでの1週間、体温と酸素飽和度を測って電話で報告しました。

数日後に私も発熱があり感染。先が思いやられるスタートでした。

切迫早産による入院

妻がインフルエンザにかかったりしながらも、妊娠後期までは順調に事が進んでいました。

いざ産休に入った翌日の検診で言い渡されたのは、「切迫早産のため即座に入院してください。」という言葉でした。

切迫早産とは早産となる危険性が高いと考えられる状態、つまり早産の一歩手前の状態のことをいいます。子宮収縮(お腹のはりや痛み)が規則的かつ頻回におこり、子宮の出口(子宮口)が開き、赤ちゃんが出てきそうな状態のことです。破水が先に起きたり、同時に起きたりすることもあります。

公益社団法人 日本産科婦人科学会

早く生まれた赤ちゃんほど、後で重篤な障害が出現する可能性が高くなります。最近では、妊娠34週以降の正期産に近い時期の早産であっても、呼吸障害など長期に障害を残すことが報告されています。ですから、早産にならないように妊娠中、定期的な健診を受けていただき、早産になりやすい状況の早期診断と予防が必要になります。

公益社団法人 日本産科婦人科学会

妊娠34週で、子宮の出口である子宮頸管の長さが通常より短いとのことで入院を勧めるとの診断結果でした。

私も勤務中に突然連絡を受けてびっくり。さすがに当日は厳しく、その日は荷造りをして翌朝入院しました。

入院中はほぼ24時間の間、子宮収縮抑制薬(はりどめ)の点滴治療を行います。安静が必要で、トイレや2~3日に1回のシャワーのとき以外はずっと横になっていなければなりません。食事制限はありませんでしたが、ベッドで3食とることになります。体調は良好なのに動けずとにかく暇だし、点滴で腕は痛いしで辛い毎日でした。

7日間の入院生活を経て、退院となりました。退院後は処方されたはりどめの飲み薬を服用しました。

切迫早産による入院(2回目)

退院から1週間後(妊娠35週目)、出血があり産院に連絡をすると、念の為来院してくださいとのこと。前回のことがあったので、妻はもう覚悟ができていたらしく(強い)、入院の荷造りをしてから産院に向かいました。

案の定、再度切迫早産で入院する運びとなりました。今回は診察後そのまま車いすに乗せられてベッドに連れて行かれました。子宮口が若干開いていたようです。

1回目と同様の治療を行い、正期産となる妊娠37週目まで9日間の入院生活を送りました。結果的として無事に正期産の時期を迎えられてホッとしました。

2回におよぶ入院で一番大変だったのはもちろん入院している妻本人だったのですが、想定外の事態に私自身も忙しい日々を過ごすことになりました。

元々、妻が産休に入ってからゆっくりと出産・子育ての準備をするつもりだったのですが、産休中のほとんどを妻が病院で過ごすことになったため、私が働きながら準備の大半を行うことになりました。

必要なものを買い揃え(必要な産前・産後・子育て用品について、別の記事にまとめていますので参考にしてください)、赤ちゃんの衣類やタオル、布団は水通しという洗濯・天日干しを行い、ベビーベッドを組み立て部屋を整える、等々。

加えて、週に2~3日は着替えと差し入れを持って妻のお見舞いに向かいました。ちょうど仕事が忙しかったこともあり、体力的にかなりキツかったです。

もっと早いうちから準備をしておけば、と反省しました。ゆとりを持った出産準備をおすすめします。

緊急帝王切開

なんやかんやありましたが、無事出産のための入院の日を迎えることができました。

私たちは計画無痛分娩を選択し、妊娠38週目での出産となりました。

朝に入院して1時間ほどで麻酔と陣痛促進剤を開始します。初産の場合は通常12時間以上はかかるとのことなので、私はそのとき仕事に向かっていました。ですが、陣痛促進剤を入れ始めた直後に、赤ちゃんの心音が聞こえなくなってしまいました

担当の医師が「緊急帝王切開!割と急いで!」と声をかけると、みるみるとスタッフの皆さんが集まり、妻は分娩台から手術台に移されました。(今思えば「割と」ってどういうことなんだろう…笑)

一気に麻酔をかけられ、身体の感覚がなくなったそうです。

私は電話で「緊急帝王切開で赤ちゃん出します!30分以内に出ます!すぐ戻ってきてください!」と焦った声で連絡を受けました。

何が起こったのかわからないまま、とんぼ返りで産院に向かいました。このときのタクシーでの移動時間が人生で一番緊張しました。どうか子も妻も無事であってくれと。

産院に駆け込むと、手術室近くの部屋に通されたのですが、手術室の前を通るときに泣き声が。しばらくすると、助産師さんがやってきて、その腕には小さな赤ちゃんがいました。子は無事でした。あまりにもテンパっていたので、このとき妻が無事かどうか聞くのを忘れました。申し訳ないと思っています。

さらにしばらくすると、ベッドに横になった妻が運ばれてきました。顔を見てようやくホッとしました。本人も何が何だかわからないうちに手術・出産となったようです。

医師からの説明を受けたのですが、へその緒が赤ちゃんの頭側にきてしまい、圧迫された結果心拍が低下してしまうという症状(胎児機能不全)でした。もし自宅で破水していたら手遅れになっていたかもしれないという状況だったらしく、ゾッとしました。結果論ですが、予定日よりも2週間近い出産となったのが功を奏しました。

とにかく、子どもと妻が無事でよかったです。適切な処置をしていただいた産院のスタッフの皆様に感謝申し上げます。

おわりに

子どもが生まれてからはいろんなトラブルがあるだろうな、と想像していたのですが、まさか生まれる前から想定外の出来事が複数起きるとは思っていませんでした。不勉強を反省しました。

「このようなこともある」ということを少しでも覚えておけば、いざというときに備えておけるかもしれません。


他にも子育てに関する記事を書いておりますので、ぜひご覧ください。


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