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友達との関係に母親が干渉してきていた話

もらったものを突き返させられた話

うちの母親は人から何かものをもらうことをとても嫌がる人だった。
親戚でも、私の友達からでも、私に誰かが何かをあげようとすると、それを拒絶し、受け取ってはいけないと私にいう傾向があった。(ただし、ピアノの先生など、関係性に問題がない相手からのものはOK)
母がなぜ、あれほど物をもらうことを拒んだのかというのは、おそらく、お礼をしたりお返しをしたりというやりとりがめんどくさくて嫌だったのだと思う。
母は基本的にそう言った『女子的コミュニケーション』が取れない部分がある。
あと、あまり仲の良くない人とのコネクションを強くしたくないという心理があったのだと思う。

ただ、そういった行動や意識が、子供の友人関係まで影響をおよぼして干渉をしてくることがあった。

私が小学校の時、一番仲が良かった友達にYちゃんという子がいた。
彼女は小2の時に両親が離婚をし、お母さんの実家に引っ越してきた子だった。
通学路が同じ方向だったため、私たちは毎日一緒に帰り、私はよく彼女の家に遊びにいった。
彼女の家は少し変わっていて、祖父母の家に住んでいたのだが、その家はとても広く、部屋がたくさんあり、彼女と彼女のお母さん以外にも、彼女のいとこにあたる大学生くらいのお兄さんたちが三人くらい各一部屋ずつ使って暮らしていた。
彼女と彼女のお母さんは、その家の中の一部屋を間借りしている状況で、部屋の中にTVや冷蔵庫があった。

私のなかで彼女と仲良くするのは正直都合のいい部分もあって、小学校当時、常にお腹をすかせていた私は、『いかにおやつを沢山食べるか』ということを考え遊びに行く友達を選んでいたところがあり、彼女の家はおやつが食べ放題だったし、TVゲームなどもやり放題だったのだ。
正直、そんな理由で彼女と遊んでいた私も人としてどうかと思う

彼女の母親はCAで、ほぼ家にいることがなかった。あんなに遊びにいっていたのに私は彼女のお母さんにあまり会ったことがない。でもとても綺麗な人で私の目から見ると優しそうなお母さんだった記憶はある。

だけど、うちの母親がYちゃんのお母さんに苦手意識を持っていて、とても警戒をしていた。
なので、他の子のお母さんと彼女のお母さんとだと異なる対応をすることが度々あった。
例えば、私たちは仲が良かったので、たまにYちゃんのお母さんからどこか一緒にでかけませんかみたいなことをYちゃん経由で言われることがあった。あと、お泊まり会などの誘いもあった。
うちの母親はほとんど断った。唯一一回、Yちゃんのお母さんに温水プールに連れていってもらったことがあるけれど、それだけだった。
(ただ、お泊まり会などは他の友達からの誘いもほとんど断っている)

あと、たまに彼女が私になにか物をくれることがあった。
彼女がくれるというよりかは、彼女のおばあちゃんが、昔街の駄菓子屋さんをやっていて、その名残で彼女の家には昔売り物の雑貨とかが大量にありそれをくれた。(その当時はもう駄菓子屋はやらなくなっていた)
それ以外にも、彼女のもっていた文房具やメモ帳をくれたりということがあったと思う。
私は、家の規則で可愛い文房具を持つことが許されていなかったので、可愛い文房具に飢えていた。可愛いキャップとか可愛い鉛筆削りとか、みんなが持っているものが欲しかった。なので、くれるといわれたら喜んでもらった。
でも、母親は目ざとく、私が見たことのないものを持っているとすぐに気がついた。そして私を問いただし、もらったというと叱り飛ばし、返してきなさいと言い放った。

当時、もらったものを友人に返す行為は私にとって、とても苦痛なものだった。「親がダメだというから」といって返すのだが、言いずらいし、返される方も嫌だったと思う。(ただ、その感情の中にはそのもらった物がほしかったという、私の執着もあったけれど)

確かに大人になってみると、子供同士の物のあげたりもらったりというのは、トラブルの原因になるし、子供は意識していないけれど、お金が絡んでくるので、親的には嫌なのかもしれない。
あと、苦手なママ友とあまりコネクションを強くしたくないという気持ちもわからないでもない。
でも、私だったら、子供に突き返してこいとは言わず、同等の価値のある新しいものを購入し、友達に渡すようにすると思う。
大人の世界だって、一度もらったものをそのまま突き返すということは、マナー違反だし、まずしない。
うちの両親は、そういった、『それをやった時に、本人や周りの人が一体どのような感情になるか、そのことが相手や当人のメンタルや、人間関係にどのような影響を及ぼしていくのか』といった目に見えない感情や、それをしたことで関係性などがどうなっていくかなどを推測する能力が、一般の人と比べて欠落しているところがある。
それは大人になった今、彼らを見ていても相変わらずそう思う。

ただ、私も私で懲りないところがあって、注意されたにも関わらず、何度か彼女からものをもらっている。正直可愛いものに飢えていたので欲しかったのだ。その度怒られてYちゃんに返している。
まぁ、母親もちゃんと説明などをしないで、『ダメだからダメ』で感情的に怒っているだけなので、当時の私がなにも納得していなかったというのもある。

あと、Yちゃんに関しては母親が過剰に反応しているところもあった。他の友達だとOKそうなものでも、彼女からだとNGとか、彼女の件に関しては過剰に私を叱るとかそいういうところがあった。

大人になった後、母親にその件について話をしたことがある。そこで母親は「あんたを守ろうと思った」と彼女は彼女の中の正当な理由でその行動を行なっていたということがわかった。

確かに、Yちゃんは束縛が強い部分があったし、彼女とお母さんが離婚して引っ越してきた直後に、彼女のお父さんは突然死、不審死のような感じで亡くなっている。そのあたり、ちょっと家庭環境が複雑であることは垣間見えてはいた。
だからうちの母親は出来る限り彼女と私の距離を空けようとしていたのである。

でもその時を生きている子供から見れば、はっきりいってそんなことは余計なお世話以外の何者でもない。子供には子供の社会があり、社交があるし、人間関係がある。実際、彼女とはトラブルが起きてはいないわけではないのだが(私が先に一人で下校しまったのことに怒って電話かけてくるとか)それを回避するために、親が干渉して離れるように仕向けるのは違うと、大人になった私に母は叱られている。


こう書いてみると、なんだか自分の娘が結婚しようとしている相手やその家族が気に入らなくて、結婚をやめさせようとする親のようだ。娘の小学生の友達相手にそなことするなよ、と言いたい。


母親がなぜそんな行動をとったかという考察

この母親の一連の行動について、私を思ってやっていた部分もあると思うけれど、母親の臆病のせいもあると思う。
母はYちゃんのお母さんが苦手であったし、いわゆる女子グループ的な付き合いや立ち回りができない人だった。
もし、母が何が起きてもなんとか出来る自信を持ち合わせていたら、強引に距離を取らせる様な行動はしていなかったのではないかと思う。
あと、私が叱られても叱られても同じ行動を繰り返していたのは、禁を犯さないと私が自分の欲求を満たせない状況下に置かれていたせいもある。
まぁ、私がそんなキャラクターものを持っていたら、父がなにか言い出す可能性があったというのもあるかもしれない行けれど。

ただ、母も当時若かった。今の私より若い。社会経験もあまりない人だった。あと基本的に母は発達障害っけのある人である。そして母は当時あまり精神的な自立が取れていなかったし、その原因は色々あるものの、嫁に来た家でとても抑圧されていたということは事実である。

大人になって大人の目線で背景を読み解いていくと、色々なものが絡み合っているのは見えてくる。そしてどうしようもなかったということも見えてくる。

それでも、子供時代に私が傷ついたことも事実だし、だから今こうして記事を書いているのだけれど。

ちなみにYちゃんとは中学も同じだったが、中学ではそれほど仲がいい間柄ではなくなった。今何をしているかわからないけれど、幸せに過ごしていることを願うばかりである。

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