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牛丼がなくなる吉野家でバイトをしたこと

2003年12月、BSEの影響でアメリカからの牛肉の輸入が規制されました。折しもその年、私はちょうど吉野家のしかも渋谷の109のすぐ横にある店舗でバイトをしていました。


前職のメイド喫茶をやめて、

服飾の専門学校を受験したあと、

学校が始まるまでしばらく暇になりました。
なので、何かをしようと思った時、一度チェーン店で働いてみたいという思いがあり、吉野家のアルバイトに応募しました。

店舗は、渋谷の109のそば。
地元にも吉野家はありましたが、渋谷に行きたかったのだと思います。

吉野家は実際に働く前に二日ほど研修が行われます。
その研修を私は他の2人の新人バイトの方と一緒に受けましたが、
私以外の二人は中国の方でした。

渋谷の店舗でも、日本語の話せる中国の方が働いていたので、あの当時からチェーン店やファストフード業界のバイトは海外の方が増えて行っていたのだと思います。

研修中、ある研修の内容を一人の中国の方は理解したのですが、もう一人がイマイチ理解できていなくて、教えてくださっていた吉野家の方が、理解できた中国の方に、「もう一人の人に中国語で説明してあげてくれる?」いうと、その方がわーーーと中国語を話しはじめて、しばらく二人で中国語で話して、じきに理解できていなかった方が、理解できたというジェスチャーをしたのが、とても記憶に残っています。

そんな感じで始めた吉野家のバイトでしたが、吉野家の中でもかなり混む店舗だったため、昼時などは大変でした。

当時、吉野家は伝票などを一切使っておらず、紙などに書いていませんでした。口頭のみです。
なので、カウンターの人間は、どのお客様が何を注文したのか牛丼が出てくるまで覚えていなければいけません。
メイド喫茶の記事でも触れているのですが、短期記憶が良くなかった私は、混雑加減も相まって、よく誰が何を注文したのかわからなくなっていました。

ただ、この店舗、私のいた時代の店長さんが本当にキレもので(吉野家の中でもかなりできる方だったのだそうな)、副店長さんも優しくて、職場環境的には悪くはなかったです。
私。お客様に勢い余って生卵をかけてしまったことなどもあるのですが、その時も怒られることもなく、すべて処理をしてくださいました。


牛丼がなくなる騒ぎに巻き込まれる


バイトを始めて2ヶ月経った時、BSEのため、アメリカからの輸入が中止となり、2月11日で牛丼の販売がなくなることが発表になりました。

そこから、2月11日まで、吉野家は大変なことになりました。
食べられなくなる牛丼を求めてお客様が殺到したのです。
混みすぎて、バックヤードでは洗い物のどんぶりが積み重なり、席は2階席もいっぱいに。牛丼はどんどん継ぎ足しで作り続けているような状況。
普段食べているお客様もいらっしゃいましたが、話題になったことで、この機会に一度吉野家というものを食べてみようという、普段吉野家に来ない層の方まで、たくさんのお客様がいらっしゃいました。
本当にあの時の吉野家の混み具合はすごかったです。しかも吉野家の中でも激混みする渋谷の店舗だったので本当にすごかった。

そんな貴重な体験をしましたが、私自身は2月、3月あたりにだんだん体調を崩すようになってしまいます。
この辺りの時期は、当時付き合っていたBMWさんに振り回されてもいましたし、色々起きてもいたので、その辺りの影響もあったのだろうなと思います。

朝、起きて仕事に行こうとするものの、駅まで行けても電車に乗れない。
そんなことが続き、私は店長に、自分が鬱っぽいことなど事情を話しました。
すると店長も副店長も、とても理解を示してくださり、責めるでもなく、とてもよくしてくださいました。
結局、4月から服飾の学校に行くこともあり、体調も完璧には戻らなかったため、吉野家はやめることとなりました。

結果、吉野家の物凄く忙しい時期に一瞬だけ、ピンポイントで勤めていたような感じでした。


吉野家で働いて知った吉野家活用法


みなさんご存知でしょうか。吉野家のご飯って美味しんです。なぜならば、吉野家はガスでご飯を炊いています。なので吉野家のご飯は美味しいです。

そして、吉野家にはその美味しいご飯のみを買いにくる方というのもいらっしゃいます。
使い方はお客様の自由です。
ご飯のみでもOKです。
私の働いていた店舗では、昼時に何人か分のご飯とサラダを毎日テイクアウトで買って行かれる方がいらっしゃいました。
会社の他の人の分も買いに来てらっしゃるのでしょう。
目から鱗でした。
そんな買い方をしてもいいのだと思いました。
私もその後、一人暮らしをした時などに、吉野家テイクアウトライスのみ、よく使わせていただきました。


吉野家時代の衝撃的な出来事

吉野家で働いていた時の衝撃的なエピソードとして、一度、薬物中毒のお客様が二人ずれでいらっしゃったことがありました。
もう、パッとみて、おかしいのがわかりました。二人でいるのに、会話をしているのに、目線があってない。異様な雰囲気でした。
普通に牛丼を食べてお会計をされたのだと思いますが、帰りがけにトイレを借りて行かれて、その後、店長か副店長に指示されてトイレの確認にいきました。
ひどかったです。トイレが尿で水浸しになっていました。

薬物中毒は本当にダメだと、よく啓発のポスターなどで書かれていますが、あれを見たら、誰しも薬物をやろうとは思わないと思います。それほど異常な感じでした。

あの時以外で、あれほどの薬物中毒の人を見たことはありません。
ある種貴重な体験でした。
薬物ダメ絶対。

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