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🎵音楽トリビア「カムカムエヴリバディと たんたんたぬき」

放映中のNHK朝ドラ「カムカムエヴリバディ」

ドラマに出てくる、平川 唯一ひらかわただいちは、実在の人物で、
日本放送協会NHKのアナウンサーであり、1946年(昭和21年)から
5年間、ラジオ番組「英語会話2」を担当し、人気を博した。
「カムカム英語」という別名で知られる。

「英語会話2」の主題歌「Come, Come, Everybody」は、
平川が作詞したが、童謡「証城寺の狸囃子」の替え歌である。

当時この替え歌が大ヒットし、君が代が歌えなくても、英語がわからなくても、みんなが歌えたということだ。

Come come everybody.
How do you do, and how are you?
Won’t you have some candy?
One and two and three, four, five.
Let’s all sing a happy song.
Sing trala la la la.

 ~ 替え歌とは言え、著作権が保護されていたら削除します~

元歌は、1925年(大正14年)の日本の童謡、「証城寺の狸囃子」しょうじょうじのたぬきばやし
作詞=野口雨情  作曲=中山晋平。
千葉県木更津市の證誠寺しょうじょうじに伝わる「狸囃子伝説」を元に作られた。
モデルになったお寺の名前と、童謡のタイトルは、漢字が異なる。

證 證 證城寺 證城寺の庭は
ツ ツ 月夜だ みんな出て 來い來い來い
おいらの友達ァ ぽんぽこぽんの ぽん
負けるな 負けるな 和尚さんに負けるな
來い 來い來い來い來い來い みんな出て 來い來い來い
證 證 證城寺 證城寺の萩は
ツ ツ 月夜に 花盛り
おいらは浮かれて ぽんぽこぽんの ぽん

           ~著作権失効~

秋のライン11月

たぬきと言えば、有名な?替え歌がある。
俗謡「たんたんたぬき」である。
「たんたんたぬきの〇〇は~~風もないのに~~」(地域により相違あり)
これは、たぶん前回の記事の歌ほど過激ではなく、子どもも楽しく?
歌っているはず😥

この歌のメロディーですが、よくテレビなどで聴きますよね?
あ、もちろん「たんたんたぬき~~」とは歌ってないですよ😂
ビックカメラ、大阪・カメラのナニワなど、いろいろなCMに使われています。

この曲、おおもとは、なんと賛美歌である。
1864年、アメリカの賛美歌「まもなくかなたの」
原題=Shall We Gather at the River?
日本には明治初期に導入され、「流水天にあり」という訳詞で歌われた。

それからだいぶ後の昭和12年、日本で、この賛美歌のメロディーの一部が、
煙草屋の娘」という流行歌に流用された。
この曲は、当時盛んに作られた、コミックソングナンセンスソングと呼ばれるジャンルの曲のひとつ。
「たんたんたぬき」、「ビックカメラのCMソング」とは、メロディーが少々異なる。

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開国後の明治時代、日本に西洋の音楽を取り入れるにあたり、明治12年、
音楽取調掛おんがくとりしらべがかりが文部省内に設けられた。
近代音楽と音楽教育の調査研究機関であり、後の東京芸術大学である。
因みに、マイトリ♪の母校はここ……ではない😓

この機関は、海外に行ったり外国から専門家を招いて、西洋の音楽を日本に導入していったのだが、賛美歌の一部は、明治8年より宣教師によって日本に伝えられていた。
まだ西洋風の音楽を作れる音楽家がいない時期、賛美歌は、西洋音楽を学ぶには手頃なお手本であったのだ。

パクった(盗用した)わけではないのだろうが、賛美歌と酷似した作品も、当時は多かった。
一例を挙げると、大正時代の童謡「シャボン玉
(作詞=野口雨情 作曲=中山晋平)は、
賛美歌「Jesus Loves Me, This I Know」(主われを愛す)を改変したものだと言われている。

シャボン玉飛んだ 屋根まで飛んだ
屋根まで飛んで こわれて消えた
シャボン玉消えた 飛ばずに消えた
産まれてすぐに こわれて消えた
風、風、吹くな シャボン玉飛ばそ

              ~著作権失効~

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また、もとはれっきとした賛美歌でありながら、日本では、
「賛美歌⇒唱歌⇒軍歌⇒童謡」と変遷した曲もある。
むすんでひらいて」であるが、これについては
以前の記事「むすんでひらいてって軍歌だったの?音楽トリビア」で述べている。

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昭和12年「煙草屋の娘」(3分35秒)をお聴きください。

ストーリーが愉快、最後の6番はふたりの掛け合いが絶妙です。

「たんたんたぬき(ビックカメラ)」のメロディーと比べてみてくださいね

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