💛上海故事～Shanghai Story～その３「鑑真号に乗船中、真冬の大型台風に遭遇した話＆巻末付録👻」

先日、たまたまNHKを見ていたら、唐招提寺の落慶法要の話だった。
奈良の唐招提寺は、奈良時代に中国・唐から来日した僧、鑑真和上が開いた私寺だった。
この度、国重要文化財の御影堂の保存修理が完了し、別施設に移していた鑑真和上坐像を約６年ぶりに安置し、６月５日に落慶法要、６・７日に特別拝観が行われた。

鑑真は唐（中国）の揚州の生まれ。
14歳で出家し、洛陽・長安で修行を積み、713年に故郷の大雲寺に戻り、江南第一の大師と称された。
天宝元年（742）、第９次遣唐使船で唐を訪れていた留学僧・栄叡、普照から、朝廷の「伝戒の師」としての招請を受け、渡日を決意。
その後、12年間に５回の渡航を試みて失敗、次第に視力を失うが、天平勝宝５年（753）、６回目にして遂に日本の地を踏む。
以後、76歳までの10年間のうち５年を東大寺で、残りの５年を唐招提寺で過ごされ、天皇を始めとする多くの人々に授戒。
その渡航の様子は、「東征伝絵巻」（重文）に描かれている。

　　　　　　　　　　　　～ネットより引用～

📌唐招提寺・鑑真についてもっと詳しく知りたい方は、ご面倒ですが、検索をお願いいたします🙏

神戸港、大阪南港と中国上海港を結ぶ、14,543トンの国際定期フェリーの名は鑑真号（現在は新鑑真）。
神戸・大阪から上海まで、2泊3日の旅である。

ずいぶん以前のこと、私はこの鑑真号に乗り、上海に行くことになる。
まず新幹線で、神戸か大阪に行かなければならなかった。
飛行機に乗れば2時間半ほどなのに、当時は飛行機に乗るのが怖かったので、船でしか行けなかった。泳げないし・・・😂
国内線は乗れるのに、国際線は乗れなかったという不思議。

乗り物という乗り物は、ディズニーランドの乗り物でさえみごとに酔うので、薬を飲むのは当然なのだが、たとえ大型船でも酔うかもしれないので、安心のため、貴賓室をとった。
部屋は、貴賓室・特別室・1等室・2等室・2等和室とあった。
現在の新鑑真の貴賓室は片道10万円だが、当時はもっと高かったような気がする。

そして話はなぜかいきなり1年後に飛ぶ滞在中のお話は「その１・２」で。
帰国の日は、12月の初めだった。
やはり鑑真号を予約したのだが、行きが快適で酔わなかったので、安い１等室にした。
この選択が悲劇のもととなる😥

もう一度言うが、１２月の初めだった。
出航時の天候などにはなんの問題もなく、時刻通り出航した。

上海港を出て、黄浦江～揚子江（長江）に。
その日のうちだったか翌日だったか、これも記憶にないのだが、突然来たのだ。
台風、それも大型の台風が・・・・。真冬なのに。
突然、鑑真号は停止し、錨を下した。

部屋の窓から外を見る。
長江の真ん中か端っこかわからないが、猛烈な雨に打たれる茶色い水が見えるだけ、陸も島も建物もな～んにも見えない。
状況説明のアナウンスでは、ここで天候が回復するまで停泊するが、沈む心配は全くないので、安心して過ごすようにとのことだった。
しかし、台風で海が大荒れなのである。
当然、大型であっても、錨をしっかりと下ろしていても船は揺れる。
それも、ゆ～～っくり大き～～く揺れる。
どれだけ揺れたか？？

学校の体育館より大きいホールでは、レストラン・売店、ゲームセンターもあった。
ゲームセンターのゲーム機、↓こういうのが何台もあった。

こういう機械は、１台１００キロ～１５０キロほどするらしい。
その重いゲーム機数台が、大きなホールの端から端へ、す～～～～っと、すべるように、何度も往復するのを見た。
スタッフの女の子たち（中国人）は、本気で泣き叫んでいた。
こんなことは初めて、怖い～降りたい～～、と。

その点、男性のスタッフたちは黙々と仕事をこなしていた。
食事担当のスタッフ、会計スタッフ、すべるゲーム機をホールの端で固定していたスタッフ、「お客さま、大丈夫ですか？」と声をかけて回るスタッフ。

しかし・・・・。
押し寄せる吐き気とめまい。
あまりのつらさに横にも縦にも斜めにもなれない。
当然、眠ることも。

ああ～なんで？
なんで行きと同じ貴賓室にしなかったの、わたし？？？
部屋から出て必死で階段を上がると貴賓室が見えてきた。
その階に上がれるのは、貴賓室に宿泊している人だけなので、その数段下の踊り場に座り込む。
下の階よりは、揺れがずっとマシなのだ。

🎵み～あ～げて～ごらん～～～きひん～～し～～つを～～～🎵

いや、歌っている余裕はなかった。
酔い止めを、持っていなかったのだ。
船医に言えば医薬品は貰えるのだが、そんな余裕さえない。
これはもう、生きて下船できるかどうかの大問題。
とは言え、吐き気とめまいだけで、重症とは言えなかったかもしれない。

死ぬような思いで約一日過ぎ、やっと長江はお静まりになった。

船は無事大阪港に着き、ATMでもう見ることがないかもしれないと思っていた日本円を引き出し、タクシーで新大阪に向かう。
ずいぶんと距離があったので、タクシーに乗る前に酔い止めを買うべきだった。
新大阪で新幹線のチケットを買い、無事帰宅した。

一年ぶりの日本は、どこか異国のように感じた。

さて、巻末のおまけのお話。
行きの貴賓室はなにごともなかったが、帰りの１等室で怪事が起きた。
久々の、金縛りであった。
まったく身体が動かない。
疲れているとか、気のせいではない。
すぐそばに何かの気配を感じた。
お経を唱えたかどうしたかはもう忘れたが、声も出せず、とにかく怖かった。
相手が外国人だったら、日本語でのお経は役に立たなかったと思うが。

この文を読んでもさほど怖さは伝わらないと思うが、質より量ということで、ついでにもうひとつ。

上海のマンションで、真夏にお昼寝をしていた時のこと。
半分が夢、半分は覚醒している状態。
これを「そんなはずない、寝てたんでしょ」と言う方も多いと思うが、
自分としては半覚醒という状態だったと断言できる。
ふと目が覚めてベッドの中から部屋をぐるっと眺めると、テーブルに菊の花があった。
あれ？　お花なんて置いた覚えはないのに？
白だったか黄色だったかは覚えていない。
しかも、お線香の匂いもした。
え？　夏だから蚊取り線香だったのではって？
いえいえ、全く違うお線香の匂いでした。
そしてお決まりの金縛り。

上海での金縛りはこの２回だけ。
日本でだけ起こる現象ではないらしい👻

そして、帰国後も何度も金縛りにあうが、神棚をお祀りしてから一度もないことに、今、気づいた（笑）
因果関係はわかりません🙏

🎀ヘッダー写真はネットよりお借りしました。
新鑑真と東方明珠電視塔、外灘が見えます🎀