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読者の質問に答えました!

 先日、ブログの読者から、以下の質問を受けました!

「仲里先生、おはようございます。最近嘉手納飛行場の倍率が60倍程度から5 6倍程度になっていますね。
懇意にしてる業者さんに伺っても、売行きが悪くなっていることが、理由だそうで、分析できていないそうです。
仲里先生は、嘉手納飛行場だけが、値を下げている理由をどうお考えですか?」
「仲里先生、嘉手納飛行場を手放す人が増えたのは何故なのでしょうか?」

特に、最近は、嘉手納飛行場の倍率の下落が目立ちます。値を下げている理由は、主に3つあります。

そもそも地主の数が多すぎる
沖縄県庁のオームページによると、古いデータですが、平成25年3月末現在で、嘉手納飛行場の地主数は11,450人。現在は、相続や売買などで、相当な地主数に膨れ上がっていることでしょう。

沖縄市、嘉手納町、うるま市、読谷村、恩納村にまたがる広大な面積の嘉手納弾薬庫地区でさえ、地主数は4,669人(平成25年3月末現在)ですから、その膨大な地主数は、容易に想像がつきます。

よって、売りに出される物件数も、他の施設より多くなることは必然です。経済の原則として、価格は、需要と供給のバランスで決まるので、以前より倍率が下がるのは、仕方がないかと思います。

銀行の融資が厳しくなった
これは、県外居住者に大きな影響を与えました。昨年の後半より、県内の金融機関は、県内に住民票を持たない、新規に借り入れを行う県外居住者に対し、軍用地の融資を厳しくしました。

それは、新規に関わらず、既に借り入れている県外居住者にも、融資は原則不可となりました。

その理由は、県外居住者に対する債権回収の手間と経費のリスクが増えたそうですが、それだけではありません。根底には、軍用地の県外流出を防止するためだと思います。加えて、軍用地の高騰化の懸念もあるようです。

沖縄県民より、所得の高い県外居住者に融資がストップすることで、県外流出がストップするかに見えた市場ですが、潤沢な現金を保有する県外投資家は、融資を利用せずに、殆どが現金購入します。

県外投資家は、現金購入を条件に、大口の軍用地を指値して、かっさらっていくのです。

したがって、銀行の融資が厳しくなると、融資を受けてまで軍用地を購入する人が少なくなるので、需要と供給の関係により、物件価格も下がっていくわけです。

地料の値上がり率により、軍用地の二極化が進んでいる

これは、2年以上前から、ブログやセミナーで何回も話していることです。私は、嘉手納飛行場の倍率は下がるから、今は、様子見しなさいと申してきました。軍用地サロン会員の方には、具体的な施設を示してきました。

地主の方は、既にご存じだと思いますが、毎年3月末の値上がり清算額の振込があった時に、地主会より賃借料一覧表が送られてきます。

そこには、施設別、支払種別に単価とアップ率が掲載されています。同じ嘉手納飛行場でも、アップ率は全く異なります。

嘉手納飛行場、嘉手納弾薬庫地区、牧港補給地区も、市町村が異なることから、地料のアップ率は、大きく違ってきます。

ですが、地料のアップ率が高いからと言って、私は、それをおススメしません。なぜなら、高いアップ率は、倍率に跳ね返ってくるからです。つまり、上昇率が高いと、それを買い求める投資家も多いので、倍率が上昇する訳です。本末転倒ですよね。

最後に
軍用地の倍率が下がって、買いやすくなって良かった!と喜んではいられません。

なぜなら、地主にとって、軍用地の資産価値が下がることを意味しているからです。

今後、嘉手納飛行場の取引倍率が下がってくると、いずれ銀行は、担保評価を下げざるを得ないからです。

例えば、銀行が嘉手納飛行場を借地料に対し50倍も融資しているにも関わらず、通常の市場取引において、50倍で売り買いされると、銀行は、自動的に担保評価を下げないと、債権回収リスクが増大します。

銀行が、軍用地に根抵当権を設定し、万が一、借主がローン返済を滞った場合、軍用地を至急売却するよう言ってきますし、下手をすれば、競売案件となってしまいます。

その債権回収リスクを減らすために、利息を上げたり、担保評価を厳しめにする訳です。

最後までご覧いただきありがとうございます。
出会いに感謝です!

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