お墓参りを趣味にしよう!〜お墓の賞レースを知っているか?〜
僕の趣味はお墓参りです。お笑いライブではほとんど喋ったことないですが、時折、ふらふらっと墓地に足を運びます。
お墓参りが趣味の人は、巷では墓マイラーと呼ばています。故人の方をまつる儀式と区別して、お墓”巡り”ともいわれます。
僕が好きなのは①外国人墓地と、②変わったお墓(とくにウケを狙ってるもの)です。親族のお墓は本籍地の田舎にあるのでなかなか行けないですね。
休日の過ごし方を聞かれてお墓参りというとよくぎょっとされます。お笑いの場でこの趣味を語ると不謹慎に映るので、noteで細心の注意を払いながら書いていこうと思います。
※お盆の時期に、お墓参りが楽しくなるように書こうと思ってたのですが、筆不精で1か月強遅れてしまいました。どうか、お盆気分で読んでいただければ幸いです。
桜の樹の下には死体が埋まっている
外国人墓地がかなり好きです。
とくに横浜の外国人墓地が観光地化されており、神奈川に住んでた頃は休日に足を運びました。春に訪れると、満開の桜と墓標のコントラストが壮観なのでおすすめです。
画質の悪い拾い画なので伝わりにくいかもですが。
この美しさと妖しさは何でしょう。実際に満開の桜の墓地に足を踏み入れたときは、見てはいけないものを目撃してしまったような背徳感と高揚感がありました。そして同時に、猛烈な癒しでもありました。ぜひ実際に行ってみて体験してほしい。
梶井基次郎ニキも言うように、桜の樹の下には死体が埋まっているのです。
ちなみにお墓と桜は密接に関係しているらしいんです。旧来、桜とつく地名はだいたい死体捨て場だったとか。古代の日本には、墓地に桜を植える理由や意味があったんじゃないか、と柳田国男ニキが書いていました。
そういえば平安時代の和歌で"どうせ死ぬなら満開の桜の中で死にて~"という内容の句があった気がします。西行ニキですね。
桜と死にまつわる日本固有の価値観が外国人墓地で感じられるなんて、いかにもダブスタで趣深いですね。
ウケ狙いのお墓はスベってても愛おしい
墓地に行くと、時々変わったお墓に出くわします。
(↑は発売時、プレステみたいな墓が出たぞ、とニュースになったお墓)
個性的なお墓は大好きです。最近では一般にデザイン墓石と呼ばれています。デザイン墓石は、故人の人となりを表すことのできる記念碑的な意味合いを持ちます。
デザイン墓石のなかでもとくに、故人がウケ狙いで建てたお墓は素晴らしい。墓地で偶然出くわすと奮い立ちます。ぼくはこういうお墓を珍しいお墓と書いて「珍墓(チンボ)」と呼んで愛でています。
(※不謹慎だと思われたくないので言い訳しておくと、お墓のヘンな部分を笑っているわけではありません。
ウケ狙い墓は、自身が死んだ後も墓参りする親族にしんみりしてほしくない、カラっとした笑顔でいてほしい、という極上のサービス精神が見て取れます。それに心が打たれるんです。
珍墓(チンボ)と呼んでる時点で不謹慎狩りまったなしなんですが。許してください。嫌な気持ちになった方はごめんなさい。以上、被害者しぐさ失礼しました。)
海外のものですが、以下サイトより参照。
ウケ狙い墓の例
「わたし(ジャクソン)の上に座っていいですよ」
「俺は病気だって言ったのに」
「ピラミッドが良かったな」
「私は妻に毒を盛られました。(中略)天国で彼女とは会わないだろう。むこうは絶対に地獄行きだからさ!」
「↓バカの墓」「←バカの隣にいます」
わかりやすいですね
ママのクッキーレシピしか書いてない尖り墓
縦読み。パワポケじゃないんだから。
DEADの形。絶対に死んだことを伝えたい人。
僕も「死」という形の墓に入りたいな。
あと前に話題になったんですが、墓石から故人の音声が流れるようになってるお墓ですね。動画を見てもらうとわかるんですが、めちゃくちゃウケている。理想です。
動画
https://youtu.be/oEygbbZK-u0
記事
https://www.excite.co.jp/news/article/Karapaia_52283607/
日本編
これは企業墓と呼ばれるものです。高度経済成長期からバブルの間、企業のために働いた人たちのお墓を建てるのが会社のステータスだったそうです。僕の友人に、ヤクルトに入社した男がいます。現在、会話の9割以上がヤクルトのことしか喋らなくなったんですが、彼はここに眠るのがふさわしいでしょう。
近代漫才の創始者、エンタツアチャコのアチャコ師匠のお墓。むちゃくちゃ落書きされてます。
墓碑に「らくがきは即ち良久加幾で好いこと長く更に活力を増すもの」と書いてある。なんと落書きOKのお墓なんです。バンクシーきてくれ。
さかなくん本体のお墓
※ちなみにお墓の画像は、お墓データ管理サイトFindaGraveで探せます。
ウケ狙いのお墓はいいものです。サービス精神ありすぎる。基本スベり知らずだし。スベっても死んでるから痛くないし。ぼくもやりたいですね。
このお墓はなんだ?
お墓をみていると、これはなんだ?と思うものも出てきます。
墓碑に刻まれた文字を読むと「彼は殺さなくていい者は殺さなかった」と書いてあります。
ん?じゃあ裏を返すと、殺す必要があるヤツは殺したのか?何やつなんだ!
↓
一通り調べてみると
墓の主は、クレー・アリソン(1840~1887)
アメリカ西部劇時代の伝説的なアウトローだそうです。
酒癖が悪く、拳銃を発砲しながら町中を駆け巡り、些細なことで殺人を繰り返した悪名高い荒くれものらしいです(Wikipediaより参照)。怖すぎ薬局。
しかし、実はよくよく調べると逮捕歴が一切ないらしい。
西部開拓時代の出来事、人物譚は何事も大げさに伝えられており、事実以上に悪党として伝えられたそうです。そう思って墓碑に刻まれた文字をみると、また違った印象を受けます。
こんな具合に、お墓からその人の生きざまを想像してみたり、考察したり調べたりするのも、お墓参りの醍醐味だと思います。
お墓は人生を要約する
故人が好きだったものをかたどったお墓は結構多いです。個性的なお墓を見ると、その人が何を好んだか、生業は何だったかなどわかるのです。
これは夢なんですが。いつか個性的なお墓を特集して、その人の人生にスポットライトを当てて深堀するっていう番組が見たいです。もしくは出たいです。ファミリーヒストリーみたいになると思うんですよ。BSかテレ東でみたいですね。
変わったお墓が観光名所の村
珍墓が観光名所になっているところがあります。
ルーマニアのサプンツァという小さな村です。いつか旅行に行きたいと思っているところです。
サプンツァ村のお墓は「世界一陽気な墓」と言われています。
サプンツァ村には、死が近付いてきたと感じた人は、自分の人生で起きた出来事を詩で表現して遺すという文化がありました。
1935年、スタン・イオン・パトラシュさんという方が、身近な人を失った喪失感を癒そうと、その人が残した詩を楽し気な絵とともにお墓に刻みました。これが陽気な墓のはじまりです。
人生や死因が絵に描いてあって分かりやすいのが特徴です。
以下のサイトから一部引用。サイトも面白いのでぜひご覧ください。
お墓で人生が分かる人たち
お墓には生業が書いてあります。なんとなく分かりますか?
①私はバーテンダーでした
②私は肉屋でした
③私は床屋でした(お墓ピース)
④私はデカすぎ先生でした
お墓で死因が分かる人たち
突然死した人は死因が書かれてるらしいです。
遺言の詩を残さなかったからでしょうか。
車にハネられた人
列車にハネられた人
首をハネられた人
「うまいこと言わんでええねん」をありがとうございます。この村、ミッドサマーみもあって怖いんですが、いつか見に行きたいですね。調べたら総額40万円ぐらいで旅行ツアーに参加できるみたいです。
お墓の賞レース
お墓の賞レースがあります。
全優石主催の「想いを込めたお墓デザインコンテスト」です。1995年からスタートしてる、由緒ある賞レースです。
デザイン性に加え、建立されたきっかけ、想いの丈などが審査基準のようです。しんみりするものもあれば、ほっこりするものも。
珍墓すぎると入賞しにくい傾向があります。
もし自分が死んだらこちらに応募してみようかな、と思っています。
https://www.zenyuseki.or.jp/about/grave_design_contest/
大珍墓時代がやってくると予測
3Dプリンタが発達して、もっと手軽に安価にデザイン性の高いお墓を建てられる時代が来ると僕はにらんでいます。世はまさに大珍墓時代。
キラキラネームが増えて、赤ちゃんが個性を遺憾なく発揮する時代ですから、死後もそのギラついた個性を遺すという人が増えると予測できます。お墓参りにハマるなら今です。
おまけ
デザイン墓石とは別ベクトルに進化しているものもあります。
なんと、スマホでお墓を建てるサービスが誕生しました。
スマ墓といわれるサービスで、指定した地点にスマホをかざすと、故人がAR(拡張現実)で浮かび上がるシステムです。
ポケモンGO感覚でじいちゃんに会えるなんて嬉しいじゃんね。間違ってモンスターボールを投げないように気をつけよう!
おわり。
身に覚えのない慰謝料にあてます。