『どうにもならない』 (短編恋愛小説)

「ごめんね」


やめてくれ。

そんな声聞きたくない。

違う。

違うんだ。

僕が聞きたかったのは









 


  彼女と出会ったのはとあるゲームだった。

夢を持って大学に入学したものの、理想と現実のギャップに着いていけず大学を中退した僕は、何も考えず社会の歯車になるのだけは嫌だという大変痛々しい気持ちを抱えたまま、結局フリーターとして毎日を無駄に消費していた。

高校時代の同級生の、大学生活が佳境に差し掛かっていることを嘆くツイートをなるべく見ないように画面をスクロールする。
本当は分かっていた。自分の考えはただの甘えだということも、夢は必ずしも叶うわけではないということも、何も考えず社会の歯車になったとしてもそこそこ楽しい毎日が待っていることも、全部分かっていた。分からないフリをして、目を閉じて、全てを見下して、歪にへりくだって生きていた。

そんな僕が現実からかけ離れたゲームの世界に入り浸るのに時間はかからなかった。よくあるバトルロワイヤルゲームだ。拾った銃で敵を殺し、最後の一人になったら勝ちというシンプルなゲーム。
現実では絶対にできないことを簡単に成し遂げられるその世界が、僕にとっての理想であり現実だった。

ゲーム内のフレンドと毎日朝方まで遊んでいた。その瞬間だけは、逃れられない現実や逃げてばかりの自分を忘れられた。


  そんな僕にも一丁前に恋人はいたが、付き合って4年になる恋人と僕の関係は冷めきっていた。
4年も一緒にいるのに分かり合えないことばかりが増えていく。分かり合えていた部分も分からなくなっていく。分かったと思い込んでいただけだった。
付き合ってから一度も欠かさなかった毎日のLINEも、「おはよう」と「おやすみ」という朝晩の挨拶だけになっていた。
それでも恋人は関係修復をしようとしてくれていた。何度かデートに誘われたが全て断った。
恋の終わりは突然じゃない。少しずつ霧がかかって、気が付いたら目の前が真っ白になっている。明確な理由なんてない。ただ、もうその霧が晴れないことを僕は知っていた。


  その日もいつものようにフレンドとゲームに勤しんでいた。僕含めて4人でチームを組み戦うチーム戦をしていたが、その内の1人が明日は早いんだと言い現実に帰ってしまった。3人では成り立たないので誰かもう1人呼ぼうとしていたところに、チーム内のフレンドが呼んできたのが彼女だった。

このゲームでは知らない人とチームを組んで遊ぶこともよくあることだったため、なんの驚きも違和感もなく4人でゲームに興じた。
彼女の腕は確かだった。下手したら僕より上手い。女性のプレイヤーももちろんいるが、ここまで上手い女性は初めてだった。ゲームを始めて1年、どっぷりとハマってしまったらしいがその結果がこの上手さなのだろう。
正確なエイムに冷静な立ち回り。格上の相手でも諦めず果敢に挑戦する姿。たとえ自分が1番キル数が高くても決してひけらかさず、まぐれだよと楽しそうに笑う声。
素敵な人だなと素直に思った。
その日のゲームは、なんだかいつもより楽しかった。

真っ暗だった外が薄暗くなり始め、街のガス灯は消え、静かな世界が騒がしくなってくる。世間の人達がさぁ今日も1日頑張るかと気合を入れる頃、僕らは解散した。
もうすぐ1月も終わりを迎えようとしているが、まだまだ冬の寒さが尾を引いている。さむいさむいと呟きながら冷えきった布団に入る。じわじわと体温で暖かくなっていく空間に気が休まり、瞼が重くなっていく。
ふと、彼女のことを思い出した。
下心なんて全くなかった。ただ、あまりの腕の良さに興味が湧いた。一体どれだけの数をこなせばあんなに上達するのだろう。
重くなってきた瞼に力を込め目を開く。スマホの画面が眩しくてクラクラする。何度も勝利へ導いてくれたお礼も兼ねて、ゲーム内の個人チャットから彼女へメッセージを送った。

「今日はありがとう!すごく上手でびっくりしたよ よければまた一緒にやろ!」

いくらゲームとはいえ相手は女性だ。下心があるキモイ男だと思われたくない。なるべく簡潔に、それでいて自然に誘いたい。
打っては消しを何度も繰り返し、考えているうちになんと言えばいいか分からなくなり、ええい!と勢いで送信した。

ふぅと一息つき、スマホを閉じて目を瞑る。このなんとも形容し難い幸福感は暖かい布団のせいだろう。


  それから、僕と彼女は急速に仲良くなった。彼女はとても気さくで飾らない人だった。自分より下手な僕ともしょっちゅう一緒に遊んでくれる優しい女性だった。

僕と彼女はとても馬が合った。特に共通点があるわけでも性格が似ているわけでもなかったが、彼女と話すのは心地よかった。

次第に2人で遊ぶことが多くなっていったが、僕たちの関係は特に変わらなかった。ただのゲーム仲間だ。彼女のよく使う武器も、苦手な立ち回りも、勝ったあとどんな風に喜んでどんな風に笑うかも知っていた。でも、彼女が普段何をしていて、何が好きで、どんな風に悲しんで、何をして幸せを感じるか、何も知らなかった。彼女のゲーム内の名前は知っていたが、本名は知らなかった。
だんだんとその事に寂しさを覚えるようになった。彼女のことをもっと知りたくなった。でもそれを聞く勇気を僕は持ち合わせていなかった。基本的にネットの世界にリアルの話を持ち込むことはよしとされていなかったし、それこそ素性の分からない男から根掘り葉掘り聞かれるのは嫌だろうと思い、好奇心と探究心を心の奥底にしまい込んでいた。


  その日僕は珍しく酒を飲んでいた。特段弱いわけでもないが強くもない。特有のふわふわとした気分に身を任せ、いつものように彼女と2人でゲームを楽しんでいた。

酒に酔っていて、という免罪符を使う人間は最低だ。本当に、最低だ。あの日の僕は最低だった。

「そろそろ寝ようか、もう朝になるし」
と彼女が眠そうな声で言う。

「そうだね」

「今日も楽しかった〜! やっぱり2人で遊ぶと楽しいね!」
彼女が声を弾ませて言う。

「うん、あのさ、」

「んー?」

「LINE教えてよ。僕ゲームの通知オフにしててチャットにすぐ気づけないし」

我ながら意味の分からない理由だ。そんなもの、通知をオンにすれば済む話なのだ。

「LINE?いいよぉ」
彼女はいともあっさりと間延びした声で了承してくれた。

僕はなんだか拍子抜けしてしまい、
「え?いいの?」
と思わず素っ頓狂な声で聞き返してしまった。

「いいよぉ。2人で話すの楽しいし。LINEならゲーム以外のことも話せるしね!」

トントン拍子で願っていたことが叶っていく現実に動揺しながら、僕は彼女とLINEを交換した。

酒に酔っていて、という免罪符を使う人間は最低だ。あの日の僕は最低だった。でも、僕はあの日の最低な僕にとても感謝している。


  LINEを交換しゲームの世界ではなく現実で彼女と話す度に、知りたかった彼女のことが少しずつ見えてきた。
とても素敵な名前であること、僕と同い年で現在は就活中の大学生であること、好きな食べ物はハンバーグで、嫌いな食べ物は基本的にはないこと、背は僕と同じくらいで、兄が1人いること、彼氏はおらず好きな人もいないこと、朝の目覚めは良い方で、小説を読むのが好きなこと。

彼女のことを知るのが嬉しかった。彼女にも僕を知ってほしかった。僕の質問に素直に答えてくれるのも、同じように僕に質問してくれるのも嬉しかった。
彼女との会話は弾む一方だったが、ふと訪れる沈黙も全く気にならなかった。彼女も同じ気持ちでいてくれているようで、気まずそうな素振りは見せなかった。

「ねぇ、そういえば」
突然彼女が聞いてくる。

「なに?」

「恋人いるんだっけ?あれ?これ前聞いたかな?」

「ううん、聞いてない。」

「やっぱり?」

「うん。」

「で、いるの?」

「いるよ。」

「えーっ!?いるんだ!!知らなかった!!付き合ってどのくらい?」

「4年かな。もうすぐ5年」

「5年!?長いねぇ…。すごいね、5年も付き合うなんて」

「まだ4年だよ。最近は全然会ったりしてないけどね。惰性で一緒にいる感じ」

「ふぅん。まぁそっか、それだけ長くいればそうなっちゃうのかぁ」

「うーん…どうだろ。まぁ別れるのは時間の問題かな」

ふぅんと言い、彼女はそういえばさぁと違う話をする。
彼女は僕に恋人がいても全く気にしなかった。こんなに頻繁に連絡をして大丈夫なのかという疑問は微塵も感じていないようだった。それに悪意が込められていなかったことは彼女の人柄から伝わってきた。

彼女はとても自由だった。彼女は彼女が好きな物を愛し、それだけに目を向けていた。良くも悪くも自分が楽しめることを優先した。僕は彼女のその愚かさすら感じる真っ直ぐさがとても羨ましく、

とても好きだった。


  彼女と出会ってから1ヶ月が経とうとしていた。寒さは段々と落ち着き、世界は春の空気を纏っていた。僕と彼女の関係も全く変わっていなかった。頻繁に電話をした。お互いのことを話し、聞き、それを心から楽しんだ。ただ僕の気持ちだけが少しずつ変わっていった。日に日に暖かさを増す空気に浮き足立ってしまったのだろうか。

僕は彼女に恋をしてしまった。

そんなはずはないと思っていた。ゲームで知り合い、まだ会ったこともない彼女を好きになるはずがないと。でも、否定すればするほど彼女への気持ちは大きくなり、ついには認めざるを得ないほどになっていた。


  「話したいことがあるんだけど近々会える?」
適当に夕食を済ませ、僕は恋人に連絡した。僕から誘うのは数ヶ月振りだった。

「会えるけど、話したいことって何?」
恋人からの返信は早かった。バイト中だと思っていたが、今日は休みなのだろうか。

「会って話した方がいいと思うんだけど」
と歯切れの悪い返事をする。

「いいよ。言って」

あぁ、彼女は全て察しているんだ。僕が何を言わんとしているのか分かっているんだ。その上で今聞きたいというなら、僕にはそれを止める権利も理由もない。

「別れたい」

思えばこの言葉を言うのはとても久しぶりだ。なんと言っていいか分からなかったが、ここで優しさを見せても逆に傷つけてしまうだろう。これ以上恋人を傷つけたくなかった。

「そっか。」という短い返信の後、すぐに
「どうして?」と送られてきた。

何も隠す気はなかった。振る時点で既に酷いことをしているんだ。ここで優しい嘘をつくなんていう残酷なことはできなかった。

「好きな人ができた」

「そっか。分かった。」

僕の約5年間の恋愛は拍子抜けするほどあっさりと終わりを告げた。
恋人のことだ、きっと嫌がり何があったのか聞いてくるだろうと思っていた。僕は恋人のことを何も知らなかった。何も思わなかったのか?どうしてあっさり受け入れてくれたんだ?聞きたいことはたくさんあったが、もう僕はそれを聞ける立場の人間じゃない。

僕の家の合鍵やお互いの家に置いてあった恋人のものをいつ渡すかという事務的なやりとりをしてLINEを終えた。

恋人のLINEに既読をつけたまま閉じるのは初めてだった。


  僕と彼女はLINEを交換してからも変わらず一緒にゲームをしていた。彼女以外のフレンドと遊ぶこともあったし、逆もまた然りだった。でも朝方まで遊ぶことはなくなった。夜中に切り上げて、そこから朝まで彼女と2人で話した。

僕は現実を忘れられるゲームが大好きだった。でも次第に、彼女と2人で話す現実の方が好きになっていた。

「そういえば」
と僕は話を切り出す。

「ん?」
と彼女が可愛らしい声で聞き返す。

「恋人と別れたよ」

「別れたの?」

「うん」

「へぇ  お疲れ様!ずっと迷ってたもんね」

「そうだね」

「悲しい?大丈夫?」

「いや、悲しいって言うか、………………」

「なに?」

「いや、まぁ、少しはね。でも全然大丈夫」


やっと君とちゃんと向き合えて嬉しいよ、という言葉を飲み込んだ。


  恋人と別れ、枷が全くなくなった僕は完全に暴走していた。これまでは彼女への気持ちを認めすらしていなかったのに、気づけば気持ちを隠すことすらしなくなっていた。僕にできる最大限のアピールをしていたつもりだったが、それでも彼女は僕の気持ちに気づいていなかった。もしかしたら気づいてはいたのかもしれないが、それを全く感じさせない態度に焦りを感じていた。

彼女はとても交友関係が広い人だった。男女関係なく友人が多く、全員と分け隔てなく仲良くできる愛想の良さを持ち合わせていた。ゲームでもリアルでも男性と遊ぶことも多く、僕はそれに嫉妬していた。LINEは毎日していたし、電話もほぼ毎日のようにしていた。それでも仲良くなればなるほど、もっともっとと欲が出てきてしまう。そんな自分の醜さが嫌いだった。彼女はそんな僕を見て「かわいいじゃん」と茶化しながら笑っていた。


  本当にそんなつもりはなかった。それだけは最後にちゃんと伝えようと思っていたのだ。それなのに、焦りと嫉妬から言ってしまった。

その日もいつものように夜更けに2人で話していた。その時既に僕は彼女のことが大好きだった。一挙手一投足、発する言葉も思考も、全てが愛しくてたまらなかった。

僕との会話で楽しそうに笑っている声で、ついに僕の気持ちは制御不能になった。

「好きだよ」

言ってしまった。本当に、思わずといった感じだった。言うつもりなんてなかったんだ。やってしまった。最悪だ。

「え?」
さっきまで無邪気に笑っていた彼女が突然真顔になったのが声色で分かる。

言ってしまったものは仕方ない。LINEのように送信取り消しなんてできない。もう、言うしかない。

「好きだよ。」
と、諦め半分勢い半分でもう一度口に出す。

「好き?」
と彼女が意味が分からないといった様子で聞き返してくる。

「うん。まだ知り合って数ヶ月だし会ったこともないけど、好きになっちゃったんだ。自分でもおかしいと思うけど、本当に好きだよ。」

「そっかぁ…」
納得したような答えが返ってきた。

「うん、だから、僕と付き合ってくれませんか?」

心臓が飛び出そうだった。今まで経験したことのないくらい鼓動が早かった。声が震えているのが自分でも分かり、なんて格好悪いんだと思った。

しばらくの沈黙の後、彼女は
「ごめん。今は付き合えない」
と言った。

「今は…?どうして?」
考えるより先に言葉が出ていた。「今は」という言葉に淡い期待を抱いてしまった。もしそれがぬか喜びなのであれば、さっさと真意を知っておいた方がいいだろう。

「今就活中で忙しくて…正直恋人のこととか考えられないな」
優しく、申し訳なさそうに彼女が言う。

「そっか。分かった。きっと僕はすぐには諦められないと思う。でも君とこれからも今まで通り仲良くしたいんだけど、どうかな」

「私はいいけど、いいの?」

「うん、僕はそうしたい。」

「分かった。じゃあ、今まで通りたくさん話そう!」

「うん。今まで通り」


  それから僕たちの関係は本当に今まで通りになった。まるであの日の会話が全て夢だったみたいに、何事もなく日々を過ごしていた。

僕たちはとても仲が良かった。衝突することもなく、足りないところを埋め合い、時には真面目な話もした。僕は彼女をとても信頼していたし、彼女は僕をとても好いてくれていた。

住んでいるところは割と近かったが、僕たちは会おうとしなかった。もちろんお互いに会いたい気持ちは抱えていたけれど、それを言葉にして実現することはなかった。僕たちはスマホ越しに会話することにひどく幸福を感じていた。それ以上を望むのが怖かった。もちろん僕はずっと彼女と恋人になりたいと思っていたが、それでも僕も会いたいとは言えなかった。


  彼女と出会ってから気づけば1年が経っていた。彼女と過ごした1年はとても早く、濃く、僕は本当に幸せだった。そしてその気持ちと裏腹にちゃんと付き合って恋人として好きだと伝えたい気持ちは膨れていく一方だった。

あれから何度も彼女に好きだと伝えた。その度に帰ってくる答えは「ありがとう」や「私も」など彼女の気分によって違っていた。

彼女はどこまでも自由な人だった。僕はそこが大好きだった。だが段々と、その自由さに縛られていく自分の気持ちに耐えられなくなっていった。


ある日、いつものように電話越しで
「好きだよ」
と言うと

彼女は
「私も好きだよ」
と答えた。


僕はもう限界だった。


「じゃあ付き合ってよ」

「何度も同じこと言っちゃうけど、今は付き合えないの ごめんね」


僕はもう我慢できなかった。


「なんで?好きなら付き合ってよ」

「じゃあもう好きって言わないようにするね」


僕はもう止まれなかった。


「そうじゃないじゃん。なんでそうなるの?」

「だって好きって言ったら付き合ってよって思うでしょ?それはできないから」


僕は本当はずっと辛かった。 


「なんだよそれ。そんなの勝手すぎじゃん」

「だからごめんねって もう言わないから」


僕は本当に彼女が好きなんだ。自由で真っ直ぐで自分に素直な彼女が好きなんだ。だからずっと、我慢していた。何度断られても、振り回されても、全てを受け入れた。


「そうじゃないだろ? そんなこと君が言うのは狡いよ」

「そうだね、ごめんね」 


違う。そうじゃない。

そうじゃないんだ。

ごめんねなんて、そんな悲しい声聞きたくないんだ。

違うんだ。

僕が聞きたかったのは



僕は











「君と付き合う気はない」って、ちゃんと振ってほしかったんだ。













 さむいさむいと呟きながら冷えきった布団に入る。もうすぐ1月も終わりを迎えようとしているが、まだまだ冬の寒さが尾を引いている。じわじわと体温で暖かくなっていく空間に気が休まり、瞼が重くなっていく。
ふと、彼女のことを思い出す。

あれから3年が経った。初めて喧嘩をしたあの日から、彼女とは連絡していない。たったあれだけで、と、今でも思う。たったあれだけで、壊れてしまった。僕の幸せな日々は終わってしまった。

僕は彼女のことが大好きだった。彼女の自由さが羨ましく、そこがたまらなく好きだった。

いつしか僕はそれが苦しくなった。自由に縛られて、身動きがとれなかった。

3年も経てば彼女への想いは消えた。新しい恋もした。あれからゲームはしていない。でも僕は未だに現実から逃げている。今度は、簡単にいつも違う世界に連れて行ってくれる小説にのめり込んだ。

僕にとって現実は苦しいものだ。でもそろそろ、現実を受け入れようと思う。








  「また小説買ったの?」

「うん!本屋さん行ったらすごく面白そうなの見つけちゃって」

「ふぅん。僕は活字苦手だからなぁ。」

「言ってたねー。でも面白いよ?1冊だけでも読んでみたら?」

「うーん…。じゃあおすすめ教えてよ」

「おすすめかぁ……。待ってて!探してくる!」

「いやそこまでしなくていいのに」

「待ってて!! だって、好きな人が自分の好きなものを好きになってくれたら嬉しいでしょ?」

「そうだね でも僕は絶対小説は好きにならないよ」

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