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読書メモ「豊田章男」

フランスでもトヨタ車は良く目にしますし、実はボクも乗っています。
同僚と話しても、トヨタはいい車だねと、二言目には帰ってきます。
かなり評価されているようですね。



そんなトヨタの社長、豊田章男社長の生き様や数々のエピソードが、この本にはドキュメントタッチに語られています。

大きなプレッシャーの中で、この社長が就任前から、そして就任以来、どんなふうに、難しい境遇の中で、どれほどの重大な決断をくだしてきたか。そこを垣間見ることができる本でした。

例えば、米国リコール対応、東日本大震災後の復興、新しい車づくりへの取り組みなど、裏話も含めて、克明に語られています。

東日本大震災後の復興と権限移譲

スピードが求められた復興の際には、権限移譲が重視されたようです。
具体的には、
特に上に報告もあげなくて良い。気になったらこちらから会議に入っていって、状況をつかまえるようにするから。
責任は上が全てとるから。

といったことが明確にトップから語られたようです。これって、なかなかすごいことですよね。
どうしても、組織で仕事をしている以上、責任をとる上司には状況を理解してもらうために説明する責任があるのが普通です。
だから、その上司への説明プロセスにはかなりの時間が求められるわけです。それをとっぱらうというのは、現場に近い部隊が無責任な決定をしないということを完全に信頼しているということです。

もっとクールに仕事をしている会社なのかなという、勝手な想像がありましたが、いやはや、こんなにも熱く、柔軟な会社なんですね。
というか、良い人材がちゃんと現場をカバーしているということなんでしょうね。

米国リコール問題

米国リコール問題を乗り越えるシーンでは、ものすごい重圧がかかったことがはかり知れます。
オーナー社長って、少し浮世離れしている一面があるような、勝手な想像をしていましたが、全くイメージが変わりました。

サラリーマン社長では到達できないような強い想いと行動力が、危機を乗り越える原動力となり、今のトヨタを作っているのだということを感じました。

新しい車づくりと協業

トヨタでは、単に売り上げなどの数字をよくすることがフォーカスされた時期があったということですが、それでは未来はない。

ということで、より良い車づくりをめざし続けているようです。

国内メーカとの協業を進めているエピソードでは、トヨタは上から目線になるからダメだったという過去を素直に認め、謙虚に教えを乞う姿勢をの重要性をトップが名言したらしいです。

こんなにライバル会社に素直に教えてくださいという形で、協業が進むものなんだということに、びっくりしました。

テストドライバー

社長という立場のほかに、豊田章男はテストドライバーでもある。このテストドライバーになるために、現場で揉まれたエピソードはすごい。

誰よりも商品のことを自分で感じ取れるところに身を置いている。

やはり現場を知っているから、発言に重みがあるし、社長としてではないキャラクターとして発信することもできるというのが面白いですね。

イチローとの対談

イチローとの対談では、負けた悔しさがあるからこそ負け嫌いなんだ。という言葉が印象的でした。
多くの逆境を乗り越えてきた姿が伺い知れます。

そして、イチローが、社長はもっと給料をもらってもいいんじゃないかというシーンがあるのですが、そこで、章男社長が、自動車会社というものは、一人で成り立っているものではないからと語っています。
社員やみんなのモチベーションをとても大切に考えていることがうかがえ、とても印象的でした。

まとめ

トヨタは日本の中でも大きな存在感のある会社で、この会社に何かあれば、日本としてダメージをおってしまうというレベルの大きな会社です。

このトヨタを引っ張っている社長は、どこぞの御曹司というイメージとはかけ離れており、ものすごくアクティヴで、真剣で、謙虚で、熱い人なんだということが伝わってきて、これからもますます目が離せなくなりました。

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