ちょっとズレてますよ
こういうロマンあふれる話が好き
地球が傾いていたとすればその歪の中で我々はどう生きていたのか
奇しくも傾いた後と前の生活に想いを馳せながら
就寝の床につく
地球は8400万年前に12度傾き、元に戻った
8600万年前から7900万年前にかけて地球は傾いて少し横倒しになり
また元に戻っていたことが最新の研究で明らかになった
当時の地球は今と比べて12度傾いていた
ニューヨーク市が現在のフロリダ州の位置に移動するくらいの傾きだ
地球の地殻は地球表面の重量分布によってそんなふうに動くことがある
ティラノサウルス・レックスやトリケラトプスが
歩きまわっていた白亜紀後期に
地球を宇宙から眺めることができたなら
地球全体がやや横倒しになっているように見えただろう
最新の研究によればおよそ8400万年前には
地球は今と比べて12度傾いていたという
「12度傾くということは、それと同じだけ緯度に影響を与えていただろう」
この論文の共著者であるダートマス大学の
地球生物学者サラ・スロツニックは話した
12度傾くとニューヨーク市はおおよそ現在の
フロリダ州タンパの位置に動くことになると彼女は続けた
地球をトリュフチョコレートだと想像してみてほしい
粘度の高い中心部を硬い外殻が包む球体だ
中心部では半固体のマントルが液体の外核を取り巻いている
トリュフの最上層つまり地球の地殻はパズルのように
ぴったり組み合わさったプレートに分かれている
大陸と海を乗せたそうしたプレートはマントルの上で
サーフィンをしているような状態だ
この最新研究では8600万年前から7900万年前に地殻とマントルが
地球外核の外縁に沿うように回転しまた元に戻っていたことがわかった
つまり地球全体が傾いたあと起き上がりこぼしのように元に戻ったという
古地磁気データと呼ばれるものを分析すれば何百万年も前に
どのプレートがどこに位置していたのかその全体像を知ることができる
2つのプレートの接合部にある溶岩が冷えると
その結果としてできた岩石の一部は磁性鉱物を含むものになる
この磁性鉱物の向きはその岩石が固まった時点での
地球の磁極の向きと一致している
その岩石を含むプレートが移動した後でも磁性鉱物の向きを調べれば
そうした天然の磁石が過去に地球上の
どこに存在していたのかを導き出すことができる
この研究ではイタリアで採取した大昔の石灰岩の磁気の向きを調べ
地球が傾いてまた元に戻るまでの期間に地殻が
100万年あたり約3度ずつ動いていたことを発見した
「これほど本格的な往復の動きが見つかるとは予想していなかった」
中国科学院の地球物理学者でスロツニックとともに論文を執筆した
ロス・ミッチェルはそう話した
地球を回転するコマのようなものだと考えると重量が均等に分布していれば
ぐらつくことなくきれいに回転するはずだ
だが重量がどちらか片側に移るとコマの重心が変化し
回転しながら重いほうへと傾くことになる
スロツニックによれば白亜紀後期における地球の質量分布の変化では
外核から地殻へ向かうマントル・プルームと呼ばれる高温岩体とマグマの上昇が重要な役割を果たした可能性があるという
だがミッチェルはプレートの変化によっても
地球の12度の傾きを説明できると言う
高温で密度の低い物質がマントルの奥深くから地殻へ向かって上昇し
低温で密度の高い物質が核に向かって沈んでいくと
プレートとプレートが衝突する可能性がある
するとその衝撃で一方のプレートが他方の下に沈み込む
白亜紀後期以前には太平洋プレート(約1億平方キロメートルあまりにわたって太平洋の下に広がる地球最大のプレート)が
北側で別のプレートの下に沈み込みつつあった
しかしおよそ8400万年前に太平洋プレートは
別の方向今度は西側にある別のプレートの下に沈み込み始めた
この変化は「地球のバランスを大きく変えた可能性がある」と
ミッチェルは言う
その後地球が傾きを反転させて元に戻ったことも
ミッチェルにすれば意外ではないという
「地球の外側の層はゴムバンドのような弾力的な動きをする。ちょっとした移動のあと弾かれたように元の状態に戻ったのだろう」
とミッチェルは述べている
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