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世の中の大半はどうでもいいで構成されている

誰もが羨むような経歴を経てきた
とても偉い人が話をしていた
厳密に言えば、このご時世なので
話をオンラインで発表した
ボクは当日時間が合わなかったので
後日アーカイブで動画を視聴することになった
その人はいつもは自信に満ち溢れた
キャリアに見合う堂々とした立ち回りをするのに
今回は少し違った
歯切れが悪く何かと「えーと」を連呼している
10分で軽く50回は言っている
合間に挟まる「えーと」で
話の内容が全く頭に入ってこない
まるで広告が付きまくった悪質なYouTubeみたいだ

突如の「えーと」のインフレで
話の内容が薄っぺらく感じてしまったので
Googleで「話すときにえーとが多い人」で検索する
これまた薄っぺらいビジネスハックと
似非心理学のいいとこ取りみたいな
サイトがヒットした
そのサイト曰く
「自信がない人の特徴」と書いてあった
何の根拠もないくせに妙に自信ありげな文体だ

心の中で妙なモヤモヤがプクリと湧いてきて
すぐパチンと弾けて消えた
「どうでもいい」
否定的な言葉を打ち消すには
無関心が一番である事は知っている
偉い人は
「えーとそれでは、
えーと私の話はえーと以上です」と言って
動画のシーケンスバーは右端まで到達した
ボクは右上のバツ印をクリックして
ブラウザを閉じた

誰かに文句を言ったり
自分は何もしていないのに
他人に不平不満を言ったりする事に
アラフォーになってからは断然辟易してる
何の解決もないし、誰も幸せにならない
うっぷん晴らしの以外のなにものでもない
そんなことしていたら
大事なものが擦り減ってしまう気がするんだ
いや、そんな無味無臭のカッコいいものじゃあない
訂正する
仕事柄、ボクは普通の人より少しだけ
理不尽な感情を所有している人を見る機会が多い
毎度、毎度思っているんだ
ああいう老害にだけにはなりたくないんだと

時代的にも怒りが可視化されやすくなって
TwitterもヤフコメもNewsPicksも
どこかで誰かが怒ってる
挙句に「あいつよりはマシ」と
どこかで安心したいんだ
圧倒的な評価経済の中にある相対主義は
とても残酷だ
ルサンチマンが世に溢れて
価値顛倒が日々繰り返されている
次は誰が標的だ?後ろの正面誰だ?

かといってボクにも
ジェラシーともエンヴィーともとれる
嫉妬はあるんだ
生まれもって裕福で恵まれた環境にいる人間よりも
底辺から這い上がり裕福になった人間を見る方が
辛い
到底手の届かないサラブレットの血筋を妬むことは
どうしようもない現実の上に
ボクにまったく非がないので
清々しいほど諦めがつく
それに比べてボクと同じ場所から
這い上がった人間は
ボクが出来なかった努力やボクの不甲斐なさを
まざまざと見せつけられる
だからと言って今から努力を始めるだとか、
諦めた夢を再度追いかけるとか
今さらどうしようもないし、億劫だ

年齢とか、環境とか、家族とか、貯金とか言い訳になるモノが多すぎて
言い訳をしないほうが正直難しい状況で
変なプライドだとか、負けん気なんてものは
マクドナルドのゴミ箱に捨てた
あのゴミ箱って
バイトしている人なら知っている話だけど
「サンキューボックス」といって
ゴミをきちんと捨ていただき
サンキューということらしい
いらなくなったものを捨てるだけで
サンキューなのはコスパが良い
あの四角い鉄の箱は
「燃える・プラスチック・飲み残し」が
綺麗に分別できるようになっている
セカイのマクドナルドはリサイクルにも本気だ
グレタさんも裸足で逃げ出すほどの
グリーンウォッシュだ
ボクのプライドとやらは飲み残しに入れた
最後まで貫きとおすことが出来なかったからだ
リサイクルされて
誰かのサンキューになってくれれば本望だ

いま振り返っても
何を誇りにしていたかなんて
ボンヤリとしか思い出せない
初めて仕事で成功したことや、
趣味に没頭したことだとか
極めて些末なことだったような気もする
noteを1,000日連続で投稿したこと?
たかが1,000日じゃ毎日ラジオ体操を
何年も継続している人には敵わない
そもそも回数なのか、継続なのか
継続は力なりと昔から言われる

これまでに転職というものを2回した
こういうのは回数で推しはかるものでもないけれど
一つの会社を勤め上げる胆力を
ボクは持ち合わせていなかったし
会社に人生を捧げる忠誠心もなかった
所謂社会人版のバツ2だ
よく言えば身軽なジョブホッパーとも
言えるのだろうが
信念があってジョブをホップしていればいいのだが
もちろん信念軸があるわけでもない
人として軸がぶれている
石の上にも3年と昔から言われる

さっきから物量ばかりで
質の話が出てこないじゃないか

いつかやめよう、やめようと思いながら
数十年の驚くべき継続力を発揮してる煙草を
社内喫煙所で吸っていたら
同僚に「ウチの会社ヤバいかもね」と
不安感だけ煽られる言葉を囁かれた
ああ、でもうん、でもない中間の曖昧な返事をした
そんな話題で騒げるほどボクたちは若くないぜ
しがみついて逃げ切れるほど老いてもいないぜ

そういえば電子タバコに切り替えてから
咥え煙草が出来なくなった
残念だなあれカッコいいのに


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