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あれ、やさしい上司はいらない

優しさって、人がもちうる最高の才能だとおもう。

優しい上司や、優しい先輩に今までたくさん恵まれてきた。

初めての顔合わせの日、人当たりの良さそうなその人が上司であるというだけで、これからの日々が明るいものだと思える。

優しい上司や先輩と過ごす日々が続く。

いつでも、ニコニコ。ミスをしても、怒ったりしない。優しく大丈夫だよと言ってくれる。

そうして、目撃する。

どんなことでも、「いいよ、大丈夫だよ」と言ってくれていた包容力のある上司が、

裏で今回の仕事の遅れは新人(私)のせいだとお客様に報告していたこと。

いつでも明るく優しい先輩が、お局さんが、私に対してキツくあたってきたときにそっと無視したこと。

私の前では、私に対してそうだよね〜と言い、お局さんの前では、もっともっとそうですよね〜!と同調していたこと。

誰にでもニコニコしてる人って、本当に誰に対してもいつでもニコニコしている。

私に対して優しい人は、私に対して理不尽なことをしてくる人にも優しい。

むしろ、私に対して優しい人は、権力のある人に対してはとてつもなく優しい。

私は、今まで優しい上司や先輩に守ってもらったことはない。

むしろ、とっつきにくいと思っていた上司や先輩の方が、いざというとき、どんな理不尽や権力も恐れず、周囲をはねのけて、私を徹底的に守ってくれた。

そして、私のためになる助言をたくさんしてくれたり、教えてくれたりもする。

あのやさしい上司の、先輩の、優しさは私に向けられたものじゃない。

あの優しさは、自分のための優しさ。

自分を守るための優しさ。

あれは、優しさじゃない。

ただ、自分だって、その見せかけの優しさに、甘えた部分もたくさんあるから、一方的に否定することはできない。

成長も信頼もない関係。

誰も不幸にはならないかもしれないけど、誰も幸せにもならない世界。

やっぱり、私はやさしい上司はいらない。

ヒステリーな上司とか理不尽な上司とか、パフォーマンスにもパーソナリティにも問題しかない上司はもっといらんけどな。

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