アート×福祉のビジネスをどう作るか?
営業企画コンサル かわっちゃんです。
障害者福祉施設でアートをしてきた話をします。
3年以上、障害者福祉施設でアートセラピーをさせていただいています。 この一年は個別支援にも応用させて頂いたりしました。
アートと福祉は相性が良いと僕は思っています。現場も少なからずそう思っていて、利用者もそう感じていて、やりたい人は多いと思います。
しかしアートがビジネスにどう結び付けていけばいいのかわからず、ただの娯楽や余暇になっていたりします。そして福祉と相性が良いというのも、アートはそうした余暇としての位置づけをされていたりします。
僕の感じだと、余暇、で良くて。娯楽でもよいと思っています。しかし間違いなのは、それが、非生産的であり直接的に役に立ちにくいものである、という考えと、それに従った支援や活動の考え方になっていたりすることです。どちらかというと暗黙の考えというか、良いものというのはわかっているけどどう扱ったらいいのかわからない、というのがアートの位置づけではないでしょうか?
つまり創造性・癒しなどの価値はあるけど、それをどう企業文化や社会環境の中で扱ったらいいのかわからない、というのが現状ではないでしょうか?
これは別に福祉に限った話ではなく、一般的に日本では、アートはそうした性質のもの、余暇、癒し、直感、想像性、創造力、みたいなところで、生産性に直接結びつかず、技能としてはとらえられるものの、価値があまり上手に活用されていない、という点にあります。これは、学校教育が「自分の想いを形にする、表現する」ということに、あまり価値を置いてきていなかったことに起因したりしています。つまりセルフプロデュースをする才能を思い切り使わせてこなかった「過去や現在認められた情報を事実として報告する、なぞる」ことを上手に出来るようにする教育に起因してもいます。それがコモンセンス、常識の通りである、という文化を作ってきていると僕は思います。
「常識の通りである」文化、を全うしてきた現代日本の文化環境は、個別の課題ではなく、全体の課題にフォーカスする建前の文化です。
ですから、アートといった個人の癒しや想像力・創造性と自己表現、つまりセルフプロデュースへの道は、実は真の意味で全く理解されていないのに(例えば個人事業主がたくさん増えているのに、アートをしているかと言えば決してそうではないという事実)、なぜか福祉という全体の課題をフォーカスする領域においては、仲が良かったりするのです。なぜでしょうか?
それは福祉の利用者にとっての、気晴らし・価値転換をもたらしたり、忙しい支援者の手が離れて支援者が別の時間が作れる、利用者の興味をひくアイキャッチとして有効(楽しそう!とかいうこと)等というのが、施設側からしたら現実的にメリットとしてあります。そして実際に利用者が喜びや癒えた表情になると、支援も更にしやすくなるというメリットが起き続けます。
僕はここからが本当の課題、必要な支援なんだと思うのです。
そしてこれがアートと福祉を本当に結びつけるビジネスになるものと思っています。
福祉施設において最も重要な文書があります。それは利用者の「個別支援計画書」です。これに基づき利用者は目標といくつかの段階において計画的に支援を受け、かつ評価をともにし、支援内容が充実していき、社会へ巣立つ道筋を得ていく。会社で言えば部門やチームが立てる当年4半期別の実行計画書みたいなものです。これを利用者一人ひとりにしています。めっちゃ大事なやつです。
これに基づいた支援サポートから組み立てられた癒しのアート体験にするのか、しないのか、実はでは大きく違います。
僕が考えるに、福祉施設側からアートセラピーで請け負っている人は単価がびっくりするほど安いと聞きます。中には無料のボランティアでやっています。
なぜでしょうか?
僕はこの個別支援計画に何も関わっていないから、だと思っています。つまりアートはしに来ているけど、施設の活動の当事者ではない、という立ち位置にいることに、実はアートの先生たちは気付いていないかも知れません。
実は福祉施設から見た、アートの先生が出来ることや利便性とアートの先生がやってあげたいことが一致しているように見えるのですが、実は相当ずれていて、相性は建前上良いのですが、実は目指す概念が一致しているかのように見えてしまうだけに、ビジネスとしては実は成立しにくい、と感じています。
これが福祉のアートのビジネス化が出来そうなのに、しにくい理由の本質的な課題だと思います。
僕は1点。この課題解決として。
セルフプロデュース、という点で繋がるべきだと思っています。
自己肯定感を強めなくてもいいので、自己否定感に悩まされなくていい環境をいかにつくるか?だと思っています。
つまり自分のことを自分で話す、表現する、繋がる、が出来るという、大きな支援計画で繋がるのがよいと思うのです。
個別支援計画のもっとうえ、なぜ、施設を計画したのか?なぜその福祉活動をしているのか?その計画から入る、ということです。
僕はそうしたうえで、障害者ビジネスの事業プロデュースをしていきたいと考えています。
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