桂皮(シナモンの樹皮)採取と持続可能な開発
世界にはたくさんの種類のスパイス、香辛料が存在しています。その昔、冷蔵庫などがない時代に殺菌効果に優れたそれらのスパイスは重宝され、通過と同じくらいの価値を持っていたスパイスもあったのだとか。現在では、そういった保存効果の他にも香りのリラックス効果や香りの活用など私たちの生活になくてはならないものになっています。では、そんなスパイスがどのような形で生産されているのか考えたことはありますか?今回はシナモンを例に取って、生産現場の様子をお伝えしていきたいと思います。
1. 世界2大シナモン品種「カシア」と「」セイロン
シナモンの主な産地は、インドネシア、中国、ベトナムの参加国で、それぞれ主に現在世界で流通している2大品種「カシア種」(チャイニーズシナモン)と「セイロン種」が生産されています。一般的にシナモンといえば上記のうち「セイロンシナモン」を指す場合が多いのですが、市場に出回っているシナモンの多くが実は「カシア種」だと言われています。この2種類を並べて香りを比べてみればその違いは一目瞭然です。セイロンシナモンの香りは、カシア種に比べるとより繊細で、まろやかで品のある香りと評されています。一方カシア種はというと、どっしりとした甘い芳醇なフレーバーがあります。セイロン種はカシア種に比べて価格が2倍以上するため、多くの人たちはカシア種の味しか知らずセイロンの味を知ると感動するのだそう。
2. 古くから変わらないシナモンの採集方法
シナモンは木の皮が原料となっており、その皮をスティック状に巻いて乾燥させたのちに私たちがよく知っている形に変化します。木が特定されたら、鋭利なナイフまたは「シナモンスクレーパー」と呼ばれる特別な道具を使用して樹皮を慎重に取り除きます。
樹皮を剥がした後、数日間天日で乾燥させます。 これにより、樹皮が丸まり、私たちがよく知っている特徴的なシナモンスティックが形成されます。 樹皮が乾燥したら、厚さ、色、香りに基づいてさまざまなグレードに分類されます。
プロセスの次のステップは、シナモンスティックを細かい粉末に粉砕することです。 これは通常、乳鉢と乳棒、または「シナモングラインダー」と呼ばれる特別な機械を使用して行われます。 その後、粉末は包装されて消費者に販売されるか、さまざまなレシピに使用されます。
3. 継続可能な収穫と生産のサイクル
先ほどお話しした伝統的なシナモンの桂皮最終では、外側の皮を剥ぎ取ってしまうため、同じ木から連続で最終することができません。また収穫の途中に幹を極端に痛めつけてしまうことで、木の健康状態にも影響が出てしまうことがあります。利益だけを求めて次から次へと経費を採集し、木がダメになれば伐採してしまうといった悪循環を生み出さないためにも、桂gui
では、シナモンの木の皮は収穫せず、硬くなった成熟した葉のみを収穫しています。
新芽は香りがまだそこまで強くない点と、木の成長に関わってくる光を吸収する役割があることから収穫はしません。こうすることで、定期的に収穫できる成熟した葉が出来上がり、木にも負担のない形で葉を回収することができるのです。
4. 台湾シナモンに対する桂guiのポリシー
桂guiには、台湾シナモンを取り扱っていく上で主に4つの大きな指標があります。
1つ目は、植林事業に関して、環境に負荷の少ない方法を採用していくと言う点。台湾シナモンを増やしていくことで、森やそのエリアの人々に対して不都合のないように、自然農法を有効活用して管理を行なっています。
2つ目は、食育と農業の結び付けを再認識してもらう機会を作ること。台湾では、まだ日本ほど食育という考えがポピュラーではありません。自分たちが毎日口に入れているものがどのように生産され、またどのように加工されて食卓まで届くのか。森に生えている何の変哲もないただの木の葉っぱ、それがあんなにも美味しいシナモンロールになるなんて、それを知ってもらうことも私たちの使命の一つだと考えています。
3つ目は、雇用機会の創出です。これはどの国でも同じことが言えるのかもしれませんが、台湾でも地方の農村では若い人材の流出が非常に顕著です。農業は大変な割にリスクも大きく、生産したからといって仕入れ先が保証されているわけでもない、そのような理由から農家の若者たちは農業を引き継ぐのを拒み都市へ出ます。ですが、私たちは台湾シナモンのように経済価値を見込める食材の価値をより高めることで、若者たちに再度農業へ興味を持ってもらえるようにしたいと考えています。ベテランの農家さんたちと若者が共に働き、台湾の農作物の価値をどんどんタケめていきたいと思います。
4つ目は、本日お話しした生産方法についてです。継続可能な生産と収穫、そして安定した出荷が可能になれば、より多くの農民の方々が台湾シナモンの生産に同意してくるでしょう。桂guiの理念の一つに持続可能な開発と生産というものがあります。通常の木の幹を切り開いて皮を採集する方法ではなく、大きく育った葉のみを採集することで、葉の成長に合わせた採集サイクルを確立することができます。
まとめ
生産者にも環境保護と生産活動を両立させていく義務があると私たちは考えています。今後も植林を行いつつ、環境に負荷のかからないような採集と生産を行っていきます。ぜひ応援のほどよろしくお願いいたします。
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