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デリヘルの闇について皆に伝えたい⑧


時計は4時を回った

違う意味の好奇心の方が大きくなっていた

それは…何が目的なのか

候補はいくつかあるが、最悪の結果を排除してしまうのが人間の欠点だ

ひょっとしたら当欠の子が続出して、スケジュールが押しに押しまくっているのかもしれない

店は売り上げが立たないと潰れてしまう、世間知らずのアヤカは疲れているのにも関わらず店の期待に応えるべく一生懸命に性欲処理に励んでいるのかもしれない

希望的観測に囚われそうになったが

ご対面したアヤカからたくさんの精液の匂いがして、既に使用済み感が出ているかも知れないと考えていると

頭の中が整理されクリアになった


「キャンセルしよう」


こんなイライラした気分で気持ちよく発射できるわけないし

そもそも目的はあやかをセフレにするためだ


「範馬様、お世話になっております。いかがされましたか?」
「待ってみたけど来ないし。夜用事があるから、申し訳ないけどキャンセルするわ」

こちらに全く非はないのだが、申し訳ない気分だ

「キャンセルですが。わかりました。それではキャンセル料としまして、お客様は70分コースなので…15000円になります。近くにドライバーが取りに伺いますのでしばらくお待ちください」

頭の血が急速沸騰し、輩みたいな言葉が飛び出しそうになる気持ちをグッと抑え、舌の神経に集中して、深呼吸しながら言葉を絞り出した

「ど、どういうことかな」
「は?キャンセルがご希望ということですよね。キャンセル料が発生しますので、とりに伺います」
「キャンセル料ってどういうことか聞いてるんだよ」

言葉を震わせて発さないと、怒鳴ってしまいそうだ

「うちはチェンジ・キャンセルは有料となってます」
「そんな説明聞いてないけど」
「HPの料金案内に書かれてますよ」

耳からスマホを離し、画面の料金表を確認する


注意しないと認識できないサイズで

確かに

※チェンジ・キャンセルは有料となります

と書かれていた

これがこいつらの手口か…

わざとに遅刻している理由も納得がいった


「あやかさんは人気の子ですので、大変申し訳ありませんがキャンセル料はプレイ時間と相当の料金となっております。いかがいたしますか?」

「最初は1時間後の案内って言われて、すでに3時間以上待ってるんだけど。いつになったら到着するんだよ。いっこうに来ないからキャンセルしたいって言ってるんだけど。それでもキャンセル料払わなきゃいけないの」

こいつらはクレームに慣れている。いくら言ったところで折れないのはわかっていた

「申し訳ありません。キャンセル料はいただくシステムになっています。到着が遅れていることも深くお詫びいたします」

プレイ時間と同じ料金ならキャンセルする理由は無くなった

「じゃあ何分後に到着するか、はっきり言ってもらえるかな。30分後なのか、1時間後なのか、こっちも予定があるから、はっきりしてもらわないと困るんだわ」

「少しお待ちください」

スマホの向こうで、どんな面してるのかなと想像するだけで血管が切れそうになった

まあいい、本気モードであやかをセフレにしてやる。それで、今回のイラつきはチャラにしてやる

「今ドライバーに確認したところ、20分以内に必ず到着すると確認が取れました」

「わかった。じゃあ、待つから必ず20分後に着くように手配してもらえるかな」

「かしこまりました」

複雑な想いを思い切って飲み込み、スマホの通話ボタンを切った

なんだこの展開は…と

喉元から逆流してくる飲み込んだ疑問を時間をかけてゆっくりと咀嚼した

まあいい、これで思いっきり遊ぶモードに振り切ることができた

そして20分後


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