犬とパソコン__2_

書く → どうやって?

さて、ひと言に小説を書くと言ってもどうしたらいいのだろう…?
勝手の解らない子どもは悩んだ

とりあえず原稿用紙を用意して、学校の授業の「作文」のように、タイトルと名前を書いて書き始める…のだろうと考えた

名前? もちろんそれはP.N.だろう

なんでも格好からのわたしはお小遣いを握りしめ、とりあえず自分の町で一番大きい文房具店で、学校の先生が持っているような量の、500枚で梱包されている原稿用紙を買った。ついでに、その原稿用紙のために「特別」なペンも買った

そしてペンネーム…書くまでにいろいろ時間を要する
別に書き上げてから名前を書いてもいいのに、学校の授業でするように、タイトルを書いて、名前を書きたかったわたしは、作家としての名前を考える作業を優先した。今考えてみれば、小説を書くという行為よりもそれまでの過程を楽しんでいたようにも思う。まぁあの頃はそれでよかった。それが楽しかったのだ

加えて言うと、束になった原稿用紙を前に、書いては丸め、丸めては後ろに放る…ということもやってみたかった。テレビや漫画で見るわたしの知っている小説家のように…(笑)子どもの仕事だ

最初に書いたモノは、10枚にも満たない物語だったように思う。ハートの形をした島に親友同士の女の子が流れ着いて、先住民である意地悪な女の子に仲を裂かれそうになる…といった内容だった気がするが、この記憶が正しいかは不明

この頃はまだ無名(名前が無いの意)で、作文のように、タイトルの隣に名前を書くことはしなかった。そしてこの当時は、自分の名前(本名)が好きではなかった

自己満足なその原稿は、色画用紙で挟み、ホチキスで止めて、表紙に絵を描いた。そして、身の程知らずにも裏表紙には「¥250」と書いて、幼馴染みに売ったのだ。小学校4年生…だったと思う
今考えるとなんて厚かましいガキなんだろうと思う

そのあとは、満足したのか、500枚に少し足りない原稿用紙は出番を失った。このあと、何故かルーズリーフに名前を書くだけの名簿作成に夢中になったからだ

かくしてわたしは、P.N.が決まらないまま、その原稿用紙の束もまっさらなまま1、2年経ち、いきなり250枚を要する大作に挑むのだ

いつもお読みいただきありがとうございます とにかく今は、やり遂げることを目標にしています ご意見、ご感想などいただけましたら幸いです