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連載『オスカルな女たち』

《 織姫と彦星 》・・・7

「どなたがつけられたのですか?」
「名前? 多分、おばあちゃん…」
 本当のところは定かではない。だが、今の織瀬(おりせ)はそう信じている。
「織姫…から来てるんですかね?」
「そうみたいね、7月生まれだから。…と言っても、月末だけど」
「気に入らないですか?」
「そうじゃないけど…意味合いがね。織瀬の『瀬』って、浅瀬とか潮瀬とか使われるほかにね〈出会い〉とか〈場所〉っていう意味があるんだって。でも、織姫と彦星は1年に1回しか会えないじゃない? だから、きちんと逢瀬を重ねられるように、想い人にいつでも愛されるようにって」
 そう言って改めて「皮肉な名前」だと思う。
「素敵ですね」
「そう? 名前負けしちゃった感じ。それに『逢瀬』っていうと、ちょっとなんだし…」
「ロマンチックじゃないですか」
「いい方だよね」
(でも、現実は…)
「人の出会いって、うまくいかないね」
「オレは、織瀬さんに会えてよかったですよ」
「またそういう…」
 恨めしそうに細目で見る。

*初めから読み返したい方はこちらからどうぞ( *´艸`)

いつもお読みいただきありがとうございます とにかく今は、やり遂げることを目標にしています ご意見、ご感想などいただけましたら幸いです