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連載『オスカルな女たち』

     《 エピローグ 》・・・1


 赤ちゃんの泣き声が「おぎゃぁ」だと、だれが最初に言ったのだろう。

「まったく、人騒がせな夫婦だよ…!」
 店に着いてそうそうからぶつくさと口元は歪み、席に着くなりため息を落として憮然とした態度を崩さない真実(まこと)に、
「まぁまぁ…。それで丸く収まったのならよかったじゃないの」
 そう言ってワイングラスを真実のジョッキに合わせるつかさ。
 いつもの『kyss(シュス)』で珍しくカウンター席に座っているのは、つかさを真ん中に、この場にいない玲(あきら)に「言いたいことが山ほどある」と頬杖を突き不貞腐れる真実と、それを受けて苦笑いの織瀬(おりせ)の3人だった。
「一時はどうなることかと思ったけど、結婚までこぎつけたんだから」
 なにがあったのかは知らないが、玲の思惑通り娘の羽子(わこ)の入院は夫〈泰英(やすひで)〉にとってはいい薬になったようだ。当の羽子の方も、さすがに入院を宣告されてはおとなしくせざるを得ないというところで、担当医である真実の母〈操(みさお)〉の言うことにも素直に応じているということだ。
「そりゃ、そうだけど…」
 ジョッキを大きく傾け、喉を鳴らしてビール流し込む真実は、それでもまだ納得がいかないといった様子だ。



*初めから読み返したい方はこちらからどうぞ( *´艸`)

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