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いつもどちらかで悩んだ

写真は最近作ったスープスパゲティです。パスタ用の深いお皿がないから美味しそうに見えないのが残念ですが…


わたしが学生だった頃、通学先の最寄り駅前には有名な大手デパートが2店舗…駅側と、道路を挟んだ向こう側に建っておりました。高校時代はそうそうデパートで買い物するようなこともなかったけれど、短大になってからはコスメや靴、財布など、年頃になれば婦人服売り場でスーツ、彼ができれば紳士服売り場で小物や身の回りの物…と、まぁだいたい1階から上に攻めていく感じ? 
大人の階段昇る~♬…なんて歌や言葉の通り、成長につれ利用階数も上がっていった

高卒でそのデパートに勤められることは結構な栄誉だった。高校時代のクラスメイトがいれば、敷居もなんとなく目減りする。ブランド物に憧れもあったけれど、高給取りの彼氏でもいなければいつでもそこで買い物ができるというわけじゃなかった

今はどちらのデパートもなくなってしまったけれど、だいたいデパートっていうのは最上階がレストラン街で、そこに年齢制限はない。いや、デパート自体に年齢制限があったわけじゃないけれど、なんとなく、敷居が高い感じがしたのよね、田舎娘には(一一")


さて、レストラン街ですが、仮に駅側のデパートをS、向こう側のデパートをMとすると、Sは百貨店でどちらかというとMの方が若者向けというか、入り易かった?…のかな。そんな印象
だからといってSが古いのかというとそういうわけではなく、コスメその他で言えば明らかにSの方が品揃えはよかったし、なによりも香水の種類が多かった。手軽ではないブランド品も多かったので、どっちがいいとかそういうわけではなく、用途に応じて使い分けができていたということ
ただ、Sの建物の方が若干古く暗い印象だったのは否めない。店舗数で言ってもMの方が全国展開されていたし、飲食店に関しても流行りのお店やカフェが入っていたのはMの方だったので、どちらかというとMの方が来店頻度は高かったかもしれない

が、

Sのレストラン街にある喫茶店には、他のお店にはないバジリコスパゲティやスープスパゲティがあった。そこだけは足しげく通うだけの価値があり、最上階に通う頻度はSデパートの方が明らかに高かった

バジリコ…なんて言葉は高校生になってから知った。それまでのわたしは、外食をする機会も少なかったため、ラーメンしかないラーメン屋さんの存在や焼肉専門店があることすら知らなかったし、スパゲティと言ったらナポリタンか、よくてミートソースぐらいしか頭の中にワードがなかった。ドリアやグラタンを覚えたのもその頃だろう。なにせ、マクドナルドは海外にしかないと思っていた子ども時代を考えればそれも仕方のないことだったのだ

そこでスープスパゲティだが、その喫茶店には2種類のクリームスープスパゲティがあった。それが「たらこのスープスパゲティ」と「きのこのスープスパゲティ」だった。どちらも絶品で、いつもその2択で悩んだものだった

高校時代というと、国鉄がJRに変わった時期と重なっていて、もろもろの大人の事情から、わたしの地元では国鉄の職員がいくつかの駅でパスタの専門店を開いた時期でもあった。そこからわたしのパスタ道が始まるのだが、それはまた別の機会に・・・・

わたしの頭の中のワードがスパゲティからパスタに変わった頃、わたしはそれを自分で作りたいと思った。そこで毎週末にしつこくきのこスパゲティを作るようになるわけなのだが、それはわたしが料理に目覚めた最初の試みだったのかもしれない
どうしてもそのスープスパゲティを再現したかったのだ

だが、しかし、

・・・・である
おいそれとスープスパゲティなんてできやしないのだ。なぜならその頃のわたしは、たらこスパゲティすら作れなかったのだから、その上更にスープだなんて100年早いってもんで、夢のまた夢なのである

少し前にトマトの缶詰でパスタを茹でて作るレシピを知り、これはスープでもできるんじゃなかろうかと思い立ち、スープでパスタを茹でてみたのだ。そこに生クリームを足したらあのパスタができるんじゃないかと思ったのである
案の定、いい感じにスープスパゲティは出来上がり、少し塩味が足りないと思いたらこをのせて食べてみました。それがTOP画

さすがに店の味…とまでは行きませんでしたが、自分でもスープスパゲティが作れることは解ったので、これから少しずつ腕を磨いていきたいと思います。いつの日かあの味に近づけることができたなら、また記事をあげさせていただく日も来るかもしれない。その日が来ることを願って、しまいとさせていただきます


後日談:パスタにはまったく関係ないのですが・・・・
早くにSデパートは取り壊されて新しい建物に生まれ変わりました。そしてまたMデパートは、不景気の煽りなのかわたしの地元からの撤退が決まり…それはわたしの2度目の結婚が決まった時期と重なり、わたしはMデパートで今の旦那さまのためにプレゼントを買ったのです
それが13年前。わたしは少し疲れていて、どうしても専業主婦になりたかった。でも専業主婦になったら稼ぎはなくなる。それまでは「彼」だった今の旦那さまに誕生日やその他イベントごとのプレゼントも思うようにできなくなると思い「一生分のプレゼント」をと考え高級腕時計を購入することにしたのです。それはMデパートが閉店する1か月前のことで、引き取りは閉店の2日前と、本当にギリギリでのお買いものでした
高級腕時計は時々メンテナンスが必要だとかで、わたしはその時担当された紳士に引っ越し先を聞かれました。すると引っ越し先の隣の市にはMデパートの別の支店があり、そこでもその時計のメーカーを取り扱っているとのことでしたので、安心してわたしは嫁いだのです
そうしていよいよメンテナンスの期日がやって来て、わたしたちは隣の市にあるMデパートの支店に赴きました。そしたら、なんと! 数年前にわたしの地元で時計を購入した際に担当してくれた紳士がそこにおり(転属ですね)、偶然の再会を果たしたのでした
さりげなくも恋バナ・・・・なんとも不思議なご縁の話(´艸`*){ちゃんちゃん

いつもお読みいただきありがとうございます とにかく今は、やり遂げることを目標にしています ご意見、ご感想などいただけましたら幸いです