連載『オスカルな女たち』
《 エピローグ 》・・・7
「ほぉ…。あの時から仕掛けてたってわけか」
敵意丸出しの真実(まこと)に、
「そんな…。つもりじゃぁなかったですけど」
たじろぐ真田。だが、
「結果、こうなった…と」
いたずらな目で、織瀬(おりせ)と真田の間でワイングラスを振るつかさ。
「もう、いいじゃない…」
その件に関して織瀬はなにも言えない。
「あれから半年ちょっとしか経ってないなんてね」
「あの頃とはずいぶん変わったな」
「あたしは離婚、織ちゃんも離婚…そしてBaby誕生。まこちゃんはぁ…」
「なにもないよ」
無理矢理話の腰を折る真実に、
「またまたぁ…いろいろと聞こえてるよ~」
肩を揺らして右隣の真実を小突くつかさ。
「空耳だ、気にするな。自分はどうなんだよ、ハウスメーカーとは…!」
「あ~わかったー。空耳だったー」
わざと棒読みに応えるつかさ。
「調子いいんだから…」
「あはは…。これから先も少しずつ変わっていくんだろうね、あたしたち」
右隣のふたりの顔を覗き込む織瀬。
「そりゃ、おばさんになってくだろーよ」
「やだ、まこちゃん。そこははしょってよ」
「なんだよ、はしょれねーだろ、現実はー」
かつてお嬢様学校ともてはやされた世界で、生徒達の憧れの象徴『オスカル』の名を冠されて過ごした乙女たち。
乙女らは成長して大人になり、社会に揉まれながらもそれぞれの家庭を守り第2の思春期を謳歌している。
今後もなにかと心揺さぶられることがあるかもしれない。自分以外のやんごとなき事情に振り回されることもあるかもしれない。
だが乙女たちはいつまでも、繊細で、赤裸々で、オスカルがたった一度だけドレスを纏ったときのようにときめくことを忘れない。
彼女たちはこの先なにかを諦めたとしても、だれにも言えない秘密を抱えることになったとしても、キラキラと今を生きていく・・・・。
*『オスカルな女たち』はこれを持ちまして終了です
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