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アメリカ学生のクロカンレース

米軍基地内で行われてクロスカントリー大会を訪れました。本来は米軍、学校関係者しか入れないところを、先日伺った横田高校のみんなに帯同させていただきました。

全国に点在する米軍基地内にある6つの学校が集まり中学生3305m,高校生4417mの距離で競われました。コースの都合上、距離は中途半端になり特別な意味があるわけではないそうです。
個人の順位はもちろん、団体戦でもあり上位4人の順位数の合計で数が少ないチームが優勝になります。そのため普段は長い距離を嫌う生徒も必死になれる一つの理由のように感じました。

例年ですとインターナショナルスクールの学生も参加し、より盛り上がるそうですが、今回はコロナウイルスの影響で規模が縮小されての開催でした。

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スタート地点は砂利道で転がる石も大きく足場の状態は良くありません。コース途中にはアスファルトの部分もありますが、割れていたり、でこぼこで必ずしも走りやすいパートではなく、注意を払いながら走る必要があるように感じました。

スタート後はすぐに道幅が狭くなることもあり位置取りのためか、感情の高ぶりもあるのかみんな勢いよく飛び出して行きました。
スタート前はピリピリするというより、本当にスタート前かなというくらいまったりした雰囲気でしたが、一旦レースが始まると応援する保護者、コーチ達の声援も飛び交い場は白熱していきます。

各学校のコーチ達の様子を観察していると大きく怒鳴るように指示、声援を送るコーチもいれば、冷静に観察して的確にポイントを指示するコーチもいて様々です。
より多くのコーチやランナーと関わっていけば国柄だけでコーチのタイプを表すことはできないなとつくづく感じます。
以前は私もアメリカ人コーチは、オーストラリア人コーチはなどと言ったりすることはありましたが、次第に人種などではなく個人として考えるようになってきました。これはランナーのタイプも同じで陽気で緊張などほとんどしない元気のいい白人ランナーなどど勝手なイメージを持っていましたが、どの国にも大人しく緊張しがちで本番で力の発揮できない選手もいれば、上記で述べた想像通りの選手もいます。
細かい指示を欲しがれば、ほっといて欲しいと思う生徒もいて、これは実際に外国人の生徒を指導し始めて感じることです。

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女子は2人の生徒のデットヒートが繰り広げられました。比較的に高校1年生の生徒が上位を占めていましたが、体型の変化でタイムや成績が高学年になると落ちてしまう傾向があるといいます。
この辺りはモチベーションの維持に苦労するところだと思います。体型の変化は何も悪いことではなくしっかりと受け入れるべきものです。
以前にアメリカ人プロコーチの方が「体型の変化が問題ではなく、体型の変化に対してアプローチを変化できないことが問題だ」とおっしゃていました。
記録が落ちる、以前みたいに走れないというのは、当然競技をやっている人からすると辛いものではあります。
現に結果を見ると12年生(日本で言う高校3年生)の参加人数自体が9,10年生(日本でいう中学3年生、高校1年生)に比べ極端に少なくなります。
オーストラリアのクロスカントリーを見た時も17以上の部門になると参加人数が少なくなります。女子のチームと関わるようになり記録会では高校生の参加が少ないと女子のレースは数人しか参加していないという光景を目の当たりにしてきました。
個人間の差があるのは当然ですが、女子学生の競技続行へのアプローチは男子同様にはいかないなと思います。

男子のレースが始まり1人沿道で声援を送る生徒。最初は怪我で参加できずにいると思っていましたが、どうやらテストの成績が思わしくなく一時、練習と試合への参加が禁じられているとのことでした。チームのエースで大きな痛手のようですが、特別措置はないとのことです。
駅伝強豪校を経験し、やはりエースには競技外の部分でも優遇措置があるのをそばで見てきた者としては意外なところではありました。
あくまでも一例でこれがアメリカの全てというつもりもありませんし、そうじゃないチームも当然あるとは思います。

レース後には数人のコーチ、選手に話を聞いてみると、やはり日本の大会がどんなものか知らない人がほとんどでした。
しかし興味はあるようで日本の記録会や公式レース参加に意欲的な生徒やコーチもいました。ぜひ日本のチームと一緒に練習してみたいと言う生徒もいました。同じ日本にいながらお互いに存在を知らないというのも少し寂しいので、もっと交流の機会の提供ができればと思います。

また日本の学生レースとは違った雰囲気、環境を経験できたことで見えてくる部分もありました。

しかし共通な事はチーム一丸となって頑張る姿、学生スポーツの素晴らしい部分だとつくづく思います。

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