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本質がわかる哲学的思考 平原卓著
今哲学を学ぶとはどのような意義があるのか?「なるほど確かに哲学は必要だ」というのが素直な読後の感想になるのではと思います。
竹田先生の哲学(現象学)がベースになっているので、竹田現象学を学んだ人間にとっては納得できる内容が多い。
むしろ、平原氏の方がより現代的に明確に解説できてる印象。
例えばカントの解説に
感性:データ収集能力、悟性:データ統合能力、理性:「全体」を推論する能力
と今風に説明している点などは非常にわかりやすい。
私たち人間の世界は、事実の世界ではなく、善悪や美醜といった価値の世界である。そして価値は模写されるものではなく、ある観点のもとで解釈され評価されるものである(第3章 共通了解)。
本当にそうだなと思います。
我々は価値と意味の世界で生きており、人それぞれに違う。違うのは当たり前で、お互いがコミュニケーションをとってすり合わせして共通了解の営みを続けていくことで共同体としての共通の価値が生まれてくる。
それでも一致しない場合はある。その場合でもお互いがお互いの信念の根拠を知ることはでき「自分と価値観は違うけれども確かにそういう考え方もあるよね」と言えるような関係になればと思います。
多様性はそれ自体で優れた価値であるのではない。文化の違いを相互に承認することがが同意されていなければ、違いは不安を生み出し対立を生み出す条件として働くだけである(第3章 共通了解)。
改めて本当にそうだなと思います。
*写真:北海道 岩内郡 神仙沼
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