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「あなたの隣のジェンダー革命」日経ビジネス2104号より
FIREして、はや3年目ですが、35年前の学生時代からずっと定期購読しているのが「日経ビジネス」。
日経ビジネスは、管理職のビジネスパーソン向け雑誌ですが、別にビジネスパーソンでなくても単純に「しっかり深掘りされた記事」が多くて、とても面白い。
ちょっと古くなってしまいましたが、今回の記事(2021年8月23日号)も大変興味深かったので思わずメモがわりに展開。
■セクシュアリティーは、四つの要素の組み合わせ
①体の性 :生物学的な身体のつくりが男か女か
②心の性 :自認する性、つまりアイデンティティが男か女か
③好きになる性:恋愛対象は、男か女か
④表現する性 :ふるまいやファッションが、男か女か
この四つの組み合わせをベースにしつつ、明確な境界線がないのが人の性別。つまり性別はグラデーションなのです。
例えば、アーティストの宇多田ヒカルさんの場合、「ノンバイナリー」なので、②心の性、④表現する性、の区別がない人。
Qとは、自らの性のあり方について、特定の枠に属さない人、わからない人等を表す言葉で、更に+をつけて、あえて区別がつかない人も包含させるという意味だそうで、恐縮ながら初めて知りました。
これまでは、慣習や宗教観に基づいて、明確に性別が男と女で分かれていましたが、個々人がしっかり自分を見つめれば「自分がどんな性なのか」が人それぞれ違うわけで、LGBTQ+層は全体の8.9%を占める、といいます。
日経ビジネスの視点で言えば、企業が永続的に利益を上げるためにはイノベーションが必要であり、イノベーションを生み出すためには多様性が必要であり、性にとらわれない企業組織は多様性ある組織だからイノベーションを継続的に生み出せる→利益をあげやすい、という理屈。
とはいえ、世界価値観調査の結果を見るとまだまだ、例えば同性愛に関しては「正しい」と思う考え方は世界的にはマイナーな考え方。
同性愛含め「性はグラデーション」という価値観が徐々に浸透してくればくるほど、幸せも増えてくるように感じます。
■「夫に養ってほしい」が7割
特に男女平等に関してネックになっているのが、日本の男女平等指数世界120位という現実で、その要因の一つに「未だに夫の経済力を結婚条件にする女性が7割」という女性自身の意識。
気持ちはわかります。高収入の男性と結婚して専業主婦になった方が楽して人生楽しめる(玉の輿です)わけですから、合理的思考にたてば当然の考え方です。
一方で専業主婦世帯は、離婚や夫の死別などに遭遇すると一気に貧困家庭に追いやられるという、非常にリスキーな状態でもあります。母子家庭の貧困率は48.1%という恐ろしい状況。そして最大の問題は、このような他力本願な生き方が女性自身の自立を阻んでいるという事実です。
では男女平等で先進的な国はどうか。数年前に個人的に北欧(ノルウェー)在住の日本人女性に聞いたら、北欧社会では「女性が仕事するのは当たり前で仕事してないと病気しているんじゃないかと思われてしまう」そう。
実は「専業主婦という概念が成立していた状況」は、日本の歴史に鑑みれば「明治から平成にかけてのわずかな期間」であり(あえて令和は含みません)、有史以降、江戸時代までは少数の支配層のみ。みんな共働きで田畠を耕したり、商売をしていたわけです。
日本の法制度も「女性は経済的弱者」という位置付けで、まだまだ法的にも古い慣習は残っていますが、女性の活躍が進めば、いずれ不要な制度になるでしょう。
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