本当に意味のある社会貢献①
2022年5月15日、少しずつ夏が近づいてきたなと思わせる暑さのなか、2ヶ月ぶりに名古屋へ足を運びました。
その目的は、フリーランス国際協力師である原貫太さんの講演会『本当に意味のある社会貢献〜SDGsを語る前に、知るべきことがある。』
フリーランス国際協力師 原貫太とは
フリーランス国際協力師 原貫太さんとは
その名の通り、フリーランスとしてYouTubeや講演会、書籍販売、オンラインサロンなど個人事業をしながら、その反面で国際協力もされている方。
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国際協力に興味を持った理由
講演会の冒頭では、原貫太さんが大学1年生の時にスタディーツアーで訪れたフィリピン🇵🇭で見た物乞いをする少女との出会いについて語られていました。
これについては原さんの書籍『世界を無視しない大人になるために』にも書かれていますが、
そもそも何故、フィリピン🇵🇭にスタディーツアーしに行ったのか?。
その理由が意外なものでした。
ただ単に、就活でアピールできる材料になるから、英語を実践的に使ってみたい、その2つが理由としては挙げられています。
ただ、実際にフィリピン🇵🇭のスタディーツアーに参加し日本に帰国する当日、物乞いを見たものの、何もすることが出来ず、心残りが残ったそうです。
というのも、どうして生まれた国が違うだけで、こんなに違うのか?
世界の不条理とも言えるような場面を目の当たりにされたそうです。
しかしながら、多くの人は、物乞いなどを見ても、『あーいう人もいるよね』と必死に訴えかける人々の問いかけには無視してしまいがちですが、原さんは、『どんな1歩でも良いから、例え小さな事でも向き合いたい。』と国際協力に足を踏み入れます。
これが、原貫太さんが国際協力に興味を持った理由とされています。
情報発信
原さんがNPOで活動されていた際、当時、南スーダンでは難民が隣国ウガンダ🇺🇬を始め、多数のアフリカ諸国に避難してきた光景を目の当たりにし、彼らのために何かしたいと心が動き出します。
この当時に実際に支援していた人数は400人。しかし、実際に避難してくる人々は200万人と、まさに焼け石に水。
支援に限界を感じるどころか、無力感を感じたそうです。
その時に感じたのが、そもそも原因とは何か?
根本的な原因を知らなければ意味がないのではないか?
紛争や貧困が何故、生じるのか?
こうした原因はもしかしたら私たちの生活と全く関係がないとは言えないのかもしれない。私たちに何が出来るのか?
そうしたことが契機となり、情報発信を始めるようになります。
古着⇒リサイクル
日本を始め、比較的恵まれた国やアメリカや中国といった先進国では着なくなった服が大量に寄付されています。
特に日本からは海外に24万トンもの大量の服が海外へ輸出されています。
また、アフリカ地域では、そうした国々から送られてくる古着がタダで手に入るといったケースも起きています。
近年、問題視されているファストファッションの流行に伴い、2014年だけでも、60%もの古着が増加したというデータもあるそうです。
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古着の行き先
世界の古着の集積地ともいわれるパキスタン🇵🇰。
そのパキスタンで起きているのが、世界各地から集められた古着が汚れ具合や品質によって各地へ輸出されているという事実。
A⇒アフリカ
B⇒パキスタン/アフガニスタン🇦🇫
C⇒油用
Aは品質がとても良く、そのままでも着ることが出来る古着が、アフリカ大陸へと輸出されています。
Bはパキスタンやアフガニスタンに向け、Aよりは品質が落ちるが着ることは出来る程度の古着が輸出されています。
Cは着ることが出来なくなった古着が最終的には油用として再利用されるなどされています。
そうした途上国と呼ばれる地域で古着は一体1着いくらなのか?
実は古着は1着6円とされています。これだけ見ると安っと思えるかもしれません。
しかし、古着が大量に生産されることで現地産業に影響が出ているのも事実です。
1970年代から2002年にかけ、ガーナ🇬🇭では繊維産業を営む人々の8割が失業したとされています。
その原因が毎週、世界各地から1500万トンもの古着が輸入されており、結果的に安くて品質が良い古着が現地の人々が作る衣服よりも丈夫で長持ちしやすく着やすいといった現地産業を破壊する事態に繋がってしまっているからです。さらには、1500万もの輸入された古着が埋立されています。
大量生産・大量消費産業と問題視されていますが、毎秒、世界のどこかではトラック1台分もの衣服が埋立処分されています。
スマホ:レアメタル
スマートフォンのなかに搭載されている希少金属レアメタル。コンゴ民主共和国では鉱山でレアメタルを取るために児童労働が行われている地域もあります。
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SDGsと本当に意味のある社会貢献
昨今、教育やビジネス、あらゆる場面においてSDGsが提唱されています。
SDGsにどうやって関わるか?を重視しているビジネスが多く見かけます。
しかし、よくよく考えてみればSDGsの本質から見れば、それらは問題意識のないSDGsと言えるのではないでしょうか?
例えば、先ほども述べてきたような善意で寄付した古着が実は現地産業を脅かしているといったことも、その一つと言えると言えます。
SDGsに対して目を向けることは良いことですが、そうした現地の人々の自発的な意思を尊重することが優先するべきことだと言えるかもしれません。
また表面的な意味のある社会問題だけでなく、その裏に、その背景に隠されたことも知る必要があります。
良かれと思ってやったことが実は誰かの犠牲のうえで成り立っていることもあるわけです。
つまり、本当に意味のある社会貢献とは、問題意識を持つことは勿論、本当に意味のある活動なのかを問いただし、「彼ら」が変わるのではなく、私たちが変わること」こそが本当に意味のある社会貢献への向き合い方なのではないかと言えるわけです。
質問
Q.寄付したお金/募金について
基本的に、寄付したお金は国際機関またはNPOや NGOなどの団体が仲介となって行われていることが多いです。
寄付や募金関して言えば昨今では良い意味では援助や支援のために使われていますが、悪い意味では貧困ビジネスと呼ばれる貧困をカモにお金を搾取するという事態も起きています。
ただ、正確にはトラッキング出来ないため素人が参加した募金や寄付が本当に届けられているか見極めることは難しいです。
そのため、どうしても、その行方を知りたいのであれば、団体に入り、インターンなどを通じて仕組みを知るということも重要になるかと思います。
NPOのほうがマージンと呼ばれる手数料が取られにくいため、草の根レベルで活動されている団体に寄付する、あるいは募金することが良いかと思います。
Q.大学生が将来的に国際協力を仕事にしたい
原さんが講演会のなかで、この質問に対して回答したのが
『すぐに役立つものは役立たなくなり、反対に、すぐに役に立たないものは、必ず役立つ時が来る。』
スキルやテクニックにすぐに走るよりも、それらを逆に疑う目を持つことが重要となります。
常識が本当に良いのかどうかも見極める力を養うことが重要になるため、哲学を学ぶことが良いかと思います。
国際協力はスペシャリストとジェネラリストと呼ばれる、すなわち専門職と総合的に何でも出来る人が上手く絡むことで成り立っていることですが、
最近では、スペシャリストとジェネラリストの中間層ともなる、いわゆる一般市民、すなわち99%の人々が国際協力に携わってきています。
その点、ビジネススキルを学生のうちに高めておくことが、国際協力を仕事にするうえで大事になるとされています。
つまり、将来的に国際協力を仕事にしたいのであれば、PR力、ブランディング力、発信力、ファンドレージング、広報といった、ビジネスにおいて武器となる力を身に付けておくことが重要になると言えるでしょう。
長くなったので、①と②に分けました。
本当に意味のある社会貢献①は以上となります。続きは②をお読みください。
♦️本当に意味のある社会貢献②はコチラ⬇️♦️
最後まで読んで頂き有難う御座いました。
今後とも宜しくお願いします。
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