(1)私はこうして、個人ブログから、インタビューメディアへステップアップしました。
1.最初は、ただの個人ブログ。
前回の記事でお伝えしたように、私がコンテンツ制作・取材の全てを担当するWebマガジン風ブログ「タピオカミルクレコード」では、台湾をはじめとしたアジアの音楽情報をお伝えしています。
現在のPVは、1~2万PV/月。「はてなブログ」というサービスを使ってメディアづくりに取り組んでいますが、「普通のブログ」というよりも「音楽マガジン」のようなWebメディアと言えます。なぜなら、ただの「音楽への感想文」だけではなく、台湾・中国・インドネシアのアーティストやプロモーターさんにもご協力をいただき、インタビュー記事など、現地の「生の声」をお届けできるようになったからです。
しかし、最初から「音楽マガジン」のような内容だったわけではありません。2013年から2017年のおおよそ5年間は、個人ブログとして、日々あったことなどを綴る、「ただの日記ブログ」でした。それが「Webマガジン化」することになったのは、ある日、台湾のバンドと、偶然、出会ってしまったからなのです。
私がはじめて台湾の音楽にハマったのは、2016年のことです。草東沒有派對(No Party For Cao Dong)というバンドをYoutubeで知り、「台湾にも、こんなカッコいいアーティストがいたなんて!」と、大きな衝撃を受けました。
それから1年間ほど、台湾のカッコイイバンドを掘る作業に夢中になりました。そして、台湾のバンドやクリエイターさんをとりまく環境や、日本との国際交流の状況を知るうちに、「他のジャンルと比べてみれば、アジアの音楽と国際交流というジャンルにおいては、インターネットがそれほど活用されていないっぽいな」と感じました。
もちろん、台湾のバンドにとって、日本での知名度が高まることが必ずしも幸せとは限りません。ただ、私がもっと多くの情報を知りたいだけ。だからこそ、インターネットが活用されていない状況は、不満というか、小さな疑問として私の中に残っていました。
もっと、誰かが、旬なアーティストの情報を発信してくれたらいいのに。
そしたら、台湾のアーティスト情報が増えて、日本にもファンが増えるのに!!
日本のえらい人は、いったい何をやっているんだろう…。
「自分でやるのは無理そうだから、誰かがやってくれればいいのに」と、他力本願の気持ちが確実にありました。
でも、途中からこう思うようになりました。
誰もやっていないことなら、私がやってみようかな?
迷惑かもしれないけど、このまま誰も何もしないよりは、マシかもしれない。
とても小さな力かもしれないけど、私が発信すればいい。
無謀かもしれないけど、このまま誰も何もしないよりは、マシかもしれない。
誰もやってくれないなら、不満を言わずに、いま、私が手を動かせばいい。
だってそれが私のやりたいことなんだから。
そう決断した瞬間、個人ブログを大急ぎで改装。「Tapioca Milk Records」というタイトルに変更し、見た目もリニューアルをして、Webマガジンとしての一歩を踏み出しました。
2.カルチャーメディア「タピオカミルクレコード」爆誕!!ブログの枠を飛び越えて、台湾のアーティストへ取材もできる存在に。
大志を抱いて発足したタピオカミルクレコード。好きなバンドの紹介やアルバムレビュー、そして好きなバンドの情報をFacebookなどで調べながら、歌詞の翻訳記事を続けてみたものの、すぐに「手詰まりしている空気」を感じました。
なぜなら、自分ひとりでコンテンツを書いているころは、日本の読者さんからの反応をそれほど多く頂けていなかったからです。そこで、これまでに挑戦していなかった、もっと深い情報を伝えるコンテンツ作り…すなわち、アーティストインタビューをやるべきだ、と考えるようになりました。
しかし、突然実績もないWebメディアがインタビューをしようと思ったところで、受け入れられるわけがありません。むしろ、実績的には、ただのブログです。
そこで、「来日アーティストが、プロモーションをしたい時期」に合わせる(徹底的に、相手の都合に合わせる)かたちならば、インタビューに応じてもらえるかもしれない!と仮定し、その時期を虎視眈々と狙っていました。
その矢先、ビックニュースが飛び込んできました。台湾で活動歴も長く、ファンの多いインディーズバンド「Mary See the Future」が来日ライブを行うのです。来日情報が解禁されたその日に、英語でインタビューオファーを送ることにしました。
そこで工夫したのは、積極的に自己開示をすることです。なぜなら、相手の立場を考えると、こちらの素性がわからない以上、インタビューを検討してもらう土俵に上がることすらできないと考えたからです。
当時のPVは月5,000~7,000PVほど。多くの人へ言葉を届けるには力不足かもしれないこと。しかし、私自身がMary See the Futureのファンだし、ライブも行きたいと思ってる。なので、どうしてもインタビューを受けてほしいです!と英語で綴り、メールを送りました。
すると翌日なんと、「インタビュー、受けるよ!」という連絡をもらえたのです。その時の感動は、今でも、昨日のことのように覚えています。
3.個人でも、雑誌のようなWebマガジンを作ることは可能なんだ。
この成功に味をしめ(笑)、インタビューを実際にリリースし続けてみると、「私だけの意見」を載せるよりも、多くの読者さんが喜んでくれることに気づきました。
インタビュー記事をきっかけにタピレコを知ってくれる方も増え、読者さんから励ましのおたよりをいただくことも増えていきます。
インタビュー記事は、気力と頭、そして時間を使います。そのため、あまり本数は打てないのですが、自分が好きなアーティストや、これまで日本に情報の無かったアーティストにインタビューオファーを送り、仕事の合間に編集をすることで、何とか月一本のペースで、インタビューをリリースできるようになりました。
また、実際に台湾へ取材旅行へ行くことで、大手のバンドへインタビューをオファーすることもできるようになりました。
行動を積み重ねていくうち、私のブログ「タピレコ」は、「ミニWebマガジン」のような存在となりました。
当時は働きながら更新しているので、音楽雑誌のように定期的にリリースできるわけではありません。
また、コンテンツ量も一気に増やせるわけではありません。しかし、そのぶん、ひとつひとつの記事へ、「こだわり」をこれでもかと詰め込み、私が、海外アーティストの「代弁者」となる。関わってくれるアーティストが増えるほど、タピレコのことを知ってくれる方も増えました。
私のフィルターを通して、好きなアーティストの言葉を届けられること。
私のセンスでつけたタイトルに惹かれた読者さんが訪問してくれること。
ブログシステムを使って、私プロデュースのWebマガジンを作り、文化の国際交流に一役買っていることにどんどん夢中になり、私はどんどんメディア運営にハマっていきました。
4.これを仕事にするにはどうしたらいいんだろう
インタビューも載せられるマガジンとしての道を、ヨチヨチ歩きし始めた矢先のことです。わたくしごとですが、結婚準備のために2018年6月末付で、それまで働いていた会社を退職しました。
そこで、気づいたのは、
「どうしよう……収入が無ければ、メディアの維持もむずかしい!」ということでした。
メディアを運営するということは、思いのほかお金がかかることです。レンタルサーバー代や、コンテンツによっては翻訳料なども必要になってきます。
だからこそ、健全に経営しなければいけないのだ、という現実に直面し、メディアを事業と捉えて、収入を得て、その収入をコンテンツ作りにまわしていく、というステージに上がる必要があると考えました。
とはいっても、一体なにをすれば良いのかわかりません(笑)
そこで、友人のおすすめもあり、ひとまず、「Google Adsense」を設定してみました。
※「Google AdSense」(グーグルアドセンス)とは、自分(自社)のWebサイトに広告を掲載することで収益を得ることができる、Googleが提供するサイト運営者向けの広告配信サービス。(引用元:https://dekiru.net/article/5445/
はじめのうちは、Google Adsenseにはそれほど期待していませんでした。まあ、月数十円~数百円稼げればいいほうかなぁ?、と想定していたのですが、2018年7月の収益は、半月で1,200円。8月は多くの方が訪れていただき、6,000円弱を得ることができました。
これは、私にとっては意外な結果です。しかし、もっと多くのコンテンツを読者さんに届けるためには、もっと稼ぐ必要がある、と考えるようになりました。
5.広告以外でも、お仕事をさせてもらえる「ひとり音楽Webメディア」へ(※ブログなのに)
とはいったものの、どうやって稼げばよいかがわからなかったので、ひとまず、Google Adsenseだけを設定して放置していました。数か月のあいだ、収益の観察を続けましたが、「5,000円台/月」の壁を突破することはできそうにありません。
たしかに、ブログサービス自体の維持費は、1,000円/月ほどのため、その点だけ見れば、黒字とは言えます。
でも、これまで、台湾の大手のバンドや、Webメディア関係者に接触するために、台湾へ取材旅行へ行った経費はおおよそ数十万円…。これまでは、会社からの収入があったため、「趣味の範囲」で払えるお金でした。でも、会社を退職したいま、収入らしい収入はありません。
今後も同じペースで取材をしたいならば、いずれ貯金も底をつき、大赤字からの閉鎖という未来が待っていることは、簡単に想像がつきました。
私は「愛読してくれる読者さんのために、閉鎖はしたくない。だから、稼ぐ手段を変える必要がある」と考えるようになりました。
そこで、「ブログで稼ぐことができないなら、ブログをネタにして、仕事を受ければいい」と発想を転換したのです。
「こんな私には何ができるんだろう?」と、悩みましたが、やはり、文章にまつわるお仕事をしようと思いました。
そこで、ライティングの仕事を受注できるプラットフォーム「クラウドワークス」や「ランサーズ」に登録。
ためしにライティングのお仕事をしてみたところ、頭を振り絞って考えた文章の金額は、たったの50円(手数料を抜いて約40円)。また、データ入力のお仕事をしたところ、時給に換算するとたったの106円。
こんなことをいつまでも続けているわけにはいかない。
一週間後、クラウドソーシングサイトは全て解約しました。
わたしは、もっと大きな価値を生み出さなければいけない。「私の文章」に価値を見出してくれる人に出会う努力をしてみよう!そう考え、思い切ってブログでお仕事の募集をはじめることにしました。
思いついたのは、音楽ライターの仕事、編集者の仕事、コピーの作成、台湾現地取材。
身の丈に合わないかもしれないなぁ、と一瞬躊躇しましたが、募集しないからには、仕事にはならないものです。
これでダメだったら、どうしよう。自分に可能性がないことを証明することになってしまう。それってちょーーーーーへこむ!でも、ただの事務OLだった私には、もう後が無いのです。そこで、思いついた仕事を全て書き出し、記事にまとめました。(実際のお仕事募集の記事はこちらです。)
すると、お仕事募集をはじめてから、一ヶ月足らずで、台湾のアーティストさんから記事作成のご依頼をいただけました。
また、Facebookからは「台湾の音楽を日本に広めるための作戦を一緒に考えてくれないか」というご依頼もありました。最初は無償で取り組み、歩合制で報酬を交渉しました。それも、収入につながりました。
実際に報酬が振り込まれるのを見て、はじめて「自分の手で仕事を作った」という実感がわきました。「ただの事務OLだった私も、こうやって、国境を超えて、お仕事をもらうことができるんだ」と。
また、「音楽メディアさんでお仕事ができれば、収入だけにとどまらず、私の知らない【メディアのお仕事】を知ることができるだろう」と考えました。そこで、やはりお返事がもらえる自信はないながらも、音楽メディアさんへ売り込みをしました。
すると、「ぜひ一度お会いしたい」という連絡を頂き、取材のお仕事を頂けるようにもなりました。
(※具体的な、ライターとしてのお仕事の営業の仕方は、(5)知名度が低くても大丈夫。月1~2万PVのブロガーが、ブログからお仕事をつくりだすコツを教えます。にてお伝えしています!)
最初は、たったひとりで、コラムしか書いていなかったただの個人ブログが、
1年でたったここまで成長できたこと。
もちろん、まだまだ、大成功!とはいえないかもしれません。
けれども、1年前、ただの「リスナー」だった時と比べれば、とりまく状況が一変しました。
それは、ただ、インタビューが書けたからすごい、とか、相談を受けられるからすごい、私えらい。という話ではありません。
コンテンツに妥協をせず、好きなことだけを書きながら、海外のバンドと知り合えたこと、信頼してもらえるようになったこと。協力しあえる関係が築けたこと。これは、大金を払ったとしても得られない思い出です。そういったものが手に入ったことが、私は、何より幸せだと思います。
また、私は収益化についてぼーっとしていたので、スケジュール感がのんびりしていましたが、これからはじめて取り組む方は、私の得たノウハウを取り入れて、効率よく、ブログを運営していくことが可能だと思います。
そこで、ここまでお読みいただき、「ぜひ自分も【ひとり出版社】のような活動をしてみたい!」と思うあなたへ、次の記事では、具体的なノウハウをお伝えしていきます。ぜひ、最後までお楽しみください!
このマガジンの内容を、「あしたはもっと遠くへいこう」の前原 和裕さんにブログ記事上で紹介していただいています。よろしければ、お目通しください!
月間1万PVのブログでも企業と仕事できる!ノウハウ持った台湾ブロガーさんと共に有料note作りました
このマガジンは、全部で 7章に分かれており、この記事は無料でお読みいただけます。具体的なノウハウは有料エリアで、順次公開をしていきます。マガジン全体の定価は700円ですが、単品買い価格(250円/1記事)を設定しているものもあるので、気になる項目のみお買い上げいただくことも可能です。
ただし、有料エリア内に気になる項目が3個以上ある場合は、単品買いは割高になり、マガジンとしてお買い上げいただいたほうがオトクです。
そのため、ぜひ、最後までお読みいただきたいです!
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【目次】
「あなたも今日から、ひとり出版社!」ーただの事務OLがあこがれの海外バンドにインタビューできるWebメディアをブログで作るまでー まえがき
(1)私はこうして、個人ブログから、インタビューメディアへステップアップしました。(当記事)
(2)「あなたも、好きなものへの愛情を惜しみなく注ぐWebマガジン風ブログを作ってみませんか?」ゼロからはじめるための作戦を教えます。
(3)あなたのブログを、「Webマガジン風ブログ」に仕上げるコツ15個
(4)「ひとり出版社」だって、海外とやりとりできちゃう。インタビューオファーから成立までの流れ。
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