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元気ハツラツ出勤だ、帰りは車に気をつけて

 高高兴兴上班来,平平安安回家去
元気ハツラツ出勤だ、帰りは車に気をつけて
 
 今年、来週の29日は日中共同声明、国交正常化から50年という大きな節目。コロナも無ければかなりお祭りムードだったに違いない。もっとも、米中が仲悪いのに引っ張られてもいるから手放しで歓迎歓迎、というわけにはいかなかったかもしれない。
 
今思えば、北京で勉強していた当時(1990年)、中国の発展は「イケイケ」だった。企業の進出も建設現場もどこもかしこも勢いが感じられた。建設現場の囲いの壁にはいろいろな標語やスローガンの大きな文字が躍っていた。
 
その中に、
 
高高兴兴上班来,平平安安回家去
gāo gāo xìng xìng shàng bān lái , píng píng ān ān huí jiā qù
 
というのがあって、文字が簡単なのと、語呂がいい(だから標語になっている)のですぐに覚えた。

中国で自家用車が爆発的に普及し始めたのは80年代後半だろうか。留学当時、すでに渋滞は起きていた。ただその原因は信号を守る守らないだったり、途切れることのない自転車の激流と自動車の交錯だったりした。

当時週一回以上、交通安全を啓発するテレビドラマが放送されていた。多発する交通事故への警鐘を鳴らすものだった。だから「平平安安回家去」なんだろうね。

ちなみにこうした標語看板はいたるところにあった。平易な文字でAABB型の繰り返しなので覚えやすかった。加えて来(会社へ来る)、去(会社から帰る)という呼応も見事。ここまでしっかり作られていると日本語訳も語呂良くいきたい。
「楽しく元気に出勤だ、車に気を付けはよ帰ろ」
お粗末。


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