『鳥獣戯画ノリ』　４１８字　（注）R-18

「念の為に検査しましたが、特に異常は無いですよ」
医師はこちらを見ようともせず、素っ気無く所見を述べる。

「でも……」と言いかけて、僕は言葉を飲み込んだ。
患者の「でも」は、医師の最も嫌うところだからだ。
彼等が「無し」と言えば無しなのだ。

（ともかく、僕は『正常』なんだ）
僕は自身を納得させた。

「お帰りなさい。で、どうだった？」
「うん、異常無いって」
「あぁ…..良かったぁ……」
ホッとして潤んだ妻の大きな瞳が、愛おしい。

「今夜は貴方の好きなハンバーグを作るわ。そうだ、ビールも付けちゃおっと♪」

僕はしみじみと幸せを噛み締める。
例え、医師が猿に、聴診器が海苔に、看護師の女性達が兎に見えているとしても。
僕ら以外に『真人間』が一人もいない、狂った世界だとしても……。

そして、今日は月に一度の「夫婦和合の日」だ。
いつも以上に激しい交わりは、まさに『鳥獣戯画ノリ』のプロレスごっこだ。
共に絶頂に達した妻と僕は、大きな満悦の叫び声をあげた。

「ゲコっ！！」

＜了＞４１８字
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読んで下さった皆様へ✨

最後までお読みくださって有難うございます✨
今回も『たらはかに』さんの企画に応募させていただきます。
相変わらずの駄作で恐縮ですが、、、ちょっとでも「ふふーん」となっていただけたら物凄く嬉しいです。

まだまだ、暑い日が続いておりますね、、、
皆様と皆様の大切な方々には、何卒ご自愛くださいませ✨
いつの日もLOVE✨

アッシュ拝