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『伝説の安心感』 【改訂版】440字


僕は重度の心配性だ。

セラピーにも通った。

が、不安は消えるどころか増すばかり。

ある日、とうとう僕は自棄になり外に飛び出した。
勿論、「安心グッズ」を詰め込んだ重いリュックを背負って。

(ギックリ腰になったらどうしよう、、、)

「もうし、そこの貴方」
突然の声に僕は身構えた。

見れば、猫が目の前に座っている。

「えっ?」
「お困りの様子。貴方、重度の心配性でしょ?」
「分かりますか?」
「お気の毒に。どれ、私が特別に秘策『伝説の安心感』を進ぜよう」

(『猫の手も借りる』とは、この事か、、、)

藁にも縋る気持ちで、僕は猫に言われた事を一月実践した。


「おい、ちっとも効果が無いじゃ無いか!」
僕は猫に文句を言った。

猫は悪びれもせず言い放った。
「そりゃそうでしょ。だからこそ『伝説』なんですよ」

「なっ!?」
「ですがね、実は本当の秘策があるんですよ。どうです、試してみますか?」

猫はニヤリと笑うと、呪文を唱えた。


(もっと早くコウすれば良かった、、、)

件の猫の隣で毛繕いしながら、僕は妙な安心感に包まれていた。


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